?リボンの片方で輪を作ります。
?もう片方のリボンを、作った輪の上に被せます。
?被せたリボンを輪の後ろでくぐらせます。
?リボンの輪と、左右の足の長さを揃えて完成です。
ネットで検索すると出てくる“蝶々結び”の作り方です。こうして文章で読んでみると簡単そうに思えますが、子どもの頃、靴紐やリボンがなかなか上手く結べずに何回も練習した覚えはありませんか…?しかし、大人になるといつのまにか自然と美しい蝶が作れるようになっているものですね。さて、8月17日、そんな“蝶々結び”をモチーフにした新曲がリリースされました。歌姫・Aimerのシングル「蝶々結び」です。楽曲提供&プロデュースはRADWIMPSの野田洋次郎!野田さんは天才的な歌詞を綴るアーティストですので、リスナーの皆さんの期待も大きかったかと思いますが、それを遥かに上回る素晴らしい歌詞。さっそく今日の歌コラムでご紹介いたします!
片っぽで丸を作って しっかり持ってて
もう片っぽでその丸の後ろを ぐるっと回って
間にできたポッケに入って 出て来るの待ってて
出てきたところを迎えにきて 「せーの」で引っぱって
はじめはなんとも 情けない形だとしても
同じだけ力を込めて
羽根は大きく 結び目は固く
なるようにきつく 結んでいてほしいの
腕はここに 想い出は遠くに
置いておいてほしい ほしいの
「蝶々結び」/Aimer
蝶々の羽根のごとく儚げで柔らかなAimerの声は、まず冒頭でご紹介したような<蝶々結びの作り方>を歌い始めます。しかし歌が進むにつれてそれは<愛の作り方>へと重なってゆくのです。そういえば蝶々結びと同じように恋愛だって、まだ誰かと手を繋いだ経験すらない頃は、どうやって相手と心を結べばいいかわからず、上手くいかないこともたくさんあるでしょう。それでも時を重ねていくうちに、少しずつ不恰好ながらも<愛>というものを作れるようになっていくのではないでしょうか。
黙って引っ張ったりしないでよ
不格好な蝶にしないでよ
結んだつもりがほどいていたり
緩めたつもりが締めていたり
この蒼くて広い世界に 無数に 散らばった中から
別々に二人選んだ糸を お互いたぐり寄せ合ったんだ
結ばれたんじゃなく結んだんだ
二人で「せーの」で引っ張ったんだ
大きくも 小さくも なりすぎないように
力を込めたんだ
「蝶々結び」/Aimer
そして、この曲が教えてくれるのは、ホンモノの蝶々結びは一人で作ることができても、<愛の蝶々結び>は二人でないと完成しないということ。リボンの片端は<わたし>、もう片端は<あなた>が手にしているんです。“縦の糸はあなた 横の糸は私”という中島みゆきさんの「糸」にもどこか通じる思いを感じますね。どちらかが勝手に引っ張ってしまえば簡単にカタチは崩れてしまうし、ほどけてしまう。時には互いのタイミングが合わず想いが行き違ったり、束縛しすぎたりもしてしまう。だからこそ言葉を交わし、目と目を合わせ、「せーの」で同じ力を注ぐことが<愛の蝶々結び>を美しく作る秘訣。
<結ばれたんじゃなく結んだんだ>…偶然なんかではなく、必然で出会った大切な人と、あなたは今どんな蝶々結びを作っていますか? これからどんな色でどんな羽根の大きさの蝶々を羽ばたかせたいですか? 今日も、世界中でたくさんの<わたし>と<あなた>がほどけたり、結んだりを繰り返していると思うとなんだか素敵ですねぇ…。尚、Aimerはなんと8月19日にMステ初出演して、この「蝶々結び」を披露!これまであまりメディア露出をしてこなかった彼女の生放送でのパフォーマンス、楽しみでなりません…!