LIVE REPORT

原因は自分にある。 ライヴレポート

原因は自分にある。 ライヴレポート

【原因は自分にある。 ライヴレポート】 『仮想げんじぶ空間: case.3-多世界解釈-』 2021年1月23日 at 配信ライヴ

2021年01月23日@配信ライヴ

撮影:笹森健一/取材:吉田可奈

2021.01.28

原因は自分にある。(以下、げんじぶ)が1月23日、オンラインライヴ『仮想げんじぶ空間:case.3-多世界解釈-』を開催した。げんじぶの変則的かつ世界観がしっかりと仕上がっている楽曲には、映像と証明とパフォーマンスで作り上げられるオンラインライヴはとても相性が良く、彼らの魅力を最大限に表現することができる。今回はすでに発売されている1stアルバム『多世界解釈』からの楽曲が披露されると期待がされていたため、より観ている人たちの期待も高まっていたことだろう。

ミラーボールに青い光が差す中、メンバーそれぞれが登場。成長期をリアルに迎えている彼らは、ライヴごとに大人の魅力がプラスされ、色気をまとい、毎回ドキッとさせられる。そして、全員が揃ったところで照明は赤とピンクに切り替わり、軽快なピアノと怪しげなバンドサウンドが絡み合う「柘榴」がスタート。ジャケットやブルゾンなど、全員が大人びた衣装に身を包み、一列になり、《堕落したいお年頃》と歌い上げると、長野凌大が片方の口角を上げ、意味ありげに微笑む姿が目に焼きつく。

《2択 2択 2択》というキャッチーなメロディーとともにメンバーそれぞれがアニメーションに切り替わる印象的なイントロから始まった「嗜好に関する世論調査」では、疾走感あふれるAメロ、Bメロ、サビとはまったく違う空気感を持つダンスブレイクで艶やかで滑らかなパフォーマンスで魅了。いつの間にか少年から青年へと成長した末っ子、桜木雅哉のパフォーマンスにもハッとした驚きを感じさせてくれる。まさに殻を破った彼がこのライヴでは観られた気がした。

曲間をパフォーマンスでつなぎ、そのまま「シェイクスピアに学ぶ恋愛定理」へ。笑顔でそれぞれにパートを渡す姿はとても愛らしい。これまで観せていた表情とは一転、素顔を感じさせるパフォーマンスはさすが。白いジャケットが眩しい小泉光咲は一瞬たりともカメラ目線を外さず訴えかける力がとても強い。この表現力もライヴを重ねるごとに育っていったものだろう。不意に訪れるこの曲のキラーポイント、投げキッスのパフォーマンスで倒れた人も多いはず。そんな破壊力を持つのも彼らの大きな武器だ。

YOASOBIのAyaseが楽曲提供をした「スノウダンス」は、これまでのげんじぶの楽曲にはないタイプの楽曲であり、パフォーマンスを披露。メンバーで一番の高身長であり圧倒的なスタイルを持つ吉澤 要は、比較的高音ヴォーカルが多い中でグッと低い声を持ち、その存在感が際立つ。センターに立つだけで一気に雰囲気が変化し、グッと大人なグループへ感じられるようになるからこそ、今後の彼の成長が楽しみになるようなステージだった。

オレンジの光がまるで陽炎のように光る美しいステージの上で歌うのは「Up and Down」。切なさと美しさの中で夏の恋の行方を歌うこの曲を体現するかのような武藤潤の色気が伝わってくる。絞り出すように歌う姿がグッと胸を掴む。そして、ライヴハウスの2回に移動したメンバーたちが妖しい赤の世界でパフォーマンスするのは「In The Nude」。吉澤の口に持ってこられた人差し指に目を奪われていると一気に彼らに囲まれる。この演出もオンラインならでは。どちらかと言うと愛らしい印象が強い杢代和人だが、この曲では怪しげな雰囲気を醸し出し、その表現力の高さを見せつけてくれた。また、映し出される歌詞の言葉とキャッチーなメロディーが交錯して視覚的にも聴覚的にも圧倒的な刺激をくれる「嘘から始まる自称系」では自信に満ちた大倉空人のダンスが印象的。常に目を引くのは大きく、自分を観てほしいという気持ちがしっかりとダンスにあふれているからだろう。

MCでは年越しのエピソードを披露。桜木は年を越える前に長野とビデオ通話をしていたことを報告。10秒前からカウントダウンをして年越しの瞬間に電話越しで一緒にジャンプをしたことを嬉しそうに話すと、杢代から“何が楽しいの?(笑)”とツッコまれる一面も。さらに杢代が“2020年は悔しくて悲しい年でしたが、今年は挑戦、勝負の年。高い壁が経ったとしても、僕たちは手を離さないので、手を離さないでください”と話し、小泉が“君を想って歌います”と言いながら歌い始めたのは「ラベンダー」のピアノバージョン。一緒にいた愛した人を忘れられずずっと思い続けるというこの曲は、直接会えないけれど思い続けるファンへの人たちに届けるようなメッセージソングに思えたのは私だけではないはずだ。指先まで心を灯した繊細で美しいパフォーマンスは静かに、穏やかに、真っ直ぐに聴き手に届けようという想いに満ちていた。

曲ごとに違う表情を見せてくれたげんじぶだが、まだまだ成長の途中。彼らが“挑戦の年”と掲げるように、次に私たちの前に現れてくれる時、どんな挑戦を見せてくれるのか、成長を見せてくれるのか、楽しみで仕方がない。

撮影:笹森健一/取材:吉田可奈

原因は自分にある。

ゲンインハジブンニアル。:2019年7月7日のデビューから1カ月、“BATTLE STREET”から一新し、“原因は自分にある。”という新たなユニット名に変貌を遂げる。“ある物事や、ある状態・変化を引き起こすもとになること。”という意味を持つ“原因”という言葉を肯定的にとらえ、この名前の響きのように、インパクトを与え続ける前衛的なユニットとして躍進し、新時代のエンターテインメントを生み出す。21年1月、待望の1stアルバム『多世界解釈』をリリース!

SET LIST 曲名をクリックすると歌詞が表示されます。試聴はライブ音源ではありません。

  1. 9

    9. ラベンダー(piano ver.)

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