2023年5月31日に“Wakana”がオリジナル3rdアルバム『そのさきへ』をリリース。プロデューサーに武部聡志を迎え、シンガーソングライター・半﨑美子提供の「標」、すでにライブでも披露され好評を博している作詞:Wakana、作編曲:武部聡志の「明日を夢見て歌う」、ゲームアプリ『メメントモリ』フローレンスキャラクター専用曲「Flag」を含む全11曲が収録。
さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Wakana”による歌詞エッセイを3回に渡りお届け!今回が最終回です。綴っていただいたのは、今作に込めた想い。そしてWakanaが音楽を続けていく上での意思。アルバムタイトル曲「そのさきへ」の歌詞と併せてエッセイを受け取ってください。また、今回も音声版がございます。本人の朗読でもお楽しみください。
Wakanaの朗読を聞く
皆さんこんにちは、Wakanaです。
歌詞エッセイ第三回目をお届けします。
このアルバムリリースタイミングでは、今回のエッセイでラストとなります。
最後は、このアルバムに込めた想いについて、お話ししていきたいと思います。
今回のアルバムを制作する事が決まったのは、昨年の春です。
2020年に多くの方が寂しさや不安を感じたように、当時私も、皆さんに音楽が届けられない事を嘆いていました。
だけど、出来ることが何も無くなったかのように思えた世界で再び立ちあがろうと思えたのも、やっぱり音楽があったから。
歌うことに助けられて、歌うことに心底苦しんで、歌うことが心から大好きなんだと思えた日々でした。
2021年は、そんな様々な想いを全部抱えて、多くのライブをさせていただきました。
皆さんに会えなかった時間を全部取り戻すかのように、たくさんの機会を作ることができたのは、本当にありがたかったです。
前作からの期間、様々なことを感じながら、自分が出来る最大限の声を探していた日々。
想像以上に苦しかった時も、いつも音楽と共に乗り越えて来ました。
今度はその想いを全部、新たな音楽に変えていく。
制作の決定を告げられた時、私は新しい試練に挑むかのような、静かな覚悟を感じていました。
そんなアルバムの最初の打ち合わせで、プロデューサーの武部聡志さんに言われたのは、「このアルバムが持つのは、光が射すというイメージだよ」ということ。
「光が射す」。
足元ばかり見ていた顔を上げた時、閉じていた未来が開いていくような、ドラマティックで明るい言葉。
もしかしたら人は、そんな瞬間をいつも夢見ながら悲しみや苦しみを胸にひそめ、それでも前を向いて歩いているから、光を目指すのではないだろうか。
それならば私は、その光をみんなと一緒に見てみたい。
この世界で感じる多くのことを抱えて、一緒にそのさきへ歩いて行きたい。
そう感じました。
このアルバムに込めたたくさんの想いは、いつもそのさきへ通じる光で満ちている。
悲しみで溢れるこの世界で涙を流してうずくまっていても、ここに生きることを諦めない。
そのままの自分を恥じることなく、生きてゆこう。
私たちはいつだって、ひとりではないから。
「そのさきへ」は、そんな想いを担った一曲です。
ここに吹き込んだ新たな音楽たちが、少しでも誰かの心を照らせるのなら、私はずっと、そのさきを目指していきたいです。
歌詞エッセイ、全三回にお付き合いいただき、ありがとうございました。
またどこかでお逢いできますように。
<Wakana>
◆オリジナル3rdアルバム『そのさきへ』
2023年5月31日発売
2023年5月31日発売
プロデュース:武部聡志
<収録曲>
M1. Butterfly Dream 作詞:Wakana 作曲・編曲:岸田勇気
M2. Rapa Nui 作詞:一青窈 作曲:マシコタツロウ 編曲:武部聡志
M3. 標 作詞・作曲:半﨑美子 編曲:武部聡志
M4. 希望 作詞:岩里祐穂 作曲:村松崇継 編曲:鳥山雄司
M5. 殻 作詞:松井五郎 作曲:武部聡志 編曲:鳥山雄司
M6. そのさきへ~Interlude~ 作曲:松本俊明 編曲:武部聡志
M7. KEMONO feat.清塚信也 作詞:鯨庭、Wakana 作曲:清塚信也 編曲:鳥山雄司
M8. 明日を夢見て歌う 作詞:Wakana 作曲・編曲:武部聡志
M9. Flag 作詞・作曲:BOI 編曲:高木龍一(Dream Monster)
M10. そのさきへ 作詞:Wakana 作曲:松本俊明 編曲:岸田勇気
M11. あとひとつ 作詞:Wakana 作曲・編曲:武部聡志
※商品詳細はこちら ⇒ https://www.jvcmusic.co.jp/-/Artist/A026394.html