adieu

あなたをちゃんと、思い出にできたよ。

あなたが歌ってた 夏のあの歌の
名前をついには 知れないまま

あなたの鼻唄だけを頼りにし
思い出の雲間を 流れるのです
「ナラタージュ」/adieu

 【ナラタージュ】とは【映画などで、ある人物の語りや回想によって過去を再現する手法】のこと。そんな意味を持つタイトルのとおり、大切な過去が歌のなかでゆっくりと再現されてゆくのは、17才シンガー“adieu”が2017年10月4日にリリースしたこの曲です。作詞作曲は“野田洋次郎(RADWIMPS)”が手がけ、10月7日から全国公開の映画『ナラタージュ』主題歌として書き下ろされました。物語の主演は松本潤、ヒロインは有村架純が務めております。

 かつて、高校教師と生徒として出会った二人。先生(松本潤)は孤独な彼女(有村架純)を救った存在であり、彼もまた彼女に救われていたものの、当時はその特別な感情も思い出も胸にしまったまま、離れるしかありませんでした。しかし、時が経ち再会を果たした二人はそこから、決して許されはしない、けれど、一生に一度の恋に落ちてゆくのです。「壊れるくらい、あなたが好きでした。」「わたしには、あなたでした。」キャッチコピーの言葉からも、ただ一人の運命の人への痛切な想いが伝わってきますね…。

それはもう今では 恥ずかしいほどに
誰の目にも あなた色してた

わたしの身体は 懐かしき彼方
今はもう 違う 匂いがする

ハロー ハロー ハロー ハロー

理由ばっかり 尋ねる世界で
ワケなど一つもなく 恋をした
「ナラタージュ」/adieu

 そして、ラストを彩るのが“adieu”の歌。映画と同タイトルの主題歌は、物語のその後を生きている<わたし>の声にも思えます。それは<誰の目にも あなた色してた わたしの身体>を懐かしいと、恥ずかしいほどだと、思えるくらいに彼方まで歩いてきた彼女の声です。そんな現在の<わたし>の回想により再現されてゆく過去。あの頃は<理由ばっかり 尋ねる世界で ワケなど一つもなく>“わたしには、あなた”だったのですね…。では、その回想のなか彼女は今、何に対して<ハロー>と告げているのでしょうか。

どんな昨日より 明日が好きだと
少しの背伸びと本音で 今は言えるよ

はじめまして 「さようなら」
最初で最後の 「さようなら」
理由ばっかり 尋ねる世界で
あなたの理由だけを持って逃げた

正しい夢の 終わり方なんて
この世でわたし わたしだけが決める

あなたをちゃんと 思い出にできたよ
「ナラタージュ」/adieu

 <あなたの理由だけを持って逃げた>彼女は、長い間「さようなら」からも逃げ続けていたのでしょう。どんな明日も拒んで、大切な時間が刻まれているあの日々を何度も何度も、今日として生きていたのだと思います。それは眠りながら夢を見ている感覚に近いですよね。たとえ現実ではないとしても、目が覚めるまで心にとってはそれが“今”なのです。同じように、ずっと過去が“今”だった。しかし、たくさんの時間をかけてやっと彼女は、眠りから覚めたのではないでしょうか。
 
 そして、夢が夢だと気づいた。つまり過去を過去にできた。<あなたをちゃんと 思い出にできた>のです。とはいえまだ、目が覚めたばかりのボンヤリとした感覚や、夢が夢だと気づいたときのような寂しさも、わずかに残っているからこそ<どんな昨日より 明日が好きだと>言うには<少しの背伸び>も必要なのでしょう。だけど、逃げ続けていた「さようなら」に、初めて<ハロー>と告げることができたのは、たしかですね。

あなたの記憶の上に今は いくつもの新しい
未来が芽を出してる

いつかふいに 振り返った時も
その眼がなんて言ったか わからないくらい

はるか遠くに いるでしょう
それでもどうか 笑ってて
「ナラタージュ」/adieu

 <誰の目にも あなた色してた>、<ワケなど一つもなく 恋をした>、<あなたの理由だけを持って逃げた>、<あなたをちゃんと 思い出にできた>…。そんな過去を経て、歌のラストでは<いくつもの新しい 未来が芽を出してる>今と未来が広がっております。もう過去形の言葉は綴られていません。大切な恋の思い出を忘れるためではなく、大切な恋を大切な思い出として抱きしめて生きてゆくための歌。それが「ナラタージュ」なのでしょう。そして映画もまた、一生モノの想いの尊さを教えてくれる作品ですので、是非、劇場でその恋の形を見つめてきてください…!

◆『ナラタージュ』
2017年10月4日発売
初回生産限定盤 SRCL-9531~32 ¥1,667+tax
通常盤 SRCL-9533 ¥1,250+tax

<収録曲>
1. ナラタージュ
2. 花は揺れる
3. ナラタージュ instrumental
4. 花は揺れる instrumental
映画『ナラタージュ』を10年間温めてきた行定勲監督が製作陣とともに、[時を止める歌声]をコンセプトに探し求め辿り着いたのが、adieuの歌声です!
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