朝顔ながし

露の命を 朝霧に
泣けば涙で 眼は見えぬ
誰をたずねて 行く空の
娘朝顔 花の朝顔
いじらしや

琴の爪さえ はらはらと
雨になるやら ならぬやら
弾(ひ)けば情けの その糸の
つきぬ縁(えにし)の つきぬ名残りの
胸のうち

跡を慕うて 五月雨の
おつる水さえ せきかねて
娘心の 一筋に
呼ぶは千鳥か 啼くは千鳥か
大井川
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