中盤に入るとかわむらの“ワンマンならではで懐かしい曲でも”との言葉から、昭和歌謡的な雰囲気とかめがいの表情豊かな歌唱も聴きどころな「大正カゲキロマン」、途中から現れる8ビートに乗って恨みにも似た感情が告げられる「好きになったような気がしたんだ」が披露される。会場の雰囲気をパッと明るく変えるように“待ってました!”的な方も多かったと思しき「魔法使いのマキちゃん」では、キャッチーでポップなサウンド、キュートな歌、一緒に歌いたくなるフレーズが会場に一体感を育めば、かめがいの鍵盤ソロの間、かわむらが謎の徘徊。その行動が実は到来を指し示していたように、次曲「Life is walking」が披露され、前曲とは対照的にナイト感やウェットさ、不思議な浮遊感を場内いっぱいに漂わせた。また、巨大なミラーボールが回り、刹那さが会場に満ちる中、新作から「暗いね、ナハトムジーク」が歌われ、ダンサブルな「Creation」ではキックに合わせてライティングも明滅を繰り返す。