2024年12月18日にパンクバンド・Wiennersのアサミサエ(vo / key)が、ソロプロジェクト“iro(読み:イロ)”を始動しました。併せて、明るく煌びやかな多幸ソング「charm」と、感情に深く訴えかけるエモーショナルなスピリッツナンバー「幻より」を配信リリース。異なるテーマと雰囲気を持ちながらも、「自分を信じる力」の重要性を伝えるメッセージが込められた2曲となっております。
さて、今日のうたではそんな“iro”による歌詞エッセイを2週連続でお届け! 第2弾は新曲「幻より」にまつわるお話です。日々、自分と対峙する場面が多く、自分と向き合うことに疲れたあなたへ。iroが振りまく“ティンカーベルの魔法の粉”とは…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。
スマホからの方もパソコンからの方もこんにちは、iroです。
さて、前回はわたくしの1st singleより「charm」という楽曲について書かせていただきましたので、今回は「幻より」について書いていこうと思うのですが、つまるところこの曲は一体なんなのかと言いますと、いわゆる“ティンカーベルの魔法の粉”です。
それは、信じる心をもつと、どこまでも空を飛ぶことが出来るというもの。
例えば、『目を閉じて、自分を見つめてください』と言われたとき、みなさんはどんな自分が見えてきますか?
もちろん例外はあるものの、おそらくおおよその人が、鏡を見るように、自分と向き合う姿を想像すると思うのです。が、わたくしはいつからか自分を見つめようとすると、まず自分のつむじが見えるのです。そう、これはつまり上空から自分を見下ろすような視点。
「幽体離脱」
耳馴染みはあるものの、なんとも非現実的なこのワード。
しかしながらわたくしは過去に一度だけ、幽体離脱の経験があるんです。
とはいえ寝ている間の出来事なので、記憶も朧げ。あまり間に受けず、話半分程度で聞いていただけたら幸いです。
もう何年も前の話になりますが、一時期、耳鳴と金縛りに悩まされていて、毎晩のように金縛られ、その度に金縛りを解こうと、体を横に向けてみたり、腕を上げてみたり、しかしながらその努力も虚しく、体を起こそうと力を入れるほど、その倍くらいの力で、グンっと体に引き戻されてしまう。毎回この繰り返しだったのですが、ある日のことです、いつものようスーパー金縛りタイムの時間がやってきたので、「今日こそ…」と意気込んで、体をグンっと起こしたその時、なんということでしょう、体がふわ~っとゆっくりと浮き上がり、天井に背中が当たっているではないか。そして視線の先には眠る自分の姿。
初めての感覚、新たな視点。その後は確か、壁を伝うようにして、なんとか眠っている自分の近くまで行き、無事に融合できたような。
、、、おいおい、頭大丈夫かよ、、、
嘘言ってんじゃねえ、このタコめし野郎
というような声が聞こえてきそうですが、受け止めましょう(タコめし最高)。
この経験を境にいつからか、自分を見つめるときは向かい合うのではなく、上から、より俯瞰してみるという視点が養われたように思います。
まあ、現実逃避だと言われてしまえばそれまでなのですが、思うにですよ、多くの大人たちは日々の生活の中で自分と対峙するような場面が多くあるのではないかと。
朝起きて身支度をするときに鏡を見ることはもちろん。より深層の部分で。仕事をする上での自分のスキル。求められることに対する自分のレベル。仕事に限らず、いいパートナーであるために、いい親であるために、あるべき自分だったり。無意識の中で自問させられるような状況が多く、それはもう十分すぎるほどに、自分と対峙し、地に足をつけて生きているではないかと、私は思うのです。
この「幻より」という曲は、そんな自分と向き合うことに疲れたすべての大人たちに振りまく“ティンカーベルの魔法の粉”。
毎日休む暇もなく、追いかけてくるはチクタクと秒針、早起きは三文の徳と、わかっちゃいるけどやめられねぇ二度寝、昨夜のリールで見た丁寧な暮らしに憧れを抱き、まずは白湯からと改心するも、んなあるわきゃないぜ湯沸かしタイム、そして呼び声響くはお~いお茶。
やりたいことよりやらなきゃいけないことが積み重なり、いつしかワクワクすることだって忘れていたり、いなかったり、、こんな自分でいいのかと、ダメダメじゃないかと、時に思うのです。でもちょっと立ち止まって、目を瞑り浮遊し、自分を上から見下ろしてみてください。
この広ーい世界の中を懸命に過ごしているあなたはとてつもなく愛おしく、尊い存在ではないですか。
私はいつだってあなたがこんなに素敵だってことを証明したい。明日からまた地に足をつけ、胸を張り、より大きく踏み出せるために。そしてこの馴染みのない視点がスタンダードなものとして食い込み、浸透させることができたら、もっと世の中の自分自身に対する想いが豊かになるのではないかな、なんて思うのです。
『自分は高潔で崇高な存在である』
ここが生きる上でのベースで、そこに立ち返るためのアートであり音楽でありライブであると信じて、みなさんとどこまでも、より高く飛び回りたいのです。
ちゃんとお家まで送りますから。共に楽しみましょう。
ちなみに余談ですが、人生の3分の1は睡眠の時間に費やしているなんて言いますよね。3分の1って聞くとなんだか勿体無いように感じますが、しかしながらわたくしはこんなふうに眠っている間の夢や出来事からこうして新たな観点を得たり、思考したりして、楽曲に反映させることができていますから、眠る時間も一つの楽しみなんです。
人生は一度きり。
どうか皆さまがより充実した日々を送れるよう、ゆっくりと眠れますように。
最後に一つだけ言わせてください。
まじできるだけずっと寝てたい。
<iro>
◆紹介曲「幻より」
作詞:iro
作曲:iro
作詞:iro
作曲:iro
【プロフィール】

アーティスト写真 photo by Tatsuya Kawasaki (Instagram:@kawasaki1988)
パンクバンド"Wienners"のVo.Key.アサミサエのソロプロジェクト"iro"。
天性の歌声で独自の世界観を体現する、"iro" 。
かわいらしさと女性らしさを兼ね備えた、芯のある声で、心地よいメロディーラインに乗せて紡がれる言葉は、"現代"を生きる人たちに対するメッセージを感じさせる。
"iro"の由来は、「歌うことは塗り絵のようであり言葉に色をつける感覚であることから。感情は色で例えられることも多く、色が人の真理に影響を与えることから、人の心に色をつけるように歌い、感情を動かしたいという気持ちを込めて。」
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