君が言うようにこの世界は

 2023年3月15日に“Hakubi”がニューアルバム『Eye』をリリース!2枚目のフルアルバムとなる今作は、新作RPG『メメントモリ』キャラクターテーマソングとして書き下ろされた「Twilight」、ピッコマTVCMソングに起用された「あいたがい」、ドラマ『青春シンデレラ』主題歌に起用された「君が言うようにこの世界は」、今年1月から放送のTVアニメ『ノケモノたちの夜』エンディングテーマ「Rewrite」を含む全10曲を収録。
 
 さて、今日のうたコラムでは、そんな“Hakubi”の片桐(Vo/Gt.)による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け!今回は第2弾です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「君が言うようにこの世界は」にまつわるお話。何もかもがうまくいかない。どうにかしようとすればするほど空まわる。負のループに陥ってしまっているあなたへ。この曲とエッセイを受け取ってください。



3ヶ月連続エッセイを書かせてもらっています。
Hakubi vo.&gt.片桐です。
 
いよいよ2nd Full Album『Eye』
リリースまで1ヶ月となりました。
2021年のクリスマスのあたりに
「Twilight」のレコーディングを終えてから、
一年かけて全収録曲を完成させていきました。
 
曲ができる歓喜も苦悩もたっぷりつまった、
密度の濃い日々だったなと。
もちろん苦悩の方が数十倍多いのだけれど、
良い制作期間を過ごせたと思います。
 
春にツアー、夏に京都藝劇、
秋には最大キャパシティのワンマン。
「制作期間」とは…
と思うような一年間を過ごしてきたことで、
あゆみを止めず進み続けている姿を見てもらえてきたんだと。
その中でたくさんの感情が生まれたからこそ、
このアルバムが作りきれたのではないかと思います。
 
今回は、そんな2nd Full Album『Eye』から、
「君がいうようにこの世界は」についてのお話です。
 
 
―君が言うようにこの世界は―
 
 
明け方の空に、
ためいきが白くなって消えた。
 
雨宿りをするだけでは、
冷たくなった体をどうすることもできない。
 
 
何もかもがうまくいかない。
歯車がどこで狂ってしまったのか。
それすらもわからなくて、
どうにかしようと働いた全てが
さらにその狂いを助長させているようだ。
 
いつもと同じ駅の風景がそんな私から、
他人のように目を逸らしているみたいだった。
 
誰もいない揺れる車両。
迷わず進めるような人生のレールなんて
どこにもないんだろう。
人生は環状線のように
いつまでも同じところをぐるぐる回ることの繰り返しなのだろう。
 
そんなことばかりを考えていたら、
降りる駅をとっくに過ぎていた。
 
 
どうしようもないな、わたしは。
 
 
窓の外はもうすっかり朝だ。
 
 
名前も知らない、
誰もいない、小さな駅に着く。
 
冷たい空気が頬を掠めるのと同時に、
眩い光が降り注いだ。
 
とても、綺麗だと思った。
 
鉄の軋む音を立てて、
電車はわたしを置いて走り出した。
 
 
吐く息が白くなるのは、
わたしにちゃんと温度があるかららしい。
 
 
<Hakubi・片桐>



◆紹介曲「君が言うようにこの世界は
作詞:片桐
作曲:Hakubi

◆ニューアルバム『Eye』
2023年3月15日発売
初回限定盤[CD+DVD] PCCA-06178 ¥4,000(税込)
通常盤[CD ONLY] PCCA-06179 ¥3,000(税込)

◆ライブ情報
●Hakubi one-man tour 2023 -Eye to Eye-
2023年4月1日(土) 福岡 LIVEHOUSE CB(17時30分開場/18時開演)
2023年4月2日(日) 岡山YEBISU YA PRO(17時30分開場/18時開演)
2023年4月7日(金) 名古屋ELL(18時30分開場/19時開演)
2023年4月8日(土) 金沢vanvanV4(17時30分開場/18時開演)
2023年4月15日(土) 札幌BESSIE HALL(17時30分開場/18時開演)
2023年4月23日(日) 仙台MACANA(17時30分開場/18時開演)
2023年4月27日(木) 大阪 BIGCAT(18時15分開場/19時開演)
2023年4月30日(日) 東京LINE CUBE SHIBUYA(17時開場/18時開演)
 
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