はじめまして。ねんねと申します。

 2022年6月15日に“ねんね”がミニアルバム『白色矮星』をデジタルリリース!全7曲のうち6曲は、ねんねが作詞作曲。もう1曲は、ねんねが活動を始めた初期より才能を見出していたみきとPによる書き下ろし楽曲です。ミニアルバムのタイトルは“太陽のような恒星が最後に残す天体”のことであり、自分達が生きた証はきっと無くならない、そうであってほしいなという願いを込めて命名されました。
 
 さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“ねんね”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾。まず綴っていただいたのは、自己紹介。『白色矮星』を制作するに至るまでの軌跡を明かしてくださいました。そして、今作の収録曲「曖昧信仰」、「旅人の森」、「隣り合わせ」のお話です。それぞれの楽曲の想いを、歌詞と併せて受け取ってください。



はじめまして。ねんねと申します。
 
6月15日(水)にミニアルバム『白色矮星』をデジタルリリースするにあたり、収録曲の話をさせて頂ければと思います。よろしくお願いいたします。
 
やっぱり待ってください。私の自己紹介をまずしないとですね!
ねんねです。魚介類と白米が大好きです。早起きが得意です。
 
2019年、ニコニコ動画やYouTube等の動画投稿サイトにボーカロイド曲の“歌ってみた”動画を投稿し始めたり、仮歌のお仕事を頂いたりと、ゆるく音楽を楽しんでおりました。
 
2020年、情緒不安定になりまして、なんやかんやあって、自分の中でうっすらと思い描いていた“自分のアルバムを作りたい”という夢を実現させよう!ということで、貯金を崩してミニアルバム『幻影旅行』を自主制作致しました。
 
作詞作曲は私が行い、編曲はボカロPの方々にお願いしました。
といっても、私自身『幻影旅行』を制作するまでは作詞作曲すらしたことがなかったので、本当に勢い任せといいますか。誰かに届けたいという思いは殆どなく、当時の自分が感じていた辛い気持ちを、自分で受け止められたらいいなあと思いながら制作した思い出です。
 
そこからは自分の精神的ダメージを癒しつつ、毎日ほとんど休むことなく働きお金を稼ぐ日々でした。これはこれで忙しすぎでまあ苦しくてですね。でも面白いことに、忙しすぎてくよくよ悩んだり考え事をしている暇がなくなったので、メンタルはかなり回復しました。めそめそしている暇があるならいっぱい寝たほうがいい、という学びがありました。規則正しい生活がいちばんです。
 
歌を歌うことが唯一の救いだったので、合間を縫って歌を歌い、またアルバムが作れたらいいなという気持ちも次第に膨らみ、なんやかんやあって今回リリースする『白色矮星』を作り始めたという感じです。
 
 
前置きが長くなってしまいました…。
それでは、ここからは本題のミニアルバム『白色矮星』収録曲の話をしていきますね。
 
4月に「曖昧信仰」、5月に「旅人の森」、6月に「隣り合わせ」をデジタルリリースしました。こちらの3曲も収録されています。
 
 
「曖昧信仰」は、過去作『幻影旅行』に収録されている「月もねむる夜」のその後を描いた曲です。私自身視力が弱いのですが、視力が弱くて良かったと思うこともあります。
 
視界がぼやけているほうが、余計なものを見なくて済む気がしてホッとするのです。しかし、しっかり自分の目で見て確かめて、現実と向き合っていかなければならないこともあります。
 
現実を受け入れたくない。ここから逃げ出したい。
そんな気持ちと、少しだけ向き合えるように。
自分の殻に閉じこもっていた前作から一歩外に出る決心をした、希望溢れる力強い歌詞が特徴です。
 
 
「旅人の森」は、“聴く絵本”をテーマに制作しました。絵本は、小さな子どもから大人まで、幅広く愛されているものですよね。きっと皆さまにも、思い出の絵本が1冊くらいはあるのではないでしょうか。
 
絵本の読み聞かせをしてもらったあとにくる、ほんわかした気持ち。この気持ちを歌として表現してみたくて、旅人と森の妖精の物語を考えました。誰が聴いても分かるような簡単な言葉を選んだり、ふたりの関係性が分かるような様子を詰め込みました。
 
旅人が最後に言った「大丈夫だね」は、妖精に対して言ったのか、旅人の独り言なのかは分かりませんが、ふたりが離れ離れになってしまっても本当に大丈夫だという確信があったから言えたことです。それだけお互いが大切な存在だったのです。
 
この曲を聴いてくださる皆さまには、ふたりの思い出を穏やかな気持ちで見守って頂きたいです。
 
 
「隣り合わせ」は、イマジナリーフレンドの歌です。
孤独に押しつぶされそうな夜。色んなことを考えてしまって余計に目がさえてくるあの感じ。悲しい気持ちにもなりますし、苦しくもなります。そんな時、元気な時の自分がそばに居てくれたら1番の理解者になってくれただろうな~と思いながら作った曲です。
 
私にイマジナリーフレンドが居たわけではありませんが、自分の頭の中で助言してくれたり、共感してくれる存在が居たら、眠れぬ夜も耐えられる気がします。
 
イマジナリーフレンドというのは大人になるにつれて消えてしまうことが多いようですが、せっかくお友達として生まれてくれた存在です。忘れたくないじゃないですか。一緒に遊んで、沢山お喋りして。私たちはちゃんとお友達だったはずです。
 
どんな時でもそばに居てくれた彼らが居なくなってしまうのは悲しいですが、いなくなってしまったのではなくて、自分とひとつになったのだと思いたいです。そんな寂しさをテーマにしています。
 
 
私は、“自分”と“誰か”(もしくは“何か”)との対話であり、現在に至るまでの継続的な感情をベースに“今”を描きたいのだなと、こうして原稿を書いている今気づきました。
 
これまでに沢山の人に出会い、様々な環境で暮らし、誰かに支えてもらって今があります。きっとこれからも沢山のことを経験し、皆さまをはじめとした沢山の人と関わり、またその時の自分が何を思うかを曲にしていくのでしょう。生涯学習ですね。
 
 
今回はアルバムリリースに伴い、収録曲3曲の話をさせて頂きました。
この記事を読んで頂いて、改めてこの3曲を聴いて頂けたら、また新たな発見があるかもしれませんね。私の曲ではありますが、皆さまにとってもお気に入りの1曲になってもらいたいです。そして、シンガーソングライターとしてまだまだ未熟な私ですが、歌声や歌詞が皆さまの心に届くよう、これからも精進いたします。
 
なんだかとても真面目な文章になってしまいました。いつもはもう少しいい加減にやっているのですが…。真面目になっちゃったなあ…。初めてのエッセイのお仕事で真面目になっちゃったなあ…。どうやって締めようか考え、ちょっとふざけようかと思いましたが辞めます。真面目なので。
 
それでは、6月15日(水)デジタルリリースいたします、ミニアルバム『白色矮星』をお楽しみに!リリースまであと6日!私も楽しみ!!

<ねんね>



◆紹介曲
曖昧信仰
作詞:ねんね
作曲:ねんね

旅人の森
作詞:ねんね
作曲:ねんね

隣り合わせ
作詞:ねんね
作曲:ねんね