Cheep Hero

 2025年1月22日に“OKAMOTO'S”がニューアルバム『4EVER』をリリース!15周年10枚目のオリジナルアルバムとなる今作には、10月に先行配信をした「Song 4 You」や、少年ジャンプ原作TVアニメ『Dr.STONE』第三期エンディングテーマ「Where Do We Go?」や少年ジャンプ原作TVアニメ『アンデッドアンラック』第二期エンディングテーマ「この愛に敵うもんはない」の他、新曲を含む全13曲が収録されております。
 
 さて、今日のうたではそんな“OKAMOTO'S”による歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回が最終回です。執筆はオカモトショウが担当しました。綴っていただいたのは、収録曲「Cheep Hero」にまつわるお話。10代の頃、自身を支えてくれたヒーローとは。そして、今の時代だからこそのこだわりと願いとは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。



「Cheep Hero」はいつ作った曲だったかな…。たしか個人的に00年代リバイバルブームがキテた時、昔のiPodのCMソングがたくさん入ったコンピレーションアルバムなんかを聴きながら作ったはず。
 
リアルタイムでCMが流れてた時、俺は中学生で、カラフルなバックに黒い影だけの人物が白いイヤホンつけて踊ってるそのCMとそこで流れてきた音楽に心躍ったものだ。なんかわかんないけど、これはカッコいいぞ!?と、胸にトキメクものがあった。
 
あの頃、自分がホルモンバランスぐちゃぐちゃな思春期のぬかるみを歩く時、手をとって共に歩んでくれたヒーローがいた。そんなヒーロー達の写真や雑誌の切り抜きを自分の部屋の壁にペタペタと貼った。ラッパー、ロッカー、60年代から00年代までたくさんのヒーロー達に部屋の壁から支えられて俺はどうにか10代をサバイブした。可愛いよね。
 
その時に俺の心を魅了したヒーロー達は、尖っていて、真っ直ぐ曲がっていて、素直じゃないのに嘘はつけなくて。誰にも媚びず勝手に生きてる姿に憧れた。少し恐く見えるけど、それが俺には優しかったのだ。彼らの音楽に間違いなく救われていた。
 
近頃は情報がものすごい勢いで飛び交っていて、誰もがそれに晒されているからというのもあるんだろうけど、みんな目も耳も肥えていて超高IQな作品でもしっかり聴いたり読み解いたりして理解できる世の中になっているように思う。
 
それって素晴らしいことだけど、俺はつい“IQ3しかないヤツ”への愛おしさみたいなの感じちゃうタイプなので、ついつい昔からそういうものにも手を伸ばしてしまう。考え抜かれた伏線もなく、哲学的なアプローチからの深い比喩もなく、アガる!!みたいな理由だけで論理や削ぎ落とされた匠の技みたいなのを完全に無視して作られた、"とにかくやりたい想い"が溢れたB級品にしかないエナジーってあると思うんです。ジャンク味。
 
ロックのいいところってそういうところに宿ってると思ってて、それをこの曲では体現しました。焼きそばの上にステーキとニンニク、オムライス和えみたいな。iPodのCMにはどこかそういうギトついたジャンクな旨みがあるような気がして好きだったのだ。
 
大企業が大金叩いて世界中を同じ方向に向かせることも減り、絶対に崩れないと思っていた大きなものがあっという間に崩れる様を見たり聞いたりして、今やそれぞれが自由に生きることが出来るようになろうとしている。素晴らしいね。自由には俺も大賛成!
 
でも時々、代償として支払われたのは圧倒的な力を持ったヒーローの命なんじゃないかな?と、ふと思うことがある。完璧じゃない、みんなに迷惑をかけながら生きるけど、その背中につい憧れちゃうヒーロー。誰もがその名前を知っていて、理に敵わない生き方をピュアに突き進むヒーロー。R.I.P。
 
今を生きる人の部屋には誰の写真が貼られているの? 誰が救いに来てくれてるの? きっと今は昔より自由に、それぞれの選んだその人だけのヒーローがいるようになったんだと思います。俺もどうにもならないことと信じられないようなことが、毎日繰り返される日々をもがいて足掻いてるうちの1人でしかないけど、自分が救われた時のように誰かを救えたらいいな、と願っています。きっと今の時代、全員は無理なんだろうと思う。でも、この二本の腕が届く範囲の人たちの力にはなりたいな。
 
<OKAMOTO'S・オカモトショウ>



◆紹介曲「Cheep Hero
作詞:オカモトショウ・オカモトコウキ
作曲:オカモトショウ・オカモトコウキ
 
◆ニューアルバム『4EVER』
2025年1月22日発売
 
<収録曲>
1.ありがとう
2.4EVER
3.Greatest World
4.Continue
5.Skit 1: Get loaded
6.LOAD
7.Cheep Hero
8.よくないね
9.Where Do We Go?
10.カーニバル(Album ver.)
11.Skit 2: Nothing can challenge this love
12.この愛に敵うもんはない
13.Song 4 You