また、スガさんはインタビューで今回のアルバム収録曲について「日本の歌詞の歴史を5年進めてやる!」というモードに入ったとおっしゃっていました(ORICONSTYLE参照)。聴覚や嗅覚や触覚までも刺激されるような、全身全霊をえぐる言葉が綴られた歌詞…。あなたにはどの楽曲が一番刺さりましたか?本日のニュースでは、その中から『おれ、やっぱ月に帰るわ』をピックアップしてみます!初っ端からファンキーな“スガ節”が全開なナンバーです!
“食塩水と一緒で
闇は濃い方から薄い方へ
静かに流れていくのです
ゆっくり流れていくのです
食塩水と一緒で
おれ、やっぱ明日 月に帰るわ
自転車を借りて
おれ、やっぱ今日で 終わりにするわ
みんなキライだし
おれ、やっぱ明日 月に帰るわ
十五夜の晩に
けど やっぱ最後 君には言うよ
今までありがとう”
「おれ、やっぱ月に帰るわ」/スガシカオ
この印象的なタイトルは、『THE LAST』のアルバムジャケットを撮影した“インベカヲリ”さんの写真集「やっぱ月帰るわ、私」から受けた衝撃により生まれたものだそうな(ナタリー参照)。また、歌詞は<かぐや姫>をモチーフにしており、<君の夢が叶うように 他の子の夢は燃やしとくよ>というフレーズは“愛してます”の進化系だ、ということも自身のTwitterで明かしておりました。儚く美しい<かぐや姫>のイメージとはまた違い、この<月男>の瞳には倦怠感と諦めが漂っているような印象を受けますねぇ…。
そういえば、かぐや姫といえば2013年に、高畑勲監督・スタジオジブリの制作で『かぐや姫の物語』という作品が公開されました。キャッチコピーは“姫の犯した罪と罰”…。どうやら原作『竹取物語』では、かぐや姫は月で『何らかの罪』を犯し、それを償うために地上に降ろされたと書かれているそうなんです。穢れた地球に「流刑」されたかぐや姫と同じように、「おれ、やっぱ月に帰るわ」の“おれ”にも何か背負っている後ろめたいものがあったのかもしれません。月に帰ることにしたのは、その償いが済んだからなのか、この穢れた場所にこれ以上耐え切れなくなったからなのか…。
…と、そんな想像も頭を巡る楽曲揃いです!是非、全収録曲の歌詞をじっくりチェックしてみてください。
◆10th FULL ALBUM『THE LAST』
2016年1月20日発売
完全生産限定盤 VIZL-917 ¥8000+税
初回限定盤 VIZL-918 ¥3800+税
通常盤 VICL-64498 ¥3000+税
収録曲
01.ふるえる手
02.大晦日の宇宙船
03.あなたひとりだけ 幸せになることは 許されないのよ
04.海賊と黒い海
05.おれ、やっぱ月に帰るわ
06.ごめんねセンチメンタル
07.青春のホルマリン漬け
08.オバケエントツ
09.愛と幻想のレスポール
10.真夜中の虹
11.アストライド ※ソニー損保 CMソング