“今、一番生まれる時代を間違えた女”の最新アルバムをチェック!

 11月10日は“いいトイレ”の語呂合わせから「トイレの日」と呼ばれているそうですが、トイレといえば5年前、2010年に植村花菜の「トイレの神様」という楽曲が有名になりましたよね!この曲はもともと、2010年3月10日に発売されたミニアルバム『わたしのかけらたち』に収録されているリード曲。自身と亡き祖母との思い出を歌った曲で、小学校3年生から23歳頃までの実体験がベースとなっているそうです。曲の長さは全部で約10分にも及びますが、詞の世界観を守るためにショートバージョンなどは作られておりません。

トイレには
それはそれはキレイな女神様がいるんやで
だから毎日キレイにしたら
女神様みたいにべっぴんさんになれるんやで
「トイレの神様」/植村花菜

 ところで、この歌のように、具体的な日常生活を歌った私小説的な楽曲ってどんどん少なくなっているような気がしませんか。1970年代には、一部のフォークの中に“四畳半フォーク”というものも登場したそうです。生活派フォーク、私小説フォークという呼ばれ方もされています。恋人同士の貧しい暮らしにおける純情的な内容を中心とした歌詞が特徴で、かぐや姫の「神田川」や風の「22歳の別れ」、吉田拓郎の「結婚しようよ」などがヒットしました。しかし、現代にもそんな何気ない日常のひとコマを描くことができるアーティストが存在するのをご存知ですか?知る人ぞ知る・若手シンガーソングライター“カネコアヤノ”です!

きっとすぐ帰るけど お家の枕が恋しいな
テーブルの上には いつもおなじみの目玉焼き
毎朝飲んでいる 牛乳の味さえ

ああ
ホームシックナイト
ホームシックブルース
「ホームシックナイト ホームシックブルース」/カネコアヤノ

いつも行きつけのコンビニがあって
小腹がすいた時にフラッと向かう

いつもの店員さんに
いつもあれ買ってく人って
思われてる 多分

最近新しく入ってきたアルバイトの彼に
恋心を抱いてしまっている

ああ どんな どんな喋り方をするんだろう
彼女はいますか? いや友達になりませんか?
言えるわけがない 言えるわけがない
レジをしてもらうのが精一杯
「コンビニ」/カネコアヤノ

 どこか懐かしさを感じさせるサウンドを纏った、“普段着”の歌声と歌詞がじわじわ心に沁みこんで来ます…。“今、一番生まれる時代を間違えた女”の呼び名を持つ、1993年生まれの彼女は、高校在学中に「はっぴいえんど」「たま」「町田康」などの音楽に影響を受け、ギター、作詞作曲を開始。そして来たる11月11日に2nd Album「恋する惑星」をリリースします!現在の音楽シーンの中で“異質”なものとして、独特の存在感を放つ彼女が、恋するような衝動で書き上げたという曲群を収録。是非、カネコアヤノの新作で、ポップで異質でどこまでも正直な音楽体験をしてみてください…!

◆2nd Album「恋する惑星」
2015年11月11日発売
XQMK-1002 ¥2,500+税

【収録曲】
1.コンビニ
2.銀河に乗って
3.ホームシックナイト ホームシックブルース
4.恋のしかた
5.キスをしよう
6.マジックペンと君の名前
7.恋文
8.週明け
9.こころとことば
10.恋文 ‒アコースティックver.