言葉の達人

SAKUSHIKA

 達人たちは1曲の詞を書くために、言葉を巧みに操り、その時代を象徴する言葉を探した。その言葉は多くの老若男女の心を掴んで離さず、その歌は大ヒットした。
「孤独がつらく感じるとき」「愛することがよくわからなくなったとき」いつも、勇気と力を与えてくれた…、作詞家は言葉の魔術師である。そんなプロの「作詞家」の皆さんをゲストにお招きしてご紹介していくこのコーナー。
今回は、竹島宏さんを世に送り出し、「男と女のお話」日吉ミミ、などの作詞でお馴染みの「久仁京介」さんをゲストにお迎え致しました。

久仁京介

代表作

男と女のお話」/日吉ミミ
津軽恋女」/新沼謙治
」/北島三郎
ひとすじ」/北島三郎
札幌えれじぃ」/竹島宏
など多数あり

作詞論

過去から現在に至り、いまも物心両面に満たされないものを沢山抱えている。
ここが原点でプロ作詞家としての歌書きが始まり、継続している。
つまり「ないものねだり」、そして「内面からの叫び」です。
歌の世界では叶わぬことも叶えてやれる、そこに人生観が伴った時の満足感が嬉しい。

久仁さんに伺いました。
Q:
作詞家になったきっかけは?
A:
下手の横好きからかな?
Q:
プロ、初作品について
A:
「東京ロマン」 / 黒沢明とロスプリモス
作詞家をめざし3年目に発売されたあの感動を忘れない。
Q:
作品を提供したいアーティスト
A:
やはり歌(詩)世界を理解し、歌手の表現で色づけ、肉付けし、
世界観を豊かにしてくれる歌手すべて
Q:
あまり売れなかったが、私の好きなこの歌
A:
「狼」 / 北島三郎
勿論、メーカーのヒット賞には輝きました。
しかし、久仁京介の人生、それが如何なものかは別として、久仁京介らしいと自負する作品として。
Q:
なぜ「詩を書くことを選んだか」
A:
選択肢はたくさんあったでしょう。
下手の横好きから、好きこそものの上手に転化したい、ねぇ。
Q:
プロの作詞家になりたい人へのアドバイスを
A:
形はフレーズの組み立て、センテンス(文章)にならないこと。
書き手の喜怒哀楽を確かに表したい。
情と景による心象を忘れない。
歌詞を見る 狼 北島三郎

スターとしての北島三郎さんは、スターであるが故の我慢は多く、心奥で騒ぐ狼を飼いならしていると聞いた。
久仁京介の在り方とは違うが、前述のように人生そのものが、
いまだ狼の哀しさを拭えない。

■私の好きなあのフレーズ
「曲がっちゃいても 真っすぐ生きた…」

PROFILE

久仁京介Kyosuke kuni

筆 名 : 久仁京介・川奈右京
出身地 : 新潟市
役 職 : 社団法人日本作詩家協会 理事
役 職 : 日本音楽著作家連合常務 理事
役 職 : 社団法人日本音楽著作権協会 評議員

・1967年、黒沢明とロスプリモス「東京ロマン」で作詞家デビュー。
・現在放送中の歌謡演歌テレビ番組「歌謡サロン・演歌がええじゃん」で、企画・制作等を担当し、
番組内で行われている「プロ歌手が唄う作詩募集」では、審査員として活躍中。
・竹島宏をスカウトし、2002年にデビューさせた。

[CDリリース情報]

山本リンダ
「踊りましょッ!」

TKCA-90322 ¥1,200(tax in)
2009.04.08 Release

竹島宏
「恋にやぶれて」

TKCA-90294 ¥1,200(tax in)
2008.10.01 Release

みずき舞
「二人静」

TECA-12156 ¥1,200(tax in)
2008.09.24 Release

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