歌詞なんて読む奴は相当暇か、病んでる奴しかいない。

 2020年5月6日に“I Don't Like Mondays.”が配信シングル「全部アナタのせいなんだ」をリリースしました。今年第2弾の配信シングルとなるこの曲は、誰かを好きになった時の特有のもどかしさや男性の弱さをストレートに歌詞にした作品。大人らしさに中毒性のあるトラックでエモさの中のリズム感が心地の良い楽曲になっております。

 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“I Don't Like Mondays.”のボーカル・YUによる歌詞エッセイをお届け!少し刺々しいタイトルが目に留まり、この記事を開いてくださった方もいらっしゃるでしょう。綴っていただいたのは、彼の「歌詞」に対する想いです。最後まで読んでいただければ、このタイトルに込められている真意が伝わるはず。是非、ご堪能ください…!

~歌詞エッセイ:「歌詞なんて読む奴は相当暇か、病んでる奴しかいない。」~

こんにちは。初めまして。
YU(I Don't Like Mondays.)です。

タイトルから、なんだか刺々しく、マウント取ろうとしてる感、満載になってしまった。ごめんなさい。勢いで書いてみたものの、あながち間違いでも無い気がしてきてしまったので、採用してしまった。

折角、こんな場を頂いたので、一人の、しがない作詞家として(作詞家と言えるレベルでは到底ないが)、そして、一人の、歌詞を愛する者として(こちらに関しては、まあまあ自信がある)、少しだけ僕にとっての、「歌詞」に対する想いとやらを綴ってみようと思う。

タイトルで述べた、「歌詞なんて読むやつは相当暇か、病んでる奴しかいない。」仮にそれが、事実であるならば、このエッセイにたどり着いているアナタも、このエッセイを書いている僕も、そのどちらかであるということになる。

なぜなら、ご存知の通り、こちらの“歌ネット”さんは歌詞を読むためのサイトだから(カラオケで歌いたいから、という理由で訪れる方もいるかも知れないが、それは、読むというよりは歌うために見ている。ここでいう「読む」は、「読み込む」又は「感じる」に近い)。

冷静に、時間を持て余しているので、ちょっと歌詞でも読もうかな、なんて人は、そうそういない(少なくとも、そんなロマンチストは僕の知り合いにはいないw)。よって、大抵の人は、病んでいるから、歌詞を読んでいると言える。「病んでいる」という表現はいささか大袈裟でトゲがあるかも知れない。

誤解をしないで頂きたいのは、何かしらの心の病だったり、鬱状態である。と言っているのではない(仮にそのような自覚症状が少しでもあるのであれば、躊躇することなく速やかに医療機関に相談して欲しい)。

ただ、そこまではいかないにしても「今日も私は心がすこぶる健康である!」と胸を張って言い切れるという人は、果たしてどのぐらいいるのであろうか。少なくとも、僕自身そんな日は、年に1、2日あるか、ないか、ぐらいの話である。いや、ないかも知れない。そんなことで、病んでいるという表現を使わせていただいた。

仕事に。学校に。恋愛に。家庭に。友情に。社会に。人生に。我々、人は生きていく中、幾度となく、壁に打ち当たる。そのたびに、「どうしたものか。。。」と、思い悩むのである。我々、人は、この地球上で唯一、『悩む」というシステムを組み込めれた動物なのではないだろうか。

犬や猫は、飼い主との付き合い方に悩むこともなければ、将来の人生設計に思い病むことはない。又、AIを搭載したロボットが、他のロボットに恋をして、好きなショートケーキが喉を通らないことも、禁煙中のタバコをすい始めるということも、決して起こらない(今のところは)。

それは我々人類の特権であり、悩むということは、必死に、明日を生きようとしてしている。からだ。と、言い換えることができるのではないか。

ただ、そんなこと、ツラツラと述べられたって、「別に私の悩みは解決しません。彼が私のことを好きになるわけでもないし」そんな声が聞こえてくる(気がする)。まさに、おっしゃる通りである。僕は、何一つ解決してあげることはできない。なぜなら僕は、貴方のことを何も知らないから。

ただ一つ言ってあげられることがある。それは、「歌詞」の存在についてだ(これは、僕の歌詞という意味ではない。世の中の沢山の才能豊かなアーティストや作詞家たちが作り上げた作品のこと)。

その「歌詞」というやつが、もしかしたら、そんな今の君の役に立つのかも知れない。文章や、ポエムよりも、メロディーが心の奥の方まで言葉を運んでくれる。響きと、響きが重なり合って君の心と共鳴する。

それは何か具体的な解決法を提示してくれるわけでは、ないかも知れない。でも、たとえば君が、友達や家族に悩みを相談して、共感してもらった。ウンウンと、うなづきながら聴いてもらった。たったそれだけで気持ちが少し軽くなった。そんな経験があるように、「共鳴」するというのは、それに近い効果があると僕は思う。「共鳴」というのは、幾分、心を軽やかにしてくれるのだ。

僕も、これまでの人生で、沢山の歌の歌詞に救われてきた。そして、きっとこれからも、救われていくんだと思う。有り難いことに、世の中には、本当に才能豊かな人が沢山いる。図々しいぐらい、今後も頼らせて頂くつもりだ。

長い間、その恩恵をこうむらせて頂いてきた、一人の人間として、そして、歌詞を書く一人の人間として、君の心が重くなった時に、多少たりとも役に立てる作品をつくる努力をすることで、還元していけたら、いい。いや、しないとダメかもしれない。違う違う。しないとダメとかいうと、書くの嫌になるから、結果、そうなったらいいよな、ぐらいで考えよう。

なんてことをグルグル考えながら、今日も、次の曲の作詞で頭を悩ませている。

ああ。悩んでるってことは、
生きてるわ。俺。

追伸.
いつの日か、ロボットも恋に悩む未来が来たなら、きっと、彼らも、歌を必要とするだろうね。どんな歌になるんだろう。僕ら人間にはそのメロディーは聞こえるんだろうか? 新曲「全部アナタのせいなんだ」は、恋でモヤついてる、人間の君の歌です。

<I Don't Like Mondays. YU>

◆紹介曲「全部アナタのせいなんだ
作詞:I Don't Like Mondays.
作曲:I Don't Like Mondays.