紡いで来た軌跡に恥じないような生き様を君に見せたい。

 2023年12月27日に6thフルアルバム『RABBIT-MAN II』をリリースしました。今作には、すでにライブで披露されている新曲「どうやって君を奪い去ろう」「怪盗Y」を含む12曲を収録。ハイテンションなナンバーや、じっくり聴かせるバラード、遊び心の詰まった楽曲が詰め込まれております。
 
 さて、今日のうたコラムではそんな“椎名慶治”による歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回が最終回。綴っていただいたのは、アルバムタイトル曲「RABBIT-MAN II」にまつわるお話です。今から13年前に生まれた「RABBIT-MAN」からこの歌にたどり着くまでの軌跡とは…。ぜひ2曲の歌詞を読み比べて、ラビットマンの生きざまを感じてみてください!



2010年6月に自分の中で圧倒的占有率を誇った看板を下ろした。
それを埋める事なんて出来るわけはないが、それでも前に進んで行くしかない。
鉄は熱いうちに、動くなら早いうちにと同年11月に個人名義のプロジェクトを走らせる。
そして翌年2011年卯年、年男の手により「寂しいと死んでしまう」と頼りにならないヒーローが誕生させられる。
その名も「RABBIT-MAN」。
個人名義初のフルアルバムの表題曲だ。
占有率高めの看板の代わりに新たに看板となり得るチカラを持った曲に仕上がった。
これは当時のディレクターに感謝。
と言うのも新たな看板になればいいなぁって思って作った作品ってわけでもなかった。
もっと言えば元々は違う歌詞で書き上げて終わっていた。
それを当時のディレクターが、「この曲はお前の看板になるぐらい強い曲。今の歌詞だとアルバムの1曲でしかないけど、もっと牽引出来る曲になる」と。
そう言われたらチャレンジせざるを得ない。
既に書き上げた歌詞が悪かったわけじゃない、でも看板にする為に書き直す。
改めて0から歌詞を。
きっと俺も悪くないけどシックリ来てなかったんだろう。
そう、ここ、この時に産まれたヒーローの名前が「RABBIT-MAN」。
アルバムの1曲でしかなかった曲がアルバムの中心になり、MVのチカラも借りて更に浸透していった。
そしてライブで披露するたびに大いに会場を沸かす曲へ進化。
自分の予想以上に。
それが13年前。
 
そこからは本当に色々な形で音学をさせてもらった。
音を学ぶ。
個人名義になってからの方が学ばなければいけない事が多かった。
如何に温室育ちだったのかを身をもって痛感させられる日々。
だけどその経験を経て、改めてしっかり音楽、音を楽しむ事が出来るようにラビットマンは成長していった。
卯年に本格的にスタートした個人名義のプロジェクト。
有難い事に干支が一周してもまだ俺は歌っている。
そんな感謝の気持ちを、自分が音を学び、音を楽しんだこの軌跡を一つの作品に集約させた。
それが今回の「RABBIT-MAN II」。
自分の中での疑問や本音、そして宣誓、あの頼りにならなかったヒーローのその先を描いた。
ここから踏み出す一歩は更に責任をしっかりと感じながら、それでも誰よりも音を楽しみながらまだ見ぬ希望へと。
 
飛べなくたって走れなくたっていい
思いだけ切らさぬように
紡いで来た軌跡に恥じないような
生き様を君に見せたい
最後の最後までさ
(RABBIT-MAN II より抜粋)
 
コレは俺なりの誓約書なのかも。
重苦しくならない程度に胸にシッカリと刻んで歩いて行こうと思う。
 
最後に、前作の「RABBIT-MAN」の歌詞と見比べてみると幾つか共通のワードも散らばっており、時の流れもワードの使い方から感じられるように工夫したつもりです。
ラビットマンが生まれたあの日から12年の中でどう戦ってきた、生きてきたのか、その辺りも注目してもらえたらと。
 
そしてこの先のラビットマンも是非応援してください!
なんせ寂しいと死んじゃうので(笑)。
 
今回も歌ネットにてコラムを書かせてもらい、改めて自分の歌詞と向き合う良いキッカケになりました。
とても楽しかったです!
ありがとうございました!
 
<椎名慶治>



◆紹介曲「RABBIT-MAN
作詞:椎名慶治
作曲:椎名慶治・山口寛雄

RABBIT-MAN II
作詞:椎名慶治
作曲:椎名慶治・宮田'レフティ'リョウ

◆6thフルアルバム『RABBIT-MAN II』
2023年12月27日発売

<収録曲>
01:Shout it Out
02:Oh Yeah!!
03:どうやって君を奪い去ろう
04:BLACK or BLACK
05:そりゃないぜ
06:RABBIT-MAN II
07:Miss Regret
08:ジレル
09:予告状
10:怪盗Y
11:ただ
12:優しさなんかじゃないんだってば
13:醜態成