目次
ストリーミングとは?意味や例を解説
ストリーミングとは、インターネット上で動画・音楽を公開する際に使用される、配信方式のことです。
ストリーミングはさらに次の2種類に分かれます。
|
いずれもインターネット上でデータを受信しながら、同時に再生を行うシステムです。
従来は、データをデバイスにダウンロードしてから、視聴を開始する方式が一般的でした。
しかし、近年はインターネット接続がより高速になったため、ストリーミングが主流になりつつあるのです。
ここからは、ストリーミングのオンデマンド型とライブ型について、それぞれの特徴を詳しく解説します。
オンデマンド型のストリーミングとは
オンデマンド型のストリーミングとは、ファイルをあらかじめサーバーにアップロードしておく配信方式のことです。
ユーザーは自由にファイルへアクセスでき、好きなタイミングで動画や音楽を視聴できます。
オンデマンド型の良い点は、対応デバイスとインターネット環境さえあれば、いつでもどこでもコンテンツを楽しめる点です。
家ではテレビ、外出先ではスマートフォンで視聴するなど、複数のデバイスでコンテンツを利用できます。
サービス提供側が、DVDやCDの発送・在庫管理をしなくて済むのも、オンデマンド型の良い点です。
データはサーバーに保管されているため、ユーザーはサービスに登録さえしていれば、半永久的にコンテンツを楽しめます。
・オンデマンド型ストリーミングサービスの例
|
このように、月額制の動画・音楽サービスの多くはオンデマンド型ストリーミングサービスに該当します。
ライブ型のストリーミングとは
ライブ型のストリーミングとは、コンテンツを同一時間に複数の人へ配信する生放送のことを指します。
コンテンツは順次ストリーミング用のデータに変換されるため、リアルタイム配信が可能にです。
ライブ型のメリットは、最新の情報を素早く受け取れる点と、リアルタイムならではの臨場感がある点です。
一度に多くの人へ情報を届けることができるため、セミナーや講演会にもよく利用されています。
・ライブ型ストリーミングサービスの例
|
このように、リアルタイムで進行していくものは、ライブ型ストリーミングサービスに分類されます。
ストリーミングの3つのメリット
ストリーミングサービスを利用するメリットは、次の3つです。
|
それぞれ詳しく解説します。
1. コンテンツ視聴時にストレージの空き容量が必要ない
ストリーミングのメリットのひとつは、コンテンツを視聴する際にストレージ(デバイスのデータ保管場所)の空き容量が必要ない点です。
たとえば動画をダウンロードする場合、フルHD画質の映画1本あたり、2~5GBの空き容量が必要になります。
スマートフォンの場合、内蔵ストレージは64~256GBが一般的です。
毎回コンテンツをダウンロードしていると、すぐにストレージが圧迫されてしまいます。
しかし、ストリーミングでは一時処理用の空きさえあればコンテンツを再生可能です。
ストレージの容量を気にしたくない方は、ストリーミング方式の利用をおすすめします。
2. すぐに再生可能
対応デバイスとインターネット環境さえあれば、すぐにコンテンツを再生できるのもストリーミングの魅力です。
ダウンロード方式の場合は、ダウンロード完了までに待ち時間が発生します。
待ち時間は早くて1GBあたり1~3分ですが、遅い場合は15~30分ほどかかるのがデメリットです。
詳細な時間はプロバイダーや回線によって異なるので、回線の通信速度が重要となります。
待ち時間なしでコンテンツをすぐに再生したい方には、ストリーミングが適しているでしょう。
3. セキュアな配信が可能
セキュアとは「安全・保障されている」ことを意味します。
ストリーミングでは、サーバー上のファイルが一定間隔でセグメント化(アクセスする端末の分割化)されています。
セグメントファイルと通信は暗号化されるため、ストリーミングではデータやシステムが保護されたセキュアな配信が可能です。
ストリーミングの2つのデメリット
コンテンツを気軽に再生できるのが魅力のストリーミングですが、以下2つのデメリットもあります。
|
それぞれ詳しく解説します。
1. 映像や音声の質がインターネット環境に左右される
ストリーミング再生にはインターネット環境が必要なため、画質・音質がデバイスと通信環境に左右されてしまいます。
たとえば、HD画質の動画を快適に視聴する場合、最低でも5Mbpsほどの通信速度が必要です。
4Kのような高画質だと必要な通信速度はもっと上がり、20Mbpdほどとなります。
大手キャリアの通信回線や光回線を利用している場合は、ストリーミング再生に問題が現れる可能性は低いため、過度の心配は不要です。
対してADSL回線を利用している場合や、通信速度制限がかかった状態は、画質や音質に影響が出やすいと言えます。
インターネット環境が整っていないと快適な視聴ができないのが、ストリーミング再生のデメリットです。
2. 通信量がかさむ
ストレージの容量を圧迫しないのが魅力のストリーミングですが、通信量はかさむ傾向にあるため、注意してください。
動画や音楽の視聴中は、常にデータ通信量がかかるからです。
コンテンツの視聴時間や容量が大きくなるほど、データ通信量も大きくなります。
高画質の動画をしょっちゅう見ていると、すぐに月間通信量の上限に達する恐れがあるので、気をつけましょう。
ダウンロードとは?メリット・デメリットを解説
ダウンロードとは、サーバー上のファイルをデバイスに転送して保存することです。音楽や動画の再生は、保存完了後に可能となります。
ダウンロード方式に対応するコンテンツはストリーミングと違い、一度保存すれば環境なしでもコンテンツの再生が可能です。
ダウンロード方式のメリット・デメリットは次のとおりです。
【メリット】
【デメリット】
|
以下でそれぞれ解説します。
メリット1. オフラインでも視聴できる
ダウンロード方式に対応したコンテンツは、一度保存が完了すれば、インターネットに接続されていないオフラインの状態でも視聴ができます。
通信量を抑えたい方や、コンテンツの品質が通信回線に左右されるのが嫌な方には、ダウンロード方式が適しているでしょう。
メリット2. 通信制限がかかりづらい
ダウンロード方式では、デバイスにコンテンツをダウンロードした後、データ通信量が消費されることがありません。
Wi-Fiを利用すればダウンロード時の通信量も不要のため、ストリーミングに比べて通信制限がかかりづらいと言えます。
データ通信量が少ないプランに契約している方には、ダウンロード方式がおすすめです。
デメリット1. デバイスの空き容量が必要
ダウンロード方式の難点は、デバイスの空き容量がないとファイルを保存できない点です。
動画など容量の大きいファイルを多数ダウンロードしていると、デバイスのストレージが一杯になりやすいのでご注意ください。
ストレージが一杯になった場合、不要なコンテンツを削除して空き容量を増やす必要があります。
削除するのが嫌な場合は、SDカードにコンテンツを移す手もありますが、これはAndroid限定の方法です。
iPhoneユーザーでコンテンツを削除したくない場合は、iCloudで追加ストレージを購入することになります。
デバイスの空き容量が十分ではない方は、ダウンロード方式を不便に感じるかもしれません。
デメリット2. ストリーミングよりコンテンツが少ない
ダウンロード方式では、ストリーミングと比べ、視聴可能なコンテンツが少ない傾向にあります。
近年はストリーミング配信での月額課金サービスが増えており、ストリーミングが主流になっているからです。
また、著作権の関係で保存できないコンテンツがあるのも、ダウンロード方式のデメリットだと言えます。
多くのコンテンツを楽しみたい方は、ダウンロードよりもストリーミングのほうが適しているでしょう。
デメリット3. コンテンツの再生に時間がかかる
ダウンロード方式は、コンテンツを再生するまでに時間がかかってしまいます。
ファイルがデバイスに保存されないと、コンテンツを再生できないからです。
ダウンロードにかかる時間は、回線事業者やプロバイダーによって異なります。
ダウンロード速度が遅い場合、1GBのファイルを保存するのに1時間以上かかることもあるため、ご注意ください。
コンテンツをダウンロードする際は、通信環境の良い場所で行うことをおすすめします。
ストリーミング方式とダウンロード方式の違いを比較
ストリーミング方式とダウンロード方式の違いを以下にまとめました。
ストリーミング | ダウンロード | |
デバイスの空き容量 | 不要 | 必要 |
コンテンツの再生 | 即時 | 通信環境によっては時間がかかる |
オフライン再生 | 不可能 | 可能 |
通信量 | 視聴のたびにかかる | ダウンロード時のみかかる |
通信制限 | かかる恐れあり | 事前にダウンロードしておけば心配なし |
コンテンツ数 | 多い | ストリーミングより少ない |
何を重視するかによって、どちらの方式が適しているかは変わります。通信環境やお手持ちのスマートフォンの容量に合わせて、適しているほうを選びましょう。
ストリーミング方式とダウンロード方式はどちらがおすすめ?
ストリーミング方式とダウンロード方式は、利用するシチュエーションで使い分けるのがおすすめです。
Wi-Fi環境ではストリーミング、外出時や通信量の残りが少ないときはダウンロードを利用すると、どちらの良さも活かせます。
外出時での利用のために、コンテンツを事前にダウンロードしておくのも大切です。
Wi-Fi環境でダウンロードしておけば、通信量を一切消費しなくて済みます。
スマートフォンの容量を圧迫したくない場合は、ストリーミング再生をメインで利用するのが良いでしょう。
ダウンロードでは、120分の高画質動画で1.8GB前後、通常音質の音楽1曲で5~10MBの容量が必要です。
動画であれば視聴後に消しやすいですが、音楽は何度も聴きたい方も多いので、なかなか消しづらいもの。
さまざまな音楽を楽しみたい方は、ストリーミングを利用したほうが良いと言えます。
自分の利用コンテンツやシーンに合わせて、ストリーミングとダウンロードを使い分けてください。
ストリーミングとダウンロードのいいとこ取りでコンテンツを楽しもう
ストリーミングとは、インターネット上で音楽・動画を公開する際に使用される、配信方式です。サーバーにアップロードされたファイルを再生するオンデマンド型と、コンテンツをリアルタイムで楽しむライブ型があります。
ただし、ストリーミング再生には通信量がかかるのが難点です。通信量を抑えたい方は、デバイスにコンテンツを保存するダウンロード方式も、必要に応じて利用すると良いでしょう。
ストリーミングとダウンロード、それぞれの良い点を活かして音楽や動画を楽しんでください。