楽しみあるところに楽しみ、楽しみなきところに楽しむ。
小説家・吉川英治の名言です。今日はそんな吉川氏の1962年の忌日。戦前から戦後にかけて活躍した日本を代表する国民文学作家である彼は、貧しい家の事情から小学校を中退。さまざまな職を経たのちに創作活動に入りました。主な作品に『新・平家物語』『宮本武蔵』『三国志』などがあります。どんな環境であろうと、その時を愛し、楽しむ。逆境を越えてきた吉川氏だからこそ生まれた名言ですよね。
そして、9月23日にエレファントカシマシがリリースする、1年3ヶ月ぶりのニューシングル「愛すべき今日」にもまさにそんな“今この瞬間”を愛して生き抜く覚悟と強さを感じるのです。
“どんなときも歩くのさ おお ベイビー 雨の日も風の日も
かつて彼は 星の下
心に 美しい想い 抱きしめて 抱きしめて
痛みの声 仕事も悲しみも背負った
現れろ 新たなる
闘いの神よ 人よ 高くあれ
ぶざまな日々に キッスを
大空の下 大地の上
少し大げさに 空気でも吸い込んで
見上げれば 輝ける明日が見える 眩しいぜ!”
「愛すべき今日」/エレファントカシマシ
以前ニュースでも取り上げましたが、椎名林檎はテレビインタビューで「全部、平易な言葉で、誰でも聴きとれる言葉で」真っ直ぐに力強く歌い上げるエレカシ・宮本浩次の歌詞から大きな影響を受けたと答えておりました。そんな彼の日本語への愛に溢れた文学的な歌詞には、宮本自身が文学好きであるという要素も関係しているのかもしれません。散歩や移動の際には文庫本を携帯し、森鴎外・永井荷風・太宰治・夏目漱石など、古典的な名作文学を好んでいるそうな。時にはその敬愛している作家が楽曲の歌詞に登場することもあります。
“歴史 名作「山椒大夫」 そして「渋江抽斎」に至って
輝きは極限そう 極限に達した
凄味のある口語文は最高さ
歴史SONG 歴史SONG 読む者を酔わせて止まない
されど凄味のある文章とはうらはら
鴎外の姿はやけに穏やかだった 晩年の鴎外
歴史 男の生涯にとって死に様こそが生き様だ”
「歴史」/エレファントカシマシ
“そう俺は芸術家
昔の永井荷風のように日々を歌え 何はなくとも
そうここじゃ見得をはることはない
胸の中に力を流せ 感じているだろう? ラスト・ゲーム
言い訳じゃない誤魔化しでもないラスト・ゲーム
勝負しなよ
リアルな日々にでもどこかしらカッコイイ勝負をしなよ”
「ラスト・ゲーム」/エレファントカシマシ
作家の生き方がどこか宮本自身の強さにも繋がっている気がしますよね。エレカシの楽曲はまるで小説のように言葉をじっくり味わいながら聴きたいものばかりなので、是非、新曲「愛すべき今日」を含め歌詞を読みながらチェックしてみてください!
◆New Single『愛すべき今日』
2015年9月23日発売
初回限定スペシャルパッケージ盤 UMCK-9764 ¥2,500(税抜)
通常盤 UMCK-5580 ¥1,200(税抜)