満開じゃない桜が好き、完璧じゃない君が好き

満開じゃない桜が好き
完璧じゃない君が好き
そうきっと輝くんだ
「サクラエール」/足立佳奈


 2018年2月28日に“足立佳奈”が3rdシングル『サクラエール』をリリースします。タイトル曲はずばり、卒業桜ソング。彼女自身も今年高校の卒業を迎えるため、まさに等身大の“今”が綴られた歌詞となっているんです。現在、歌ネットでは歌詞先行公開中ですので、さっそく今日のうたコラムでもご紹介いたします。

 まず卒業ソングと言えば、イメージするのは美しく咲き誇る桜や散ってゆく桜吹雪でしょう。しかし実際、卒業式が行われる3月10日前後には、まだ花はつぼみだったりするんですよね。まさに<満開じゃない桜>なわけです。そして、桜が満開になった頃には、もうすでに今まで一緒に過ごした仲間とは別々の道を歩んでいるということ…。

いつも一緒に 寄り道する
小さな公園のベンチ
見慣れた樹々の つぼみがちょっと
ふくらみ始めたみたい

春になったら それぞれの道
こんなふうに 会えなくなる
分かってるから
「サクラエール」/足立佳奈

 そのような意味でもこの歌は、桜がまだ<つぼみ>段階である卒業間近の情景や感情がとてもリアルに描かれております。たとえば、公園の<見慣れた樹々>なんて、いつもは気にしたことさえなかったのかもしれません。だけど、ふと空を仰いで<つぼみがちょっと ふくらみ始めた>桜に気づいた。それはやはり<こんなふうに 会えなくなる>その日のことを心が強く意識しているからでしょう。

満開じゃない桜が好き
完璧じゃない君が好き
さよならじゃない言葉が好き
明日を信じる君が好き
そうきっと輝くんだ
「サクラエール」/足立佳奈


 だからこそ、このサビのフレーズが響きますね。満開になんてなってほしくない、完璧になんてなってほしくない、だってさよならなんてしたくないから…。そんな寂しさや切なさが<好き>という言葉の裏側から伝わってくる気がします。ただし「サクラエール」がその気持ちより、ずっと大切に伝えようとしているのは“エール”の部分です。

 まだ<満開じゃない桜>も<完璧じゃない君>も“可能性”を秘めているのです。同時に、夢が輝く日を見つめて<明日を信じる>美しい“今の姿”があるのです。そんな仲間をそばで感じているから、自然と前向きな<好き>という言葉が溢れる。そしてきっと<さよならじゃない言葉>にも、またいつか会える未来の“可能性”が込められているのだと思います。

うれしい時も 凹んだ時も
あたりまえにそばにいたし
お互い今まで たくさんのこと
話したはずなのにね

本当は一番 大切なこと
ずっとずっと 言い忘れてた
そんな気がして

かっこつけないところが好き
強くて弱い君が好き
涙のあとの笑顔も好き
どんな君でも君が好き
今ちゃんと伝えるんだ
「サクラエール」/足立佳奈


 また、一方で<つぼみ>のままで別れてはいけない想いもあります。今、伝えなければならない<好き>もあります。そんな言い忘れてた<大切なこと>に気づいて<今ちゃんと伝えるんだ>という勇気がほしい時、その背中をポンッと押してくれるのも「サクラエール」という楽曲の魅力。

いつか夢が叶うとき
君はもっと輝くんだ
届けこの想いよ
「サクラエール」/足立佳奈

 卒業を間近に控えているあなたに、友達との別れが寂しくて仕方ないあなたに、まだ大切なことを大切な人に伝えたないあなたに、足立佳奈「サクラエール」が届きますように!

◆紹介曲「サクラエール
作詞:足立佳奈・小林夏海
作曲:足立佳奈・宗本康兵