過ぎる時と共に自分を許していく

 2024年6月10日にシンガーソングライター“さとう。”が新曲「泣いているのは」を配信リリースしました。7か月連続 Digital Single 第6弾となる同曲。大切なひとと別れてしまったとき、「時間が解決してくれる」「いつか笑って話せる時がくる」とわかってはいるけれど、今はあの美しかった恋を悪いようには思えない。そんなあなたへ…。
 
 さて、今日のうたでは“さとう。”による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、新曲「泣いているのは」にまつわるお話です。これまであまり感情を全面に押し出さない歌い方をしてきた自身が、感情を全面に乗せたというこの歌。歌詞を書いたときの思いは…。ぜひ、楽曲と併せて、エッセイを受け取ってください。



7ヶ月連続リリースの6曲目、
「泣いているのは」が無事リリースされました。
この曲は今年3月10日、“さとう。の日”にちなんで開催された自主企画『甘く香る、アネモネ』で書き下ろした楽曲です。
限定20席で、配信もなかったあの日のイベントの曲がこうしてリリースされ、たくさんの人に届けられること、非常に嬉しく思います。
その後のライブでもやっていないので、今までの曲の中でも一番、初めて聴く方が多い曲なのではないでしょうか。
 
「さとう。さんの声は、感情を押し付けないから、好きなんです」
と、昔言われたことがありまして、
確かに思えばラブソングを歌う時も、
「悲しい」「苦しい」という感情を全面に押し出さない歌い方をすることの方が多く、
さとう。個人の気持ちというより
その物語に出てくる当事者になりきっているのかもしれません。
 
今回リリースした「泣いているのは」
きっとその人がこの曲を聞いたら、「あれ、いつもと違う…私が好きなさとう。じゃない!」となってしまうのだろうな、
それくらいさとう。の感情を全面に乗せた歌になっていると思います。
 
私は自分の悲しい、苦しい、を人のせいにするのが得意じゃなくて
細かく言うと、人のせいにしてしまう自分が好きじゃなくて。
「私は悪くない!あの人が悪い!」
と口にして、その場はやり過ごせても
一人の時間にふと、そのことを後悔したり自己嫌悪に陥ったりします。
 
わかってはいるんです。
時間が解決してくれる、いつか糧になる。
でもわかっているからこそ、
いつか忘れて、幸せになる自分を
許せなかった時がありました。
そんな時に書いた曲です。
 
もし、あの時の私のように、
誰かのせいにもできなくて、
一人で抱え込んでいる人がいるのならば
どうか、この曲のせいにして思い切り泣いてほしい。
許せない怒りや悲しみで押し潰されないように、寄り添えたらと、心から思います。
 
7月19日に開催されるワンマンまでの7ヶ月連続リリースも残すところあと1曲。
本当にあっという間で、
でも思い返せばちゃんと踏みしめて来られたような気がしています。
それは紛れもなく、どの曲達も大切にしてくれたあなたがいたからだなあと痛感しております。
本当にありがとうございます!
ラスト1曲も、ワンマンライブも、
どうかお楽しみに。
 
<さとう。>



◆紹介曲「泣いているのは
作詞:さとう。
作曲:さとう。

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