遥かなる想いかぐや姫 | かぐや姫 | 伊勢正三 | 南こうせつ | | 誰もが一度 川の流れを変えてみたいと 若くもえたあの日の唄が どこかで聞こえている にぎやか通りぬけ 裏通りの陰で ふっと足を止めたその時 いつも聞こえてくる 若い夢が 君のその手に育ち始めたら そっと愛を知った人へと わたしてくれるかい 小さなともしびが ひとつふたつ ともり 一人じゃないと知ったその時 明日が笑ってる はじける汗と風の匂いが 旅へと誘うから ぼくらのくつはいつも半分 すりきれているだろう 愛したあの人は 今どこにいるのだろう いつか君をむかえに行こう 約束はできないけど いつか君をむかえに行こう 約束はできないけど |
今はちがう季節南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 伊勢正三 | 南こうせつ | | 君と別れた夏は こわれた置時計 そして風を忘れた 小さな風鈴 ブロックべいに沈む 夕陽がさびしくて 痛む胸の中に すんでます秋が 君が笑ってる 君が走っている アルバムの中 一つ二つ三つ 思い出見つけ わざとむなしくなるのさ 何もかもが昔 今はちがう季節 そしてぼくの心も 変わってしまった 君と歩いた道を 一人歩いてみる 低い丘を回って 海に続く道 青い青い海も 夏にさよならして 誰も乗らないボートが 砂に並んでる 狭いあの部屋で 毎日暮らしたいと 口ぐせのように いつも言ってたっけ そんな君だから 好きなままでいたいの 沖を走る舟は 白い波を残し 水辺で遊ぶ鳥は どこへ帰るのか |
眼をとじてかぐや姫 | かぐや姫 | 山田つぐと | 山田つぐと | | あなたが首を かしげて見ていた あの銀杏はもう すっかり黄色 落葉は あなたの足跡消して 私に何も残さない 二人には通り過ぎた季節 想い出は私だけのもの 哀しさも私だけのもの 今一人黄金色の中 落葉の音は あなたの声のよう ふりむいてしまう 私に何もない ただ眼をとじて この木の下で 待ってます ルルル……… |
赤ちょうちんかぐや姫 | かぐや姫 | 喜多條忠 | 南こうせつ | | あのころふたりの アパートは 裸電球 まぶしくて 貨物列車が 通ると揺れた ふたりに似合いの 部屋でした 覚えてますか 寒い夜 赤ちょうちんに 誘われて おでんを沢山 買いました 月に一度の ぜいたくだけど お酒もちょっぴり 飲んだわね 雨がつづくと 仕事もせずに キャベツばかりを かじってた そんな生活が おかしくて あなたの横顔 見つめてた あなたと別れた 雨の夜 公衆電話の 箱の中 ひざをかかえて 泣きました 生きてることは ただそれだけで 哀しいことだと 知りました 今でも時々 雨の夜 赤ちょうちんも 濡れている 屋台にあなたが いるような気がします 背中丸めて サンダルはいて ひとりで いるような気がします |
なごり雪かぐや姫 | かぐや姫 | 伊勢正三 | 伊勢正三 | | 汽車を待つ君の横で ぼくは時計を気にしてる 季節はずれの雪が降ってる 「東京で見る雪はこれが最後ね」と さみしそうに 君がつぶやく なごり雪も 降る時を知り ふざけすぎた 季節のあとで 今 春が来て 君はきれいになった 去年よりずっと きれいになった 動き始めた 汽車の窓に 顔をつけて 君は何か 言おうとしている 君の口びるが 「さようなら」と動くことが こわくて 下を向いてた 時が行けば 幼ない君も 大人になると 気づかないまま 今 春が来て 君はきれいになった 去年よりずっと きれいになった 君が去った ホームに残り 落ちてはとける 雪を見ていた 今 春が来て 君はきれいになった 去年よりずっと きれいになった |
雪が降る日に南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 伊勢正三 | 南こうせつ | | 雪が降るよ やまずに昨日から 昨日から 窓の外は何にも見えない 見えない 約束を信じてた 約束を信じてた 昨日の夢は 終わるよ 雪の上に 足跡続くよ 続くよ 私を連れてゆこうと あなたは言ってたのに 足跡を追いかけて 足跡を追いかけて 昨日の夢は 終わるよ 昨日の夢は 終わるよ |
加茂の流れに南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつとかぐや姫 | 南こうせつ | 南こうせつ | | やさしい雨の 祇園町 加茂の流れにうつる あなたの姿 あれは初めての恋 見つめあう 見つめあう瞳 あなたとふたり おぼろ月夜の 清水で 初めてふれたあなたの白い指 あれははかない約束 涙に 涙にぬれたあなたとふたり 桜散る散る 嵐山 何も言わずに別れて あなたはどこへ あれは去年の今頃 想いは 想いはつのる あなたとふたり |
君がよければかぐや姫 | かぐや姫 | 山田つぐと | 山田つぐと | | 君の得意な 話をきく季節がくる 毎年1度だけ ひどく気どってさ そうさ僕のまわりは いつも変らないよ 猫が3匹生れたくらいでね ここには にぎやかなところはないけれど 今年も又2人で 釣に行こうか 君がよければ 僕のレタス畑なんかも 見て欲しいから 君の好きな 杏子のジャムの 今が一番うまい時なんだ ここの暮しも まんざら悪くないよ いつでも 僕は待っているから |
わかれ道かぐや姫 | かぐや姫 | 伊勢正三 | 伊勢正三 | | ああ 君の長い髪と 胸のふくらみを 愛して 時は流れた つい きのうまでは もうもどれない 道二つ 分れて 歩き始めて 別れたことに気づいた ああ ぼくの心の中に 寂しい椅子がある そう昔 君もそこに すわっていたんだね ああ 君といた頃は 誰にも 愛は一度 めぐると知っていたのに ああ 六本木の街に降る雨が 街ゆく人達の 肩を濡らして も少し早く ほんとの愛を知ってたらと 誰もが後悔しながら 歩いてる ああ 君がいた頃は 酒にも 飲まれることは なかったことに 気づいた |
22才の別れかぐや姫 | かぐや姫 | 伊勢正三 | 伊勢正三 | | あなたに「さようなら」って言えるのは 今日だけ 明日になってまたあなたの 暖い手に触れたらきっと 言えなくなってしまう そんな気がして……… 私には 鏡に映った あなたの姿を見つけられずに 私の目の前にあった 幸せにすがりついてしまった 私の誕生日に 22本のローソクをたて ひとつひとつがみんな君の人生だね って言って 17本目からはいっしょに火をつけたのが 昨日のことのように……… 今はただ5年の月日が 永すぎた春といえるだけです あなたの知らないところへ 嫁いでゆく私にとって ひとつだけこんな私の わがまま聞いてくれるなら あなたは あなたのままで 変わらずにいて下さい そのままで |