愛してると聞きたい、でも言わないで。

 2018年2月7日に“Ms.OOJA”が、ニューアルバム『PROUD』をリリース!今日のうたコラムではその中から、新曲「コントラスト」をご紹介いたします。まず、タイトルの「コントラスト」とは【画面や画像の明暗の差】を意味する言葉。明るさと暗さの差が大きいほど、コントラストは強くなり、シャープでくっきりと見えます。そしてこの歌では、主人公の“心のコントラスト”が“あなたへの想い”の強さとして描かれているのです。

あなたの夢をみるほど思い知らされる夜
朝日が何度昇っても消えないその面影
“あんなにひどい男は忘れ幸せになって”
優しい友が諭しても強くまた想ってる
「コントラスト」/Ms.OOJA

 もう冒頭のフレーズから明暗の差は伝わってきますね。毎日ちゃんと<朝日>は昇るし、自分を心配してくれる<優しい友>もいるし、もっと違う<幸せ>だってある、明るい光。それなのに<あんなにひどい男>を<強くまた想って>しまう、暗い影。客観的に感じるのは、そんな明暗の差です。でも実は、主人公にとってそれは“逆”なのかもしれません…。

叶うわけない 馬鹿みたいとわかってるけど
描く物語 誰にも言えない
それでもあなた微笑んでくれますか?

抱きしめたらもう二度と
ひとりにしないと誓うエンドロール
光眩しすぎて明日が影になる
愛してると聞きたい
でも言わないで信じてしまったのなら
いつか悲劇になる喜劇が始まる
コントラスト
「コントラスト」/Ms.OOJA

 主人公にとって<光>とは<あなた>が全てです。他の誰でもない<あなた>と<描く物語>の中にだけ、幸せは存在するのです。だから先ほどの<優しい友>も、<あなた>を<忘れ幸せ>になることも、明るさには繋がらないのでしょう。むしろ<あなたの夢をみる>夜や<消えないその面影>の方が<光>と言えます。ただし、本当なら<あなた>は<光>にしてはいけない人。

 何故なら、この恋はたとえ先に進めたとしても<いつか悲劇になる喜劇>だとわかっているから…。そのどうにもならない哀しみや苦しみこそが、暗い暗い<影>です。それでも<もう二度と ひとりにしない>と誓ってほしいと、<愛してると聞きたい>と、願うことをやめられない。大きな光で影はより濃くなり、逆に濃い影で光はより大きくなる。そうして心に強い「コントラスト」が生まれていく、ということなんです。

口づけして何度でも
戻るよと囁いたプロローグ
耳に甘く響いて瞳閉じてしまう
愛してると告げたら
あなたが笑うのはもう知っていても
いつか涙になるいびつなエンディング
コントラスト

抱きしめれば暖かい
ふたりでいれば見える愛の光
胸を熱く焦がす 燃え尽きたっていい
感じるまま触れ合う
ただあなたと居られる瞬間だけは
影さえもきらめく果てない物語
コントラスト
「コントラスト」/Ms.OOJA

 さらに、歌のラストでは<あなた>という<光>がいっそう大きくなっております。過去の甘い記憶や<ただあなたと居られる瞬間>によって、もはや未来の<影>なんて見えなくなっているのではないでしょうか。というより、暗闇に堕ちてゆく物語のサッドエンディングさえも<光>として感じられてしまう状態なのでしょう。実際には、もう後戻りできないほど<影>が大きくなっているということだとしても…。

 自分が「コントラスト」の主人公の親友だとしたら、やはり報われない恋愛から目を覚まして、幸せになってほしいと願わずにはいられないですよね…。でも同時に<燃え尽きたっていい>と思えるほどに、誰かを愛している物語を、どこか羨ましくも感じませんか? そして、もし自分が「コントラスト」の主人公と同じような恋をしてしまったとしたらどんなエンディングを選択すると思いますか…?

 そんなことも想像しながら、歌が進むにつれどんどん「コントラスト」が強くなってゆくこの恋の世界を、じっくり味わってみてください…!

◆6th ORIGINAL ALBUM「PROUD」
2018年2月7日発売
5,000枚限定生産盤(2CD+DVD) UMCK-9935 ¥7,980+TAX
通常盤(CDのみ) UMCK-1589 ¥3,000+TAX