ニューアルバム“回想型失恋ソング”の「井の頭線」をピックアップ!

バイバイが言えずに
二人いくつも電車
見送った日
泣きながらあなたの
姿を探した日
いつでもただ
あなたが好きだった

各駅停車はもうすぐ
思い出の駅に
停まるところ
日差しが暖かい
この井の頭線
「井の頭線」/藤田麻衣子

 恋するキモチを歌い紡ぐ女性シンガーソングライター“藤田麻衣子”が、12月2日にリリースした2nd アルバム「恋愛小説」はもう入手しましたか? 今作は、物語のようなラブソングに定評がある彼女ならではの<恋うた>を中心に構成されており、まるで短編小説集のような一面を持つことから「恋愛小説」と名付けられました。冒頭でご紹介したのは5曲目に収録されている「井の頭線」という楽曲。失ってしまった恋の記憶を“あの電車”の中でひとつひとつ思い出す“回想型失恋ソング”です…。

 曲のはじまりでは“あの頃”の、駅に向かうまでのドキドキや、改札で待っていてくれるあなたへのトキメキが歌われていますが、“やがて季節は巡り”最後の夜が訪れます。当時の自分には、相手を信じることも許すことも受け入れることも難しかったのです…。でも、“あなたとは別の道”を歩いてきた今の“私”だからこそ、思い出の電車であの日々を振り返り、暖かい日射しを感じることができるのかもしれません。また、その電車は“各駅停車”なので、思い出の駅に一駅、また一駅と近づきながらゆっくり回想をしている様子が伝わってきますよね!ちなみに藤田麻衣子の楽曲には「各駅停車」というタイトルの素敵なラブソングもあります♪

“夕日が差し込む 各駅停車
今朝までこの空 覆ってた雲も
遠くへ行った 外は澄んだ青

ブレーキかかるたび 眠る君が
僕の肩に少しもたれ掛かる
動けないまま でも迷惑じゃないんだ”
「各駅停車」/藤田麻衣子

 先日、日テレのニュース番組「every.キーワード」では、電車において“時間を買う”時代になっているという特集がされていました。鉄道各社が今、朝のラッシュ時に“確実に座って通勤”できる電車の導入を進めていること、人口減少に悩む自治体による「特急料金の補助」の動きも出てきていることなどが紹介されており、次々と“快適さや時間”がお金に換算される傾向になっているのが現代だそうな。でも、ゆっくりな“各駅停車”だからこそ感じることができる、お金に換算できない“想い”を音楽で楽しむのもイイですよね…♪

◆藤田麻衣子 メジャー2ndアルバム『恋愛小説』
2015年12月2日(水)発売
完全初回盤(CD+DVD+グッズ) VIZL-913 ¥5,300+税
通常盤(CD) VICL-64480 ¥3,000+税