さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“I Don't Like Mondays.”のYUによる歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、今作『Black Humor』を制作する上での歌詞面の変化。そして、その変化を表す代表的な収録曲「ノラリ・クラリ」についてのお話です。“大人”として“社会人”として生きているあなたへ。是非、エッセイと併せて、歌詞をお楽しみください…!
~歌詞エッセイ:「ノラリ・クラリ」~
I Don't Like Mondays.というバンドの、前作のアルバムから2年越しとなる今作のアルバム『Black Humor』。最も変わった部分と言えば、恐らく作詞に対するスタンスだと言えます。
前作が、“共有のためのアルバム”であったならば、今作は、より個人的であり、パーソナルに焦点を当てたアルバムとなりました。
そのようなスタイルチェンジを行うには、これまで作り上げてきたスタイルを一旦壊す作業もしなくてはならず、作詞を担当する僕としては、その作業が一番大変だったかもしれません。メンバーとも何度もぶつかる羽目になりました。
しかし僕にとっては、やらなくてはならない工程だったように思います。
無論、去年のツアーが延期になったり、思うようにLIVEができなくなった環境の変化というのも大きかったのだと思います。ただ、それらの環境の変化が、この際これまでのスタイルを抜本的にチェンジしてもいいんじゃないか? という後押しになったと、今振り返ると感じます。
模索しながら進んでいく中、新アルバムの『Black Humor』のコンセプト作りをしていきました。そして、アルバム全体像が見えてきた段階で、作詞したのが、「ノラリ・クラリ」という曲です。
未だかつてないほどの等身大の詩になっています。そのような意味では、今作で焦点を当てたかったパーソナルな唄の代表的な一作になりました。恐らく前作のアルバムの時では、制作し得なかった曲です。
一見、恋人とのすれ違いから始まるストーリー展開のようにも見えますが、僕の中では、この曲は「社会人の“嘆き”と同時に“気付き”」を歌った唄であります(もちろん恋愛の唄として楽しんで頂いても一向に構いません)。
僕自身、今年で32歳であり社会では歴とした「大人」の部類になるものの、そのレッテルと、本来の自分とのギャップに苦しみながら、生きている世代でもあります。
恋愛や仕事、一通り経験してきて、それでいて尚、正解がわからない。でもそれすら受け入れるしかないのでは? と気づき始めたのが、今日この頃の僕という人間です(30代)。
同じ世代でしたら、少しは共感してもらえる部分があるんじゃないかなあ。と思っております。もちろん、上の世代の方も、下の世代の方にも、共感してもらえる部分があったのなら、少しでもなんとも憂鬱になりがちな日々に希望を見出せたなら、それ以上の喜びはありません。
新アルバム『Black Humor』から「ノラリ・クラリ」の歌詞について。
<I Don't Like Mondays. YU>
◆紹介曲「ノラリ・クラリ」
作詞:I Don't Like Mondays.
作曲:I Don't Like Mondays.
◆ニューアルバム『Black Humor』
2021年8月18日発売
<収録曲>
1 Black Humor
2 MR.CLEVER
3 地上を夢見る魚
4 独り占め
5 ノラリ・クラリ
6 MOON NIGHT
7 全部アナタのせいなんだ
8 馬鹿
9 Sunflower
10 愛言葉
11 サボテン
12 gift
13 Plastic City
14 モンスター
15 ENTERTAINER
16 東京エキストラ
17 ミレニアルズ ~just I thought~