時間泥棒がやってくるMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 時間泥棒はそーっとやってくる 知らぬ間にもう夜になっている 時間泥棒はそーっとやってくる 気づかぬ間にもう朝になっている 忙しすぎたり退屈すぎたり タイミングをずっと見計らってる 時代の流れに沿って生きていく 暇そうにしてる人は放っておく 無駄な時間とか不毛な議論とか 昔ほど愛せなくなっている さよならまた僕の時間 どこへ行ってしまったかわからない あの頃はまだ無駄な時間ばかりだったのに 本当はどっかで使いたい 一日ゴロッと眠ってたいけど 本当はどっかで遊びたい 一日をリッチに使いたいけど 遊んでるときからずっと頭の中 ストーリーズの構成を考えている 今を生きようともがきながら僕は 手帳に書かれた現在を生きている さよならまた僕の時間 どこに行ってしまったかわからない 探しにゆく時間もない 時間がない 時間泥棒はもう去ったあと 灰色の煙が立ち込めている 僕はなぜかしら焦っている 曲を切り上げなきゃと思っている |
えんぴつMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | えんぴつはあまりいいデバイスではないわ シャーペンは持ちがいいからその点ラク~ 机に手をつく彼女は得意気 えんぴつは先が丸くなるからイヤよ シャーペンは取り替えができるからラク~ 追い詰められた僕のえんぴつ 心まで折れそうだ あの手この手で伝えてみせる えんぴつの素晴らしさ! ペン回しで振り向かそうとしてる シロツメクサに敵うはずないのに えんぴつの何がいいとか分からないけど えんぴつを削る瞬間がたまらない 書いては削り続けいつかは サヨナラを言わなくちゃ だけども丸くなりかけなけりゃ 出ない線が美しくて このえんぴつであの日の景色を 絵に描けば振り向く気がしてる シャーペンにも なかよしにも プリクラ機にも敵う気がしてるのさ ほら見てみてと振り返るけど あなたは芝生に夢中 しかたなくなって えんぴつをぐにゃぐにゃさせているのさ |
新人類MONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 大きくなったら 小鳥と恋人になるよ 空を飛べる子どもが生まれたらいいな おとつい飛ばした スイカのタネが芽吹くよ 雲の上の上まで伸びてくはずさ 子どもはずっと夢うつつ アリの巣ほじくって こんばんはって飛び込んで 地球の裏側まできみも来る? 子どもはずっと夢うつつ 新人類が生まれては消えるけど 逃げ切ったら地球の裏側でまた会おう 夢・夢・夢うつつ |
パレードMIZ | MIZ | 玉置周啓 | 加藤成順 | | どこに行こん やまへ行こじゃ 祭りだら あにょかもん かんもかもじゃ 祭りだら あにょしたあろん おどったあろじゃ 祭りだら あんでおどったあろん あにんかもん おめえはだいどう だいでもよけじゃ 祭りだら |
バイクを飛ばしてMIZ | MIZ | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 少し ちょっと湿気ってる 淡い色の匂いが漂っていた 僕は知っている それを知っている 苔むした水汲み井戸を思い出していた 少し ちょっと寄ってみた 川辺の家はみな舟を持っていて 乗せてもらって ぽつんと浮かんで 錆びかけトタン屋根なんかを思い出した 秋の梅雨の空 バイクを飛ばして 牛が横切って 前髪が気になって ふらっと立ち寄ったお店が良かったりした 懐かしい夜空 バイクを飛ばして 牛が横切って 前髪が気になって ふらっと立ち寄ったお店が良かったりした |
パジャマでハイウェイMIZ | MIZ | 玉置周啓 | MIZ | | ラバーよ、もう一度だけ ヤダわ、いつも夜中だけ だからいいのさ、危険はないぜ ハイウェイとばそう 曖昧な返事も嫌いじゃないぜ ハイウェイとばそう ラバーよ、もう一度だけ まだ、あとルージュだけ そんなのいいのさ、視線はないぜ ハイウェイとばそう 一十三十一と飛んでくライト ハイウェイとばそう |
夏のおわりMIZ | MIZ | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 夏のおわりのふたり 空に浮かんだカルピスソーダ 借りてるマンガ返せなそうだ 畳の上で夕日が沈む時間を ずっと待っていた 今からどうしよう 夜を出し抜こう あの子とUFOの出る丘まで行こう 僕らはどうだろう 朝まで生き抜こう 誰かSOSを出してる |
夏がきたらMIZ | MIZ | 玉置周啓 | MIZ | | 夏がきたら あの人なんてさ、忘れてもいい スイカの皮の上に 横たわれば涼しげだから 僕はいつも プラスティックの壁を登ろうとしてる 暖かな光が差し込んでるのが そこからだから 大海原へいこう それは僕の 遺伝子の中に隠れてるらしい おかげで潮騒の 聞こえる方へと歩いてゆけるのさ |
空砲MIZ | MIZ | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 昔から大事にしてたものも いつの間にか見当たらなくなるよ 今ではもう 東京はアクマのはびこる街と 大げさな装備で旅立てど 構えた銃には的が無かったのさ 脱いだら 自由にまわるよ 今ではふたりは 逃げも隠れもせずに ふたりで歩いた道を 霧がかる山間に涙を流した春を すりガラスの向こう 塩かけたスイカの味 |
君に会った日はMIZ | MIZ | 玉置周啓 | MIZ | | 君に会った日は 振り向いたら 思ってた顔じゃないね すれ違えば 人はみな恋に落ちてしまう 君に会った日は 坂道をスキップする |
春MIZ | MIZ | 玉置周啓 | MIZ | | 春はひとり いつもひとり 愛してるよ 夜明け 秋のにおい 冬のひかり 愛してるよ 夜明け 春の麗にひとり ぼっち 君はふたり いつもふたり 愛してるよ 愛してるよ 愛してたよ 夜明け |
ゾッコンMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | ああ僕は君にゾッコンだ! もう僕は君にロックオンだ! 運命なんだろう 前の恋とは違うぜ 毎回言ってる気もしなくもないけど アプローチも一球一球入魂だ! ああでもどの球種をとってもノーコンだ! でもあきらめちゃうほど簡単じゃないんだね ろくなことにならない気しかしないけど とんだ才能そうなその白い肌や ぱっちりした目とその澄んだ声 何よりもその出で立ちが あなたの専売特許でしょう ああできれば是非ともあなたと結婚だ! だがしかし出かけた言葉は引っ込んだ! こりゃいったい何だろう 言葉選びに困るぜ なぜベストな言葉が浮かばないんだろう 当落線上ギリギリのセンスや いまだかつてない文字の使用例 何よりも目の付けどころが あなた以外らしからぬところでしょう 用もないのに2階の廊下を歩き 君が視界に入ったら それはえらいでっかいめっけもんだね! 貸したマフラーに染みついた君の香り 君が視界から消えたら ちょいとだけ巻いて嗅いでなんて したかったけれど しなかったけれど ! 筆舌に尽くしがたいほど あらわしきれないこの感情も 滑舌に尽くしがたいけど あらわしてみたいのがこの僕です 泣いて泣いて泣いて泣き疲れても 落ち着くことないこの感情も あなたがいないと味わえない あなたがいないと味わえない ああ僕は君にゾッコンだ! もう僕は君にロックオンだ! ゾッコン男子は世にそうそういないぜ きっとこれは結ばれるしかないんだろう |
そこにあったからMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 私の好きなもの 風にそよぐ森の木々たち 誰にも奪われない 初めからそこにあったから 私の好きなもの おひさまを照り返す海 誰にも邪魔されない 初めからもうそこにあったから 風が吹くように 雨が降るように わたしは生まれて 雲が浮くように 波が立つように あなたと出会っただけ 私のいるところ あなたが今までいたところ 間に引かれた線を飛び越えて 鳥たちは飛んでいる 風が吹くように 雨が降るように 涙がこぼれて 雲が浮くように 陽が差すように あなたが現れて いつまでもみな幸せでいて 水平線の向こうにさえ行けない 生まれる場所さえ選べない 私が選べるものは これから向かう場所だけなの 風が吹くように 雨が降るように わたしは生まれて 雲が浮くように 波が立つように あなたと出会ったら いつまでもみな幸せでいて 誰にも邪魔されない 初めからもうここにあったから |
LOVE LOVEMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 街中に監視カメラを隠したい 君が泣いたらすぐにでも行けるように たとえこの例えをもってしても 伝わり切ることなんてないのに なぜ君はすべて理由を知りたがるの そんなもの分かるはずがないのに 愛にいちいち理由は必要ないだろう ところで僕のどこが好きなの? 恋に恋しているうちは まだまだ こどもなんだよと 得意気に言う人の前で 君とキスをしたい 君とまばたきのタイミングが 死ぬまでずっと一緒だったらいいのに それなら「君から目を離さない」 って約束も嘘にはならないのに 白馬の王子様を探してた君を 笑う僕も眠り姫を探してた メルヘンを嫌いな現実主義者が 描いた理想を壊してくけど 愛を愛してるつもりなら ほんとうの意味の愛じゃないのよと やけにのたまうその人の口を 誰かキスでふさいでくれ 君のコンタクトレンズになって 汚れっちまった世界も美しく見せてあげたい 君のお気に入りの靴になって 素敵な景色の街へと連れてってあげたい 君がお腹すいたって言えばシェフを目指して 頭痛いなんて言った日には医者を目指して あの星が欲しいなら宇宙飛行士になって ゆくゆくは宇宙空間の支配者になって 君が眠れない夜は流れ星を落としたい LOVE LOVE 青臭い言の葉に込められた愛のすべて うら若い想いに秘んだ恋のすべて 恋に恋せよ 恋に恋せよ 消しては描き直すような理想の 愛を愛せよ 愛を愛せよ 二人で描き上げた愛を |
まほろばMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 古びたベンチが置かれた敷地には 花束を抱えてめいめいに集まる 優しい人々ばかり 不治の病を抱えたひと同士が お医者様の振りして懸命にいたわる 優しい人々ばかり ロマンティックな 生活はやってはこないけども ロマンティックに 考えられそうだ 「方舟はまだ?」 すでに僕らは乗っている ロマンティック 長旅だったよねと言いたいけども ロマンティック 海原はどこまでも ロマンティック あなたが生まれてきてくれたこと ロマンティック わたしが生きてくこと |
5GMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 砂漠にひとり取り残された そうせざるを得ずに歩いた そこに煌々と輝いた 美しいそれを見つけた 高まる援助への期待 そのためのテクノロジー しかし助けを呼ぶにも ここは電話もない わたし新しいものばかりの この世界は広すぎて 楽しいことも哀しいことも 忘れてしまいそうで 実はこの砂漠の下には 世界規模の電話コードが 早まるこの星の自転 さすがに酔いが回るわ あの日のことはごめんと 告げる時間もない わたし新しいものばかりの この世界は広すぎて 愛しいものも憎らしいものも 忘れてしまいそうで |
孤独になってみたいMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | いとおしい人々も にくらしい人々も まとわり足並み重なり気づけば 踊り始めている 夜さえ眩しくて まぶたを閉じてみても お優しい言葉に高鳴り気づけば 愉快なリズム口ずさむ 夢の街角で 知らぬ安宿で 孤独になってみたい 背中を押してほしくて 線路のほう見下ろしても 見計ったように唸った電話を取ったが最後 白線の中に戻される 埋もれた遺跡で 銀河の隅っこで 孤独になってみたい ふと思い出すバッドメモリー サッと差し出す愛のセオリー 痛み足りないわ 愛しのあなたへ 今はやめとくれ 孤独になってみたい |
ダダMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | あいつらの言うとおりだ 何でもかんでも言うことばかりを聞いてちゃ どうにもならない あそこに行ったら二人で抱きしめあおう おいらの言うとおりにしな どのみちその手を離さなければ 素直になれない どこかに行ってもあなたと抱きしめあうよ ねえ 話を聞いておくれ まだ終わらないようだ 意味もないのに 灰皿の中のリングは 何でもかんでも言うこと為すこと全てが 「愛してやまない」だけじゃ あなたの指には通せないだろう ねえ 話を聞いておくれ まだ終わらないようだ ジダンダ あいつらの言う通りだ 何でもかんでも言うこと為すこと全てが 「素直になれない」だけじゃ あなたを抱きしめられぬままだろう ねえ 話を聞いておくれ まだ終わらないようだ あなたとふたりで歩いた場所からまた行こう |
水が湧いたMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 水が湧いた! それが聞こえたら 老若男女が集まって 祝いあう合図 方角関係なくなって ヤッピー それから街はお祭り状態 縦乗りはあなた 横乗りはわたし 乗り方違えど 乗るのは同じ ヤッピー 喉はカラカラ意識は朦朧 街はお祭り状態 極楽の兆し 先駆けの暮らし ヤッピー 命からがら意識は朦朧 未だお祭り状態 極楽の兆し 先駆けの暮らし |
幽霊船MONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 遥かに昔の未開の土地には 魅惑の日差しが光り輝いて あの島に辿り着けば 数えきれぬ船乗りが 港町を後にしては 同じ町と知らず胸躍らせた 遥かに未来のその海原には いろどりみどりの船が瞬いて あの海に融け込めば またも船乗りが あちこちに身を投げては 骨になる運命 幽霊船から飛び降りて 泳ぐ気力もなくなった世界じゃ 夢見てるみたいだ ステップがバラバラなままだが グッとくるグルーヴ 新たなる大陸が 見つからないなら 作ればいいじゃないの 骨になる運命 幽霊船から飛び降りて 泳ぐ気力もなくなった世界で 夢見てるみたいだ 幽霊船から飛び降りて |
異邦人MONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | レントゲンには映らない ところに心があるらしいけど バンドエイドを飲み込んで くだしたお腹を治そうとしてたみたい 花は土の中で考えて 開くころ言葉になっている 鳥は走れる生物を 羨ましがって飛んでいる 私は異邦人 ペンや剣では敵わない ところに向かう途中で気づいた まっしろな紙もまっくろな星も 冷めないお湯も醒めない夜も どこに行っても見つからない 風はどんなに吹いたとて 話せないことを分かっている 月が放った光は 今ごろ歌へと変わっている 私は異邦人 空に憧れても翼ひとつ生えないまま 背丈ばかりが伸びてゆくのは あなたのその足が 土との別れを拒んだから 誰かが勝手に名付けた ものに囲まれて暮らしている あなたがさっき口にした 言葉の行方を探している みんな異邦人だった |
キャンパーを飛ばしてMIZ | MIZ | 玉置周啓 | MIZ | | 肌寒い音がして目覚めた朝は 灰色の海の色と同じ雲が揺れていたので 思わずキャンパーに乗っかって ハイウェイを削って海岸線まで 肌寒い音がして目覚めた朝は 灰色の海の色と同じ雲が揺れていたので 思わずキャンパーに乗っかって ハイウェイを削って海岸線まで |
ティータイムMIZ | MIZ | 玉置周啓 | MIZ | | 知らぬ間に着いた街で 幽霊と遊んだら最後虜になってしまう 帰り道も知らないで 気まぐれに吹いた風で 運命を決めてしまった人々は跋扈する 帰り道も知らないで ティータイム木登りは木登りさ 知らぬ間に着いた街で 幽霊と遊んだら最後虜になってしまう 帰り道も知らないで 帰り道も知らないで ティータイム 火遊びは火遊びさ |
芝生MIZ | MIZ | 玉置周啓 | MIZ | | 寝転んで微睡むのにうってつけだった ほっぺたを撫でるその手が温かかった お日さまの光を浴びるように出会った かかとの黒子が不思議と美しかった それは芝生、昔の芝生 昔の芝生は柔い 寝転んで微睡むのにうってつけだった いつから伸びすぎたのかは分からなかった 彼女は私を突き刺すように去った ズボンをはたいてあちらの方を見やった それは芝生、隣の芝生 隣の芝生は青い 夢にも出てきそう それは芝生、隣の芝生 隣の芝生は青い なぜなら ブラッシングがなっている 手入れがなっている |
ようこそはるばるMIZ | MIZ | 玉置周啓 | MIZ | | 歩いたらそのうち出会う あの街でどのみち出会う こんにちは、お元気そうで こんばんは、あの夜ぶりね 夕暮れ、気まぐれ ひとりでに走る自動車に 乗れば会えるから いつでも会えるから ようこそはるばるいらしたわ 陽だまり、おだまり 静まり返った歩道橋へ 行けば会えるから いつでも会えるから いつまでも待てるから さようなら、そのうち出会う |
ジョークMIZ | MIZ | 玉置周啓 | MIZ | | かたちは失うものなんて なまえは忘れるものなんて ひどいジョークを言うのね あなたったら 色恋どころじゃないなんて ほんとうに大事なことなんて ひどいジョークを言うのね あなたったら もう笑える一言なんかいいの どうにでもなるような日々を過ごそう それよりうんと短くなった髪を 触ってはどう 真面目な話をしよう もうジョークはやめてってばあなたったら もう笑える一言なんかいいの どうにでもなるような日々を過ごそう 短くした髪を触ってはどう |
クロスワードMIZ | MIZ | 玉置周啓 | MIZ | | なんでもないような顔をして なんでもないようなことを言う 会話の空気を埋めるように 模範解答を求めてる 埋まらないよ 思うようにワードなんか浮かばないよ なんでもないような顔をして 心は感動をくれと言う 部屋の隙間を埋めるように 便利なサプリを求めてる 埋まらないよ 思うようには満たしてもらえないよ あなたを救った言葉が 誰かを刺してしまう街で わたしが放った言葉は 本音を言えば誰のため 埋まらないよ 思うようにワードなんか浮かばないよ 埋まらないよ 思うようには満たしてもらえないよ 正解が曖昧なクロスワード |
ようらんMIZ | MIZ | 玉置周啓 | MIZ | | あだん飲みすぎて酔ったろうわ 記憶もまじけろわ あだんのーひゃっこけかしゃしゃけかも 分かりんなくなったあろじゃ ようらん あだん飲みすぎて酔ったろうわ 記憶もまじけたら あだんのーうまけかまずけかも 分かりんなくなったあろじゃ ようらん はら我がいにかいりんねーとだじゃ あだんおまえがあにをしゃべったあろか 分かりんなくなったあろじゃ あだんおまえがどこのだれだかも 分かりんなくなったあろじゃ ようらん はら我がいにかいりんねーとだじゃ |
味見MONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 塩胡椒それから調味料 お好みで香草など少々 の少々は少々難しすぎるわ 正解はどこ? 毎回困る加減 個性を伸ばそう 分断はやめよう ありのまま生きよう 団結しよう 稼ごうよ 休もうよ いや難しすぎるわ 正解はどこ? 簡単にいかないのです 甘酸っぱい出会いかな じんわり旨い未来かな 食わず嫌いじゃない 苦い時代はいただけない また塩っぱい話題ばっか頬張ると血圧上がる それもいいか 低糖 高カロリー 小休憩 大丈夫 おぬしは食わねどいつも用事 チェーン店の回転みたい 味見を忘れずに 美味しいものを食べてみない 温かいものを食べてみない 美味しいものを食べてみない 温かいものを食べようよ 肩を落とす前に頬っぺたを 甘酸っぱい出会いかな じんわり旨い未来かな 食わず嫌いじゃない 苦い時代はいただけない また塩っぱい話題ばっか頬張ると血圧上がる それもいいか あんま冷たい現実味ばっか飲み下すとお腹も下る それもいいか |
風の向きが変わってMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | MONO NO AWARE | まだ遠い先でいいから 追い風に吹かれてみたいわ またそう言う君を背負って 坂道上ってく小ちゃな自転車 向かい風がちょっとクーラー みたいだなって思った瞬間 自転車のスピードが ほんのちょっと上がる 風の向きが変わって前髪が逆立った いつまでも甘ったれたままじゃ駄目か カザミドリどこを向いたとて 吹きつける向かい風 全て吹き去ってそれから気づいた それか遠すぎるのなら いつまでもこうしてあなたといたいわ じゃあもう漕がなくてもいいかな 坂道下ってく小ちゃな自転車 若いやつの流行りや ベテランのライフハックなんか 不感だわ俯瞰だわ ガードレール曲がる 風の向きが変わって前髪が逆立った いつまでも甘ったれたままじゃ駄目か カザミドリどこを向いたとて 吹きつける向かい風 全て吹き去ってそれから気づいた blowin' in the wind 独りでに軽やかに逃げてくばかり 漕ぐも漕がぬも自由さ だだっ広い道にぽつんと自転車 風の向きが変わって目の色まで変わった いつまでも甘ったれたままじゃダメか カザミドリ一回は飛んでみろ 追い風になるまで 全て吹き去ってようやく気づくまで |
アングルMONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | MONO NO AWARE | アングルが変われば 思ったより猫背だなって気づくかしら 願ってたよりいいところにいるかしら 夕日はほんとは沈まないのよ 地球の裏側に消えていくだけ それならそれでも別にいいけど この目に映った夕日が沈むのには 変わりないわ アングルが変われば 思ったより猫背だなって気づくかしら 願ってたよりいいところにいるかしら あの日に伝えたことは嘘よ ああ言うしかなかったの 大人になるほど他の誰かの 命を過ごした気持ちになるけれど 知らないわ 来年の夏の浜辺を もう思い出しているの? 幼稚園の帰りの曲がり角に いつかまた立つの? そこから見た陽の行方なんて誰も 知らないわ アングルが変われば 思ったより猫背だなって気づくかしら 願ってたよりいいところにいるかしら アングルが変われば よりもっと複雑なことに気づくけれど アングルが変われど 自分が選んだ目線はひとつだけのままよ |
忘れる MONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | ペンキのはげた壁紙をめくるのが 楽しくて涙も引っ込む 着陸間際の航空機を探す 双眼鏡で 胸が高鳴る ありのまま全てを受け入れられたら まともな答えは必要ないのに 忘れる 屋上に消えたバレーボールを見捨てる 見つかる前に あの時はごめん 攻略間際のゲーム機を投げ出す あなたに会える それだけで十分 ありのまま全てが浮かんで消えたら 複雑な記憶は必要ないのに 忘れる 水面の上を走る電車で 街を出て行くあの子は誰 からかい気味に肩を叩いて 駆け抜けていくあの鬼は誰だ あのいつか溺れた浅瀬さえも 今は腰の高さで揺れている しかしながらあの瞬間のニュアンス 覚えてる もともとどんなだ 今でいうどんなだ ありのままいたいなと つくづく思うけど ありのままがそもそも 何だか分からない ありのまま全てを懐かしがるうちに 宝物みたいな思い出ひとつずつ 忘れる |
うれいらずたのぼー MONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 多摩川には ビルも建たない 燃え上がる町を縫うように ひんやりと涼しい 川を渡れば何も聞こえぬ 金句のような便所落書き 黄昏に溶けながら ひっそりと鳴っている うれいらずたのぼー |
88 MONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 洗濯物が揺れている おひさま吸い込む布団がひとつ 叩くほどに音が出る 舞い上がる埃が光って光って光って見える 飛びたいあの空の奥を見たい それ踏み込めペダル 名も知らないお玉杓子見つけては どしどし追いかけ回す トーストちょっと残してる ここ数日どうしてか心がふたつ 隣り合わせの白黒がつかないまま あなたに触れる 背中を押した1の指 道を示した2の指 どこで覚えた3の指 縁を結んだ4の指 約束をしよう やりたいことは何でもやってやろう それ踏み込めペダル 間違うのが怖いけど止まらない どしどし踏み込むペダル 洗濯物が揺れている おひさま吸い込む布団がみっつ 叩くほどに音が出る 舞い上がる埃が光って光って光って見える 飛びたいあの空の奥を見たい それ踏み込めペダル 耳貸しなでかい拍手聞こえたかい どしどし追いかけ回そう |
あたりまえ MONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 難解なものを選びながら 簡単なことで躓きながら あたりまえだった 交差点みっつの灯りが 眩しすぎて白く見えた 自分の有り様もあなたの抱き方も いずれまたそれの問い合わせも できるかもしれない あたりまえに いつでも話聞かせて あたりまえに わたしを出迎えて 耐えがたい悲しみはあたりまえ ほとばしる喜びもあたりまえ 意味不明の気まずさもあたりまえ よみがえる可笑しさもあたりまえ あらゆる獲物は分け合いましょうか |
お察し身 MONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 温まったポンシュと身勝手な赤ら顔 酔っ払って呑舟としけ込めば乗車拒否 あくびは深呼吸 こちらへおいで 無礼が礼儀の思考の放棄農地へ こちらへおいで 立ち入りは禁止のはずのエリア 合わせ吞む清濁 汗だくのままかっこむとぶっ飛ぶ 手前味噌の軽ん汁も 論じる時間を尊べば引っ込む お察し身をいただこう で呑んで呑んで呑んで 呑んで呑んでろんでろん 温まったポンシュと身勝手な赤ら顔 酔っ払って呑気を気取ってみても剣呑 あくびは深呼吸 こちらへおいで 無礼が礼儀の思考の放棄農地へ こちらへおいで 立ち入りは禁止のはずのエリア 合わせ吞む清濁 汗だくのままかっこむとぶっ飛ぶ 手前味噌の軽ん汁も 論じる時間を尊べば引っ込む お察し身でいきましょう いったん我慢我慢我慢 我慢の曼荼羅 温まったポンシュと身勝手な赤ら顔 ビッグニュース呑吐こい酒乱の正負と嘔吐 あくびは深呼吸 |
イニョン MONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 町を見下ろしながら 歩くのは面白いね ただ傘がないけど あんたにはまたどっかで会うわ 待ちぼうけの末濡れた 袖に触れさせてよ 出会いは雨後の筍 あんたにはまたどっかで会うわ 甘い相槌うつほど ころげて笑けるほど 輪郭がぼんやり やたら馬があったこと 去るしかなかったこと 輪郭がぼんやりと 初めてじゃないみたい お決まりの台詞が飛び出す そのくせ予め決まっていた かのように別れ道 甘い相槌うつほど ころげて笑けるほど 輪郭がぼんやり 溶け出していったけど 言わずに言えること 聞かずに聞けること 輪郭がなくなっても あんたにはまたどっかで会うわ |
もうけもん MONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 毎晩毎晩泣いてどうした せっかくさっき飲んだミルクが勿体無いわ でも毎回毎回泣きやんでは ピカッと光った目を見るだけでもう あんたって もうけもんだね 笑えてきた もうけもんだね 大きくなれ誰々よりどうこうとか気にせん 海千山千食いな食いな行け行け丼丼 寝つかないだけで心は悶々 寝つきゃ急にメロメロになんね 落ちたもんをペロペロご勘弁 お尻ぺんぺんもう寝なベイベー あんたが生まれてもうけもん ハイハイちゃんとやってよ あんたもそろそろお手のもん ピーマンちゃんと摂ってよ 結局いいのはビタミンCよ ニキビは潰さんといてよ お泊まりするなら言ってよ そんなん転校したっていいよ なんかあったら言ってよ 母ちゃんあんた泣かせないよ 父ちゃんあんた泣かせないよ 本当あんたってもう あんたって もうけもんだね 笑えてきた もうけもんだね 私も含む もうけもんだね |
野菜もどうぞ MONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | 美味しい野菜どうぞ 勘で買ってきてカットして炒めれば 分かるだろ 主食だよ 美味しい野菜どうぞ もう飽きて強火してから煎らつけば 分かるだろ 風味だよ 美味しい野菜どうぞ 面倒なら生のままで口に入れちまいな 分かるだろ 山だよ 野菜は美味しいから食う 本は面白いから読む 眠たいから今は寝る 偉いなどの言葉スルー 美味しい野菜どうぞ 人が肉たらしく思えてきたら 分かるだろ 空腹の場合には ここはひとつ野菜もどうぞ |
同釜 MONO NO AWARE | MONO NO AWARE | 玉置周啓 | 玉置周啓 | | いつか夢見た火星に行けたとて パスタ屋でカトラリーの 音を出さない練習するのね いつも父から立てひざを 叱られていたけれどあなたこそ 咀嚼音が気になってはいたのね まだあなたは腹に落ちない 噛まねば飲まれん 馬鹿手を 人は同じ釜の飯を食う 母のコロッケ嫌々に食う 子にすれば芋より肉 食べ方注意せよと言う父親の 咀嚼音こそ気になりながらも食う 大事はいつも作法また向く明後日のほう そんな頬を叩き落とす飯もあった 「質素」と海苔で書かれた弁当も 席替えも陸の孤島 ひとりこそ一人前とこそこそ食う 拒んだはずの賑わいを BGMにしていたこと さすがにイヤホン越しに嫌でも気づく カラスがつつくゴミ袋を眺めて 「取り繕うのやめて」 すぐ浮かぶ美辞麗句 港区価格のランチたまには背伸びして 食うにせよ松屋で食うにせよ 同じ屋根の下では一族 鳥貴族いけば誰も安く釜にありつく ための節約は誰よりも心が割りを食う 昼に子を抱く空き地で夜大人が米を炊く おかずにはならないが報連相の種も蒔く 花が咲く 桜と紅葉を捌く 入るナイフ参るほどグロテスク 全く刺激的なのはFPSかレシピですか いつか血肉化するのは情報も同じ こんがりトーストに塗るジャムにも流れる血 苺一会チョイスしたあなたが私のお家 醤油ペロペロした夜に向かいにいた友達 まだ名前を言えた頃の祖母がくれた臍餅 祖父が最期まで手をつけずに終わった鶏肉 嫌いな理由も知らず覆水盆に返らず しかしこぼれた記憶を啜ってでも肥え抜く 数に比例するなら度を越えた酒もいただく そしていつかシェフが俺たちの腹わたを捌く お仲間はお腹周りで繋がると勘付く チェーン店が破竹の勢いで広がると聞く 松屋あの世店でやっと会えた君と飯を食う |