2025年3月12日に“紫 今(ムラサキイマ)”が1stフルアルバム『eMulsion』(読み:エマルション)をリリースしました。紫 今は作詞・作曲のみならず、編曲も自ら手掛ける新世代クリエイター。今作には、2023年リリースの初配信楽曲「ゴールデンタイム」以降、国内外でバイラルヒットした「魔性の女A」を含め、彼女がこれまでリリースしてきた楽曲と、新曲を合わせた全15曲が収録されております。
さて、今日のうたではそんな“紫 今”による歌詞エッセイを2カ月連続でお届け!第1弾は収録曲「合法パンチ」にまつわるお話です。今、世の中に増えている、ギリギリ訴えられない合法な言葉の暴力=合法パンチ。あなたは自分の言葉に責任を持てますか? ぜひ歌詞と併せて、このエッセイを受け取ってください。
“誹謗中傷”、“開示請求”、“指殺人”、
そんな言葉が話題になっている最近の世の中。
ギリギリ訴えられない合法な言葉の暴力、
『合法パンチ』をSNSで見かけることが増えた現代。
SNSで発信をするとき、コメントを投稿するとき、
“言葉狩り”、“批評”、“個人の意見”、“言論の自由”、
これらの言葉を免罪符に、言葉の責任から逃げていないか?
合法の暴力なら罪にならないのか?
ふと、そんなことを考えたのをきっかけに書いた曲です。
「嫌い消えろブサイク」って書いたらダメと分かっているのに、
「私はあまり好きじゃない見てて不快な顔」とかって言い方をすれば
セーフだと思っている人が増えた。
けれど受け取る側からしたら、むしろ後者の方が言われて痛かったりもする。
一見減ったように見える誹謗中傷も、
悪口を言うのが上手くなって減ったように見えるだけで、「合法パンチ」に姿を変えただけ。
実際は前より増えている。
何か議論が起こるたび、
ネット上に溢れる容赦ない合法パンチ。
「批評」という言葉を免罪符にして合法パンチを投稿する人々。
その合法パンチで誰かが傷ついてしまったり、命を絶ってしまったり、
そんなことが起きてから「批評」を削除してなかったことにする。
その行動こそが「批評」の正体が合法パンチであることを証明している。
「お悔やみ申し上げます」なんて今更遅いのに。
そんなことが何度も何度も繰り返されている。
現実では合法パンチを法律で裁くことは難しいけれど、曲の中でくらい裁いてみせたい。
裁かれる主人公を描くことで、警鐘を鳴らしたい。
少しでも世の中から合法パンチが減りますように。
<紫 今>
◆1stフルアルバム『eMulsion』
2025年3月12日発売
<収録曲>
M1: 合法パンチ
M2: 魔性の女 A
M3: Server Down
M4: 凡人様
M5: メロイズム
M6: 正面
M7: Soap Flower
M8: ギンモクセイ
M9: 青春の晩餐
M10: フラットライン
M11: ゴールデンタイム
M12: Not Queen
M13: 最愛
M14: 学級日誌
M15: 革命讃歌