どういうわけか君には辿り着けない。

 2023年7月26日に“坂口有望”がNew Single「URL」をリリース!タイトル曲はTVアニメ『ホリミヤ -piece-』エンディングテーマ。伝えたくても伝えられない一途な想いを“URL”というキーワードからストーリーに仕立て、切なさが入り混じった感情をポップなバンドサウンドにのせたラブソングとなっております。さらにカップリングには3月に配信した「下克上」に加えて、新曲「せかいいち」を収録!
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“坂口有望”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第1弾です。綴っていただいたのは、今作のタイトル曲「URL」にまつわるお話。TVアニメ『ホリミヤ -piece-』エンディングテーマを書き下ろすにあたって、蘇ってきたとある思い出とは…。みなさんにも「知らない憧れの世界」ってありませんか?



高校の時、授業でたまに使ったパソコンルーム。生徒の前に1人1台ずつあるスクリーンに、先生が資料を写しながら説明をする。たまに、不良な生徒が自分で画面をいじってネットを閲覧しはじめる。わたしは、その不良だった。あぁ、あの時の先生、このエッセイ読みませんように。時効だから。まじで。
 
似たような毎日。今思うと、高校生活は尊くて戻りたくて仕方がないけれど、当時はここじゃないどこかへ行きたい、という願望が常にあった。だからこそ、中二でライブハウスに飛び込んでいるのだけど、いつだって、自分の「知らない憧れの世界」へ身を乗り出したかった。可愛いもので、その漠然とした欲望を丁度よくみたしてくれるのがGoogleのストリートビューであり、ネットサーフィンだった。
 
少し話は脱線するが「ネットサーフィン」という言葉を発明した人に会えたら、お茶をご馳走したい。こっちは半ば惰性でネットをうろちょろしてるのに、次々とやってくる情報の波にかっこよく乗り移るイメージの「サーフィン」という言葉で形容してくれてどうも有難うございます。そう、私たちは、放浪者ではなくサーファーなのだという気分にさせてくれる。どうも有難うございます。
 
今回、「ホリミヤ -piece-」へ1曲を書き下ろすにあたって、ふと、そんな思い出が蘇り、堀さんにとっての「知らない憧れの世界」こそが宮村くんだったのではないかと思った。
 
手のひらの中の画面とにらめっこしなから、多種多様なリンク先に飛んでみる。しかし、そこに大切な君がいない。今や、どんな知識だって簡単に手に入る情報社会になってしまったけれど、どういうわけか君には辿り着けない。そんなもどかしさを、うまくサビの歌詞に落とし込めたと自負している。自負ではないな、母がそう褒めてくれた。嬉しい。
 
というわけで、何らかのURLをタップして、このエッセイに飛んできてくれたみなさん。今度は、ライブチケットの購入ボタンを押してごらん。あなたの目の前にわたしが歌いに飛んでいくわよ。宣伝下手かよ。全国47都道府県ツアー「全国声波」、お待ちしています!笑笑苦笑
 
<坂口有望>



◆紹介曲「URL
作詞:坂口有望
作曲:坂口有望


◆New Single「URL」
2023年7月26日発売
 
<収録曲>
1. URL
2. せかいいち
3. 下克上
4. URL(Instrumental)
5. せかいいち(Instrumental)
6. 下克上(Instrumental)