何不自由のない当たり前の日々は二人が守ってくれていたんだね。

木山裕策
何不自由のない当たり前の日々は二人が守ってくれていたんだね。
変わっていく君のスピードに 近頃は驚かされるよ 嬉しくもあり何故か寂しくも ゆっくり歩いていこう 「home」/木山裕策 まだあどけない面影が残る笑顔も ママより大きくなった君に可愛いなんて言えないね 泣き虫だった君が旅に出ると言うのなら あの丘の上から見送るよ 誇らしく顔を上げて 「旅立ち」/木山裕策 今年で10周年を迎える“木山裕策”が、2018年5月2日に新曲「手紙」をリリースしました。2008年、誰もが口ずさめる<帰ろうか もう帰ろうよ>というサビが印象的なデビュー曲「home」が大ヒット。2016年にはその続編として「旅立ち ~home2016~」を発表。いずれも【家族】をテーマとした、愛に満ちた楽曲となっております。さて、そんな2曲の完結編とも言えるのが、今作の「手紙」なんです。 まず「home」に描かれているのは、まだ小さな我が子の成長を見つめる親の気持ち。そして「旅立ち」に描かれているのは、小さかったはずの我が子が、自立して旅立ってゆく背中を見つめる親の気持ち。つまり親である<僕>から子どもである<君>へのメッセージなんですよね。しかし新曲「手紙」では一転。あの頃の<君>が大人の<僕>として、「home」や「旅立ち」の主人公であった<僕>=親へと想いを伝えるのです。 面と向かって言うのは照れ臭いから 想いを何度も噛み締めながらこの手紙に書きました。 お父さん何時も忙しくて なかなか話せないけど分かってるよ お母さん何時も些細なことで 喧嘩ばかりだったけど分かってるよ ありがとう この素晴らしい世界の中へ 産んで育て愛してくれてありがとう 何不自由のない当たり前の日々は 二人が守ってくれていたんだね 「手紙」/木山裕策 ゆったりとしたメロディーに言葉を乗せて、丁寧に手紙を読み上げるかのように歌われるこの曲。きっと今<僕>がこうして<想いを何度も噛み締めながら>感謝を伝えることができているのは、自分も“大人”と呼ばれる年齢になったからこそ。かつては<何時も忙しくてなかなか話せない>お父さんに対し、不満を抱いていたかもしれません。また<喧嘩ばかりだった>お母さんをウザいと感じたこともあるかもしれません。 だけど、実際に自分が大人になってみて初めてわかったのは、毎日の仕事や生活をこなすことの大変さ。また、社会での責任や自分を犠牲にしてまで誰かや何かを守りたいという気持ち。時には余裕なんてなくなることでしょう。それは両親も歩いてきたはずの道。それでも<二人>は子の前では強く、親としてずーっと<何不自由のない当たり前の日々>を当たり前のように守り続けてきてくれていたのです。 「ただいま」「おかえり」ということがどれほど素敵で 帰れる場所があるなんてこと考えたことも無かった 「手紙」/木山裕策 あの頃、当たり前に思えた日々は、決して当たり前なんかではなかった。適当に生きていれば、出来上がる<素晴らしい世界>ではなかった。親の全力の愛で作られていたのが<帰れる場所>=「home」だった。そんな“気づき”が綴られているのが「手紙」という歌なんです。ただし、大人になったことだけがその“気づき”のきっかけではありません。自分自身も「ただいま」「おかえり」と言い合える人と巡り逢えたから、なんです。 この広い世界の中で誓い合える人に出逢いました 何もないけど細やかな幸せを毎日感じて夢をみています 他人を愛するということを初めて知りました。 こんなにこんなに愛せるのはきっと二人を見てたから 「手紙」/木山裕策 大きな愛を注がれながら育った<僕>は、大きな愛を注ぐべく大切な人に出逢えた。そして<僕>は<二人を見てたから>こその、幸せな記憶やたくさんの思い出を人生の“お守り”にして、少しずつ自分なりの「home」をこれから築いてゆくのでしょう。やがて二人の間に新しい命が宿る日が来ても、その命が産まれ、育ち、旅立つ日がやって来ても。ただただ<帰れる場所>を守り続けてゆくのだと思います。 ずっとずっと長生きをしてください もっともっと親孝行をさせてください 面と向かって言うのは照れ臭いけど 笑顔で溢れる素敵な家族をこの二人で作ります my sweet home 「手紙」/木山裕策 みなさんは、感謝の言葉を家族に伝えていますか? 母の日や父の日といった特別な日でなくとも、たまに、面と向かって言うのは照れくさいことを「手紙」を綴ってみてはいかがでしょうか。また、是非是非「home」「旅立ち」「手紙」のあたたかな3部作を、続けてじっくりと味わってみてください…!