大人になるって良いもんだ。

 2018年3月14日に“遊助”がソロデュー10年目の第1弾シングル『みんな頑張ってる』をリリース!今日のうたコラムでは、今作のタイトル曲をご紹介いたします。この歌は、彼のあたたかい想いをアコースティックギターに乗せて届ける応援ソング。是非、みなさんの地元の友達や身近な人々を思い浮かべながら、歌詞を読んでみてください…!

愛想笑いなんか見た事なかった
あいつが頭を下げて
焼き鳥屋始めるから来てくれって
汗を拭ってネギマ焼いてる

怒ったところ見た事無かった
あの子が大声を出して
バス停で子供を叱っていた
あの頃のママに似て来たんだね
「みんな頑張ってる」/遊助

 今は、学校を卒業した後も、同級生の近況をSNSで簡単に知ることができる便利な時代ですよね。たとえば“Facebook”を開くたびに、ずいぶん会っていなかった人の「就職しました!」「結婚しました!」「第一子が産まれました!」といった【ご報告】が飛び込んできて、驚くこと多々ありませんか? ただ、その投稿からわかるのはあくまで“結果”の【ご報告】のみです。

 一方、遊助の「みんな頑張ってる」で描かれているのは、その【ご報告】の先に続いている<あいつ>や<あの子>の日常なんです。しかも、文字や写真ではなく、実際に<僕>が目にした光景。愛想笑いなんて柄じゃないはずの<あいつ>が<汗を拭ってネギマ焼いてる>たくましい姿も、怒ったところなんて想像できなかった<あの子>がお母さんとして奮闘している姿も、きっとSNSからは伝わってきません。

ちょっと苦手だった生徒会のあいつ
選挙に出るって電話が来たのさ
台風が来ようとずっと立っていた
僕以外 誰も聞いてないのに
「みんな頑張ってる」/遊助

 また、選挙に出る<ちょっと苦手だった生徒会のあいつ>の挑戦だって、もし【ご報告】を読んだだけなら、他人事として「ふ~ん…」と過ぎ去っていたことでしょう。しかし<僕>は<台風が来ようとずっと立っていた>姿をしっかり見ました。だからこそ、その情熱に心が揺さぶられ、演説を<僕>だけは聞いていたのだと思います。画面越しでは伝わりきらない、彼らのそんな人間臭い姿こそが“本物”なのです。そして自分の中にも、タイムラインのようには流れていかない強い気持ちが芽生えてゆくのです。

みんな頑張ってる
息を吸ってフッて吐き出しながら
みんな分かっている
もがきながら 笑いながら
「みんな頑張ってる」/遊助

みんな頑張ってる
上を向いて空に泣いた夜も
みんな分かっている
変わりながら 育ちながら
「みんな頑張ってる」/遊助

 この歌に込められているのは、決して一方通行の「頑張れ!」ではありません。描いた夢が叶わなかった人も、行き先に悩んでいる人も、理解者がいないことを嘆く人も、立ち止まる<僕>も、何があろうと少しずつ大人になって、それぞれ生きながら活かしながら“生活”をしている…。もうそれだけで十分に<みんな頑張ってる>んだと気づかせてくれるのが、遊助の「みんな頑張ってる」です。

 だから「みんな頑張ってるのにどうして自分はこんなにダメなんだろう…」と自己嫌悪に陥る必要もありません。自己嫌悪と闘っているあなたも含め「みんな頑張ってる」のです。SNSの【ご報告】を見て自分と比べる必要もありません。どんなにキラキラして見える人だって、本当はもがきながら「みんな頑張ってる」のです。そう思えば「みんな頑張ってる」と心で唱え、みんなの顔を思い浮かべるだけで、なんだかまだまだ頑張れるパワーが沸いてきそうですね…!

大人になるって良いもんだ
大事なもんが 少しずつ
見えてきてもっと生きたくなる

がむしゃらに頑張ってりゃ
クソダサい姿さらけ出す日も あるだろう
みんな分かっている
強がりながら 強くなりながら
もがきながら 歌いながら
「みんな頑張ってる」/遊助

 さらに<大人>になった今だからこそ、初めて気づく<あいつ>や<あの子>の魅力もあることも、歌詞から伝わってきますね。そういった意味でもまさに<大人になるって良いもん>であり、まだまだ新しいことをたくさん発見するためにも<もっと生きたくなる>のでしょう。強がりながら、強くなりながら、もがきながら、歌いながら、頑張っているみなさんに、この歌が届きますように!