2025年3月25日に“とた”がニューアルバム『Sebone -脊髄盤-』をリリースしました。さて、今日のうたではそんな“とた”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。最終回は、収録曲「螺旋」にまつわるお話です。自分を信じたい。自分で信じられるものを見つけたい。そう考えたとき、思い出した記憶は…。
作詞:とた
作曲:とた
ひとり暮らしをはじめて、もうすぐ3年が経つ。
白い床はゴミが目立つと知った。トイレットペーパーは意外と早く無くなるし、郵便物の確認は面倒くさい。
それから、信じることは簡単じゃないと分かった。この話をするには3年より更に遡ろうと思う。
私はクリスチャンホームに生まれて、幼い頃から信じるものを与えられてきた。手を引かれてすごーく大事に育てられてきたから、迷子になることもあまり無かったと思う。
だからこそ手を離れようとした時に、私は自分がどこにいるのか分からなくなっていた。
上手くいくことがあれば神様のおかげって唱えてきたからか、自分の成果もどこか他人事。人のことはだいたい好き。怒りたいのについ許したようなフリをしてしまう。
好きな私も、悩むような私も、辿ったらそれは受け取ってきたもので出来た癖みたいなものだった。
私、自分が選択をしてるって確かに思いたい。自分のことを信じてみたい。それから、信じられるものを自分で見つけてみたい。こんなことを言えばサタンに惑わされてるって思われるかもしれないけど。
ひとりになって2年が過ぎた頃にようやく気付いたことだった。
こんな単純なことなのに、目を見て話そうと思えば言葉が詰まる。だからアルバムをつくりながら、これは私のために歌わなきゃいけないことだと思った。
歌詞をノートに書き殴ってたら、急にあの日を思い出した。それは休み時間のトイレで、あの子が誰にも言えない痛みをスカートの下に書いてたことを知った。私は何もできなかった。きっとどこか同じだったのに。何もできなかったんだ。
3年が流れて今ようやく、私の言葉として歌えるようになった。私のために、あの日の私のために、あの子のために。
そして私とどこか同じところを見つけてくれたあなたのために。
螺旋の真ん中になるまで聴いてよ
<とた>
◆紹介曲「螺旋」作詞:とた
作曲:とた
◆ニューアルバム『Sebone -脊髄盤-』
2025年3月25日発売
<収録曲>
01.なんとも思ってない
02.滅亡
03.neko
04.五月病
05.あげない
06.脱毛
07.薔薇の花_Sebone
08.螺旋





