LIVE REPORT

チョーキューメイ ライヴレポート

チョーキューメイ ライヴレポート

【チョーキューメイ ライヴレポート】 『チョーキューメイの超ワンマン』 2022年7月10日 at下北沢ReG

2022年07月10日@

撮影:久保寺 美羽/取材:峯岸利恵

2022.07.16

チョーキューメイにとって初のワンマンライヴとなる『チョーキューメイの超ワンマン』が、7月10日に下北沢ReGで行なわれた。MBSドラマ特区『あせとせっけん』とのタイアップに加え、6月には1stフルアルバム『するどいささくれ』をリリースするなど、精力的に活動をしている彼ら。本公演はこれまでの2年間分の活動を総括する内容であったと同時に、もっと広いシーンへ飛翔していきたいというエネルギーを強く感じるライヴだった。

深いお辞儀をしながら、空閑興一郎(Dr)、れんぴ(E.Pf)、藤井ごん(Ba)、麗(Vo&Gu& Vn)の4人が順にステージに登場。ソールドアウト公演ということもあり、大勢のファンが期待に満ちた温かい拍手で彼らを迎えた。そして、空閑のドラムを合図に「落下星」をプレイ。豊かさと浮遊感のある麗のヴォーカルが、会場の空気を掌握したのを肌で感じた。そこから、藤井のベースラインが躍動感を生み出すセンチメンタルソング「たいむかぷせる」、麗のバイオリンの音色やれんぴの奏でるピアノの調べがドラマチックなメロディーに深みをもたらす「ユウ」へと続ける。テンション高めの楽曲で勢い良くスタートを切るのではなく、自分たちが培ってきた世界観を提示し、空気感を構築することで、自分たちもお客さんも音楽の中に没入させていく――チョーキューメイはそこに重きをおいたライヴをするバンドだということが、この冒頭3曲で分かった。

そこから空気を一変させたのは1stフルアルバムにも収録されている「She Side Blue」。演奏前に紡がれた麗のポエトリーリーディングがプロローグのように響き、オーディエンスの意識を物語の中へと一気に引き込む。海を想起させる青い照明の中で、たまに笑顔を零しながらアイコンタクトを取りつつ楽しそうにプレイしていくメンバー。その光景は心地良い緊張感の中にある、彼らの高揚感が伝わってくるシーンでもあった。

MCでは麗が今回のイベント名になぞらえて“チョー楽しんでいきましょう!”と声をかけ、夏の暑さでコンビニで買ったチョコレートが溶けてしまったという話を踏まえつつ、“チョコがとろけるような甘い曲”というラブソング「貴方の恋人になりたい」を披露。ピンク色の照明の中で鳴り渡るユーモアと可愛らしさが詰まったメロディーに、会場からハンドクラップが起こる。恋心が誘発するドキドキ感や相手の行動次第でコロコロ変わる気分や表情。そういった恋愛あるあるをテンポの変化や鍵盤がもたらすポップさで表現していく。そうしたキュートな一面も見せつつ、続く「37.2」と「リンカーネーション」ではまたさらに空気を一新。曲が進むにつれてメロディーの厚みにも麗のヴォーカルにも熱が帯びていく「37.2」と、叙情的かつダイナミックな展開でオーディエンスを圧倒する「リンカーネーション」は、まさに圧巻のひと言。心をダイレクトに掴むような迫力の演奏をしつつも、MCでは新メンバー(?)としてミッフィーのぬいぐるみをステージに登場させていることや、最近の出来事をマイペースに話し出すなど、気負いのない自由なトークを繰り出すのだから面白い。

メンバー全員のソロを交えたクールなセッションをきっかけにして後半戦をスタートさせると、メロディーの強さと麗の音域の幅広さが強く輝く「孵卵」を投下。ここから空閑と藤井が退席し、れんぴと麗のふたりで3曲目に演奏した「ユウ」の最新バージョン「ユウ(するどいささくれ)」を届ける。麗が18歳の時に作った「ユウ」を、20歳を迎えた今の自分で再表現したいという意図の下で作られたもので、親しい友人と自分との間に生まれた擦れ違いや、当時抱いていた心情をリアルに描くこの楽曲について、麗は“自分にとって思い入れの強い曲”であると表明した。作品というものは作った瞬間から過去になってしまうことや、自分自身も年を取っていくという必然性を理解しつつ、“それでも今、自分たちができるリアルな表現とは何か?”を追求し、楽曲との齟齬を減らそうとする取り組みは、チョーキューメイというバンドの真面目さを物語っているように思う。そんな確固たる意志の上で紡がれる歌詞は原曲とは異なる大人びた印象を与えたし、れんぴの荘厳な演奏と麗が弾くヴァイオリンの音色が、18歳から20歳に至るまでの2年分の成長を物語っているように思えた。

そこから一気にラストスパートをかけるようにタイトなドラムが牽引する「湖が見えた!」や“みんなが好きな曲!”とのコールからの「ラブソング」(この曲のみ撮影がOKとなった)、《欲しい物は奪うだけ》というフレーズが力強く響くソリッドな「おやすみパパママ」、誰しもの心に宿る心象風景に訴えかける哀愁と瑞々しさが心地良い「白い坂道をくぐったら」と続け、ラストは「3月の花嫁」で堂々と華やかに締め括った。

アンコールでは麗が“温かい空気感の中で、安心してライヴができた”とオーディエンスに感謝を告げつつ、本編を終えた感想として、れんぴは“寂しい”、空閑は“楽しかった”、そして藤井は親指を高らかに掲げてグッドサインを作り、今の気持ちを表現した。そんな和やかな雰囲気をさらに彩るように7月20日に配信リリースとなる新曲「心を照らせ!」と「涙と羽根のピアス」の2曲を披露。ドラマタイアップ曲でもある「心を照らせ!」は今までのチョーキューメイにはなかったジャズのエッセンスを織り交ぜられたポップチューンで、彼らのさらなる飛躍を感じさせる楽曲だ。

今回のライヴにて9月11日にShibuya eggmanにて、ポップしなないでとレトロリロンの2組を迎えての、バンド初の自主企画ライヴ『チョーキューメイ presents 「忘れた頃にやってくる」』の開催が発表された。初のワンマンライヴからの初の自主企画と初モノが続く彼らのフレッシュな活動に、今後も注目していきたい。

撮影:久保寺 美羽/取材:峯岸利恵

チョーキューメイ

チョーキューメイ:2020年に結成し、9月に下北沢Daisy Barにて初ライヴと同時に1stシングル「教えて」をリリース。21年5月には1stEP『約束に守られない』(CDパッケージ)を限定発売、同年11月には2nd EP『いたくないイヤリング』を発表した。22年2月に「3月の花嫁」がMBSドラマ特区『あせとせっけん』のオープニング主題歌に抜擢され、同曲も収録した1stアルバム『するどいささくれ』を同年6月に発表。7月10日には、下北沢ReGにてバンド初のワンマンライヴ『チョーキューメイ 初ワンマンライブ ”チョーキューメイの超ワンマン”』を開催(チケットは完売)。

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 1

    1.落下星

  2. 6

    6.37.2

  3. 8

    8.“???”

  4. 9

    9. 孵卵

  5. 11

    11.湖が見えた!

  6. 12

    12.ラブソング

  7. 14

    14.白い坂道をくぐったら

  8. 16

    <ENCORE>

  9. 17

    1.心を照らせ!

  10. 18

    2.涙と羽根のピアス

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