「公衆電話の日」“公衆電話”が歌詞に登場するあの頃の名曲といえば…?

嫌気がさす西日を浴びて
焼けただれた公衆電話
名無しの落書きを見てる俺
君が誰だか分ってるよ
文字のお尻が右上がりな字
それは2年前の自分さ
「Apocalypse XX」/CASCADE

 今年11月22日にメジャーデビュー20周年を迎える“CASCADE”が、9月9日にリリースしたニューアルバム「XX」に収録されている1曲です。「Apocalypse」とはギリシャ語で「覆いをとること」の意だそうな。前述したフレーズには“この手を広げて君の事救えたら 仮面を脱ぎ捨てられるそんな気がした”という言葉が続きます。偽りとプライドで心を覆うようになってしまった現在の自分が過去の自分を見つめ、生きる意味を探して足掻き、また明日へ向かっていく…。空しさや切なさを感じながらも、どこか捨てきれない希望を感じるような楽曲です。

 ところで、この冒頭のフレーズに“公衆電話”というワードが登場しますが。今日9月11日は、日本初の自動公衆電話が東京の新橋と上野駅前に設置された日である事から「公衆電話の日」と呼ばれています。しかし、今や誰もが携帯を持っている時代ですので、携帯を忘れたときや充電が切れてしまった時くらいにしか公衆電話を使う機会もないですよね。海外では、電話ボックスの屋根にソーラーパネルを設置し、スマホの充電ステーションに変身させたり、失業者の雇用場所としてコーヒーショップやアイス専門店に改造したりといった利用法もあるようです!

 歌詞の中でも「Apocalypse XX」のように風景の一部として“公衆電話”が登場することはあっても、もうなかなか実際に電話をかけているような場面は描かれなくなっていますよねぇ。“アンダーグラフ”が今年7月にリリースしたアルバムの「1977年生まれの僕らは」という楽曲では、1977年という時代を想い返すようにして公衆電話が描かれていました。

“ポケベルの 12文字 想いを寄せた 公衆電話に列を作り
時代はすぐさまメールの日々だ #2回を押す暇もない
水も飲めない運動場も 終身雇用の安定もない
ひっくり返った時代の中で 僕らは夢だけ語れるでしょうか”
「1977年生まれの僕らは」/アンダーグラフ

 また、“公衆電話”が登場する不朽の名曲といえばこの2曲でしょうか。どちらも90年代前半に発表された楽曲です。

いつでも帰ってくればいいと
真夜中の公衆電話で
言われたとき笑顔になって
今までやってこれたよ
「遠く遠く」/槇原敬之

床屋の角にポツンとある 公衆電話おぼえてますか
きのう思わずかけたくて なんども受話器とったの
この間 渡良瀬川の河原に降りて ずっと流れ見てたわ
北風が とても冷たくて 風邪をひいちゃいました
「渡良瀬橋」/森高千里

 現在は、公衆電話やポケベルなどのワードに変わり、「Twitter」や「LINE」といった言葉が歌詞に登場するようになっていますが、もしかしたら10年後20年後にはそれもまた“懐かしのワード”として変わっているのかも知れません…!