一人の友達が、家のテレビの下にしまってあるジェンガを見て言った。

 2022年8月でデビュー5周年を迎えた“足立佳奈”が、毎月の連続配信リリースを行うことを発表。12月23日にその連続リリースの締めくくりとなる第9弾として、新曲「Life Goes On」を配信リリースしました。今年5月にリリースした「Me」、11月30日に配信リリースした前作「WALK」に引き続き、Shin Sakiuraとタッグを組み、作詞・作曲は足立佳奈本人も手掛けております。
 
 さて、今日のうたコラムでは、アニバーサリーイヤーを記念して、5月~12月に毎月“足立佳奈”による歌詞エッセイをお届けいたします!今回がついに最終回です。綴っていただいたのは、新曲「Life Goes On」にまつわるお話。ワンフレーズで止まっていたこの曲が、また動き出すきっかけになった、友達の意外なひと言とは…。デコボコした人生を毎日なんとか生き抜いているあなたへ。この歌詞とエッセイが届きますように!



気持ちを高められる
そんな曲を作りたい。
 
曲を作ろうとしていた時期に思った。
 
「さぁ~立ち上がれ今~」
 
そのメロディーが私の頭の中で鳴ってたから
とりあえずスマホのボイスメモに残しておいた。
 
 
そこから曲の続きが鳴ることもなくて、
必然的に制作も進まなくて、
少しこの曲を諦めかけてた。
違う曲を作り始めようかと思ってた時、
友達が何人か遊びにきてくれた。
 
ちょうど良い息抜きになるなぁと思いながら、
家で食事をして、
最近は忙しいだとか暇だとか、
あのドラマの1話で号泣しただとか、
久々に渋谷のセンター街を歩いたんだとか、
日々の想いをそれぞれにつらつらと話して、
話疲れたのか
一旦その場は静かになった。
携帯を触ったり、
洗い物をしたり、
恋人と電話したり、
そんな時間に変わった。
 
それからまた少し時間がたって、
一人の友達が、家のテレビの下にしまってあるジェンガを見て言った。
 
「なんか、ジェンガみたいだなぁ」って。
「何が?」って思わず聞き返した。
「いやー、人生が。お前も頑張ってるよなぁ。」
友達の背中しか見えてなかったけど、
ケースからジェンガを出して、
犬や猫を宥めるようなそんな雰囲気で話してた。
 
そこから何か語るわけでもなく、
その言葉だけを静かな空間に投げかけた。
私はその言葉を無意識にキャッチして、
自分に置き換えて考えていた。
 
最初は何言ってるんだろうと思った。
でも確かにそうだな。
なんかいいな。ジェンガと人生。
そう思った。
 
ジェンガも人生も、
自分や誰かの手が加わることで、
成功することもあれば、
うまくバランスが取れないときもある。
気持ちが高まったり、
傷ついたり、崩れたり、
また新しく始めたり。
 
どの世界でも、
次々と注目される新しいスターが現れて、
時の人となったり、過去の人になったり。
 
無謀だと言われたり、励まされたり、悔しくなったり、怖くなったり。
 
デコボコした人生だけど、
クスッとでも大声でも笑えるような
楽しいや嬉しいがこの先の「未来」にあるとするなら、
私は何度崩れても、また立ち上がって今を一生懸命に生きたいと思った。
「未来」をどうするかはジブン次第だから。

足立佳奈>



◆紹介曲「Life Goes On
作詞:足立佳奈
作曲:足立佳奈・Shin Sakiura