小林武史さんは今作について『ちょうどリオ・オリンピック開催時が制作期間でした。日本人の活躍は素晴らしかったですが、もちろん思うようにいかなかった選手もたくさんいた訳で。そんなことの影響もあってか、今回才能豊かな二組の若いアーティストと共に、「うまくいくこと、いかないこと」のあいだで揺れる人の気持ちを、時間と(街という)場の包容力で描けたらと思いました。東京で暮らす多くの人に、共感してもらえる曲になったと思います。』とコメント。今日のうたコラムでは、秦基博とback number・清水依与吏の共作詞によって生まれた「reunion」の歌詞をご紹介♪
気が付けば夏は また終わっていて
もしもあの時僕が なんて
踏み出す勇気も ないこの弱さを
遮るようにドアが 閉まる
思ってたより 努力って出来なくて
自分を知る度に 自分を諦めて
君は今頃 どうしてるだろう
流れてく景色の中 変わらないものを探した
「reunion」/back numberと秦基博と小林武史
「reunion」とは【再会】の意味の言葉。まず、この主人公は冒頭で<もしもあの時僕が>…と、“うまくいかなかったことへの後悔”に再会します。かつて、なんらかの理由で大切な人と別れることになってしまったようです。しかし、現実ではホントに<思ってたより 努力って>出来ないものですよねぇ。そんな冴えない自分へのため息と諦めを抱え、いつもと同じ電車に乗り込み、閉まるドア。あれから変われない自分だけが、世間や<君>からどんどん置いていかれるようで、彼は<流れてく景色の中 変わらないものを探した>のではないでしょうか…。
君の街まで 繋がってるんだ
そんな事思いながら
反対方向へと揺られて行く
色付き始めた まばゆい風が
その頬にも そろそろ 触れてる頃かな
記憶に沿って会いに行く
それが出来たとしても
今のままじゃ おんなじ答えしか 出せないね
「reunion」/back numberと秦基博と小林武史
電車に揺られながら、主人公は別れてしまった<君>の街や、そこで生きている<君>の姿に思いを馳せませす。そうして一度は【再会】したいなぁという気持ちも芽生えたのでしょうが、「いや、こんな自分のままじゃまだダメだ、過去の繰り返しだ」ということに気がつくのです。それは“「うまくいくこと、いかないこと」のあいだで揺れる人”が一歩進むための、大切な気づきなのかもしれませんね。
君のとこまで 届けばいいな
流れてく景色の中 変わらない想い溢れた
木漏れ日で咲いた 優しい花が
この街にも 本当は たくさんあること
また会える日まで
ここでまだ 頑張ってみるから
「reunion」/back numberと秦基博と小林武史
そして「reunion」はこのように幕を閉じてゆきます。変われない自分や後悔との【再会】から始まった歌ですが、最後はむしろその<変わらない想い>をパワーに、<また会える日まで ここでまだ 頑張ってみるから>と、フッと前を向けるような歌詞になっているんです。皆さんには、もう一度会いたい大切な人はいますか? その人に今、胸を張って会うことができますか? 変わりたい、変われない、そんな想いを胸に毎日を生きている全ての方に聴いていただきたいこの曲。まずは是非、歌詞をじっくり噛み締めてみてください…!