約束

 聞くひとの心を捉えて離さない、染み入る歌声と歌詞が多くのリスナーを惹きつけるシンガーソングライター・新山詩織。そんな彼女が2023年4月17日にメジャーデビュー10周年を迎えました! そして来たる7月5日には10周年記念アルバム『何者 ~十年十色~』のリリースが決定!
 
 さて、今日のうたコラムでは、メモリアルイヤーを記念して“新山詩織”による歌詞エッセイを1年を通じ、12ヶ月連続でお届け!その第7弾です。なぜかよく置き忘れてきてしまう傘…。みなさんもどうしても守ることができない「約束」ってありませんか…? 今回も音声版がございます。本人の朗読でもエッセイをお楽しみください。


新山詩織の朗読を聞く
私は傘をよく忘れる。
 
行く先々でお手洗いに入った時
傘掛け用のでっぱりにかけていたものの
扉を開ける時にはもう忘れたまま
 
電車に乗った数分後に
「あっ....」ため息。
 
これを呆れるほど
何度も繰り返していたので
絶対になくさないようにと念を込めて
 
当時、大好きだった
ドット柄とネイビーの組み合わせの
少し細く綺麗めな傘を一本、買った。
 
もう、絶対に手放さない。絶対…。
 
そう心に決めて雨の日は過ごしていた
大切に大切に肌身離さず...なのに
 
ある日、お手洗いに入った日に、また
なんとその傘を置き去りにしてしまった。
 
本当に大事にしていたし
大袈裟でなく、それまでのなかで
一番お気に入りの傘だったのもあり
かなりショックだった。
 
それからというもの
傘という傘は持たず、確実に鞄に入る
折りたたみ傘を持ち歩くようにしている。
 
安易な約束はしてはいけない
そんな事を思う6月であった。
 
傘といえば...
 
 
 
両親が新婚旅行で訪れたイギリスにて
父が母にバーバリーの傘を
買ってあげたものの
 
日本に帰ってすぐ
母はそれを無くしてしまった。
 
父はその事をずっと覚えていて
何かにつけて
 
父は母にそれを言い続けている。
 
 
 
<詩織>



◆10周年記念アルバム『何者 ~十年十色~』
2023年7月5日リリース

<収録曲>
1.何者
2.Spotlight
3.夜の魔法
4.あなたに
5.Hate you
6.Keep me by your side
7.約束
8.Free (feat. 山崎あおい)
9.I canʼt tell you (feat. 和久井沙良)