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蒼井翔太 ライヴレポート

蒼井翔太 ライヴレポート

【蒼井翔太 ライヴレポート】 『蒼井翔太 LIVE 2021-2022 WONDER lab. coRe』 2022年2月12日 at 東京ガーデンシアター

2022年02月12日@

撮影:上飯坂一、小境勝巳/取材:清水素子

2022.02.26

歌もステージングもビジュアルも、まさしく変幻自在。コロナ禍でのツアー中止等も経て、実に約3年振りとなった有観客ツアーで実感したのは、そんな蒼井翔太というアーティストの“coRe”...つまり“核”だった。

“蒼井翔太 LIVE 2021-2022 WONDER lab. coRe”とのタイトルを掲げ、昨年12月にスタートしたツアーの最終日。“いくよ、東京ファイナル!”とステージ2階に姿を現すと、6人のダンサーとともに「Tone」から「ブルーバード」と心地良いダンスナンバーを続けて、場内を“蒼”の世界に。そこにロックチューンの「Eclipse」が続くや、青から赤へと瞬時に切り替えたペンライトの光で、声の代わりに想いを届ける客席の様子に、ツアーで培ってきたファンとの信頼関係を感じさせられる。MCでは3年振りのツアーを実現させるために尽力した人々への感謝を述べ、“今日は短い時間の中で精いっぱいファイナルに懸けた全ての想いを歌って届けたい。同じ時間、感情を共有していきましょう”と宣言。ちなみにオープニングの衣装は2020年に中止になったツアーで着る予定だったものとのことで、そんな3年間の“かけら”をひとつひとつ、今回は拾い上げるようなツアーでもあったのかもしれない。

「絶世スターゲイト」で《一緒に歩んでゆこうよ》《不可能はない》とドラマチックに歌い切ると、「タッチ ツー テイク トリコ」ではキュートにペンライトを振ってオーディエンスを煽動。バトル形式のダンサー紹介を挟んでは、モノトーンのエレガントな衣装に着替えてバラードの「Powder snow」を贈り、その熱唱がLED上で舞い散る雪と呼応して、主人公の“想い”を熱く切なく届ける。続く「月下の華」では雪の代わりに大きな月が浮かぶ。《今宵月に照らされ》という歌詞どおりの情景で、愛の物語をフォークロアなサウンドに乗せて綴り、オーディエンスの目と耳を釘づけにしてみせた。

しかし、“1秒1秒を大切にみんなと共有したい。自分の声を最大限に活かして、みなさんの心と生活に寄り添っていきたい”と語ってからは、「Checkmate」に「硝子のくつ」とダンスチューンで躍動。さらに“僕の大好きなカラーの曲を。赤、青、そして紫に染め上げてください”と贈られた「MURASAKI」では、“参りましょう”と始まった低音ヴォーカルと和装のダンサーを従えたエレガントな身のこなしで観る者を魅了する。アウトロで放たれる高音のフェイクも圧倒的で、歌詞に合わせて赤から青、そして紫へと変わる満場のペンライトのごとく、蒼井翔太のパフォーマンスは、まさしく百花繚乱だ。

“声を出せない今だからこそ、みなさんも参加できる何かを”と、オーディエンスがクラップを合わせるリズムゲームで楽しんだあとは、ナポレオンジャケットにスカートを組み合わせた彼にしか着こなせない装いで、ヘヴィロックな「零」を叫び轟かせて場内を一面の赤に。一転、ダンサブルな「flower」では色とりどりのカラーが客席に瞬いて、LEDに咲いた花々とともに華やかな情景を作り上げる。スカートを外してダンサーたちと見事なフォーメーションダンスを見せたユーロビート曲「UNLIMITED」で拍手を受けると、“今回のツアータイトルは“変わらず変わる”というモットーを体現したもの。変わることのない“coRe”を、この場で再確認したかった”と説明。そして「give me □ me」に「Shake Shake! Together!」と、一緒に踊れるポップチューンで会場をひとつにしたクライマックスは、“いつかみんなの声が聴ける日を心待ちにしながら、これからも歌っていきたい”と伝えた想いの表れだったに違いない。

「奪えないもの」の朗々たるアカペラで幕開けたアンコールでは、全英詞に熱い想いを込めた「Existence」に“またきっと再会しましょう。ここからがスタートです!”と歌い始めた「START!!」と、自身が作詞作曲したナンバーを揃えて、ここから新しい一歩を踏み出すのだという強い決意を表明。最後に“会いに来てくれてありがとう。出会ってくれてありがとう。見つけ出してくれてありがとう。大好きになってくれてありがとう”と、ステージを去るギリギリまで手を振り続けた彼の愛情深さは、会えなかった日々の長さゆえかもしれない。しかし、これからどれだけ“会える”機会が増えたとして、その愛の濃度が増すことはあれど薄まることはないだろう。アーティストとしての彼の変わらぬ“coRe”は、そんな誠実さの中にこそある。そう感じられた一夜だった。

撮影:上飯坂一、小境勝巳/取材:清水素子

蒼井翔太

アオイショウタ:2011年声優デビュー。主な出演作として『うたの☆プリンスさまっ♪』シリーズの美風 藍役、劇場版『美少女戦士セーラームーンEternal』(フィッシュ・アイ 役)TVアニメ『2.43 清陰高校男子バレー部』(棺野秋人 役)TVアニメ『乙女ゲームの破滅フラグしかない悪役令嬢に転生してしまった...』(ジオルド・スティアート 役)など。13年6月にミニアルバム『ブルーバード』でアーティストデビュー。19年1月~2月に掛けて自身最大規模となるライブツアー『蒼井翔太 LIVE 2019 WONDER lab. I』を全5都市にて7公演行った。声優のみならず、アーティスト、俳優としても活躍中!

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 1

    〜OPENING〜

  2. 8

    7. 月下の華

  3. 12

    〜BRIDGE MOVIE〜

  4. 16

    14. give me □ me

  5. 18

    <ENCORE>

  6. 22

    ※□は白抜きハートマーク

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