さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Tani Yuuki”による歌詞エッセイをお届け!新曲「Over The Time」に込めた想いを綴ってくださいました。当たり前だったことが、そうではなくなってしまった世界にぶつかり、今を生きているすべてのひとへ。是非、歌詞と併せてこのエッセイを受け取ってください。
~歌詞エッセイ:「Over The Time」~
しばし僕の独り言にお付き合いください。
時間が経つと感覚は忘れてしまうものである。
時間が経つと記憶は薄れてしまうものである。
例えば鈍く刺さった苦い経験や嬉しかった日の感情。
久しく会っていない誰かの顔とか。
そういえばそんなこともあったね。
なんて時々思い返して笑ったりする。
それはどうしようもなく自然なことで、
逆らえないものだと思う。
では災害や常識を超えた不幸だったらどうだろう。
当たり前だったことが
そうではなくなってしまった世界。
僕自身もぶつかった。
一人暮らし、
人と会えない日々、
世間がざわつく厄災に。
僕は今ごくごく当たり前なことを言っている。
だけど、それを当たり前にしたくないと思った。
当たり前になってしまったものから
順番に薄れ、忘れてしまう。
だから僕らが記していかなきゃいかない、
伝えていかなきゃいけない。
そこから学んでいこう、
そんな当たり前なことを僕は痛感した。
大事にしていきたい。そう思ったのだ。
<Tani Yuuki>
◆紹介曲「Over The Time」
作詞:Tani Yuuki
作曲:田中隼人