サヨナラバスはもうすぐ君を迎えに来て
僕の知る事の出来ない明日へ 君を連れ去って行く
サヨナラバスよどうか来ないでくれないか
やっぱり君が好きなんだ
「サヨナラバス」/ゆず
こんなことなら あいつを捨てなきゃよかったと
最後の最後に あんたに 思われたい
流れるな 涙 心でとまれ
流れるな 涙 バスが出るまで
「化粧」/中島みゆき
まずは<サヨナラバスソング>です。これは「またね」のさよならではなく、もう会えないような別れ、失恋が描かれているのでしょう…。なんとなく“バス”は、電車やタクシーに比べて、発車するまでの時間が少し長いようなイメージがありませんか?だからこそ、バスが動き出すまでの間、窓を一つ隔てて、言葉が交わされない二人の最後の時間の悲しみがじわじわと伝わってきます。中島みゆき「化粧」の主人公が、なんとか相手に顔を見られている間だけは泣かずにいようと涙をこらえている姿も、より切なく見えてくるようです…。
あなたを乗せてやってくる夜行バス
ピンク色に見えました
あなたを連れて走っていく夜行バス
灰色に見えました
離れて過ごした三年間
あなたが来る日
子どもみたいに 指折り数えた
「バスロマンス」/チャットモンチー
話したいこと残しておこう
ぬくもり握りしめた ずっと消えないように
続く夜空 今度の休みは僕が行こう
最終バスで君の街まで
「最終バス」/WEAVER
二つ目は、遠距離恋愛中のふたりを繋ぐ<遠恋バスソング>です。<サヨナラバスソング>と違い、しばらくすればまた逢えるのはわかっているのですが、それでも“バスが行ってしまうまでの時間”の寂しさには共通したものがあります。また、チャットモンチー「バスロマンス」でもWEAVER「最終バス」でもバスが“あなたを(君を)連れて”いくという表現をしているんです。一緒にいられる幸せな時間はあっという間で、バスに大切な人を連れ去られてしまうような感覚にもなるのかもしれませんね。
ゆらゆらごとごと走ってゆく
片道約8時間の旅
暗くて何も見えないから
鼻すすりながらかーちゃんにメールした
夢を追うって こんなにも
怖いの?つらいの?さみしいの?
揺れる揺れる箱の中で
ギターかかえて イヤフォンをつけて
涙こらえ聞いていたのは 大好きな五つの音
「夜行バス」/あいみょん
ずっとバスを待っていた
ボロボロで行き先も読めなくて
だけど予感に胸が騒ぐのは
きっと僕等の思い込みじゃない
「サンライズジャーニー」/GLIM SPANKY
虹色バスで 虹の向こうへ
みんなを乗せて 青空PASSで
虹色バスで どこか行こうぜ
大きな声で 歌を歌って
雨に打たれて靴の中までびしょぬれ
早く虹色バスで私を迎えに来て
「虹色バス」/宇多田ヒカル
そして最後は<夢追いバスソング>です。大きな夢を抱えて地方から東京へ、という若者はたくさんいるでしょう。だけど移動するにもお金に余裕がない…。そんな時によく利用するのが、飛行機や新幹線に比べて格安の“長距離バス”です。そういうイメージもあるからか、“バス”という乗り物には大きな夢を乗せて遠くどこまでも走ってくれそうな自由さやワクワク感が含まれているような気がします!しかし、夢に敗れてしまった時もまた、同じ距離を今度は違う思いで帰らなければならない、ということでもあるんですよね…。
さて、ここまで<サヨナラバスソング><遠恋バスソング><夢追いバスソング>とご紹介しましたが、いずれの歌詞にも何かの“終わり”や“始まり”が描かれている模様。タクシーソングとはまた違った特徴があることがわかりました。他にも自動車、飛行機、バイク、電車、乗り物ごとに様々な違いがありそうです…!