Ice or Hot?

 聞くひとの心を捉えて離さない、染み入る歌声と歌詞が多くのリスナーを惹きつけるシンガーソングライター・新山詩織。そんな彼女が2023年4月17日にメジャーデビュー10周年を迎えました! そして7月5日には10周年記念アルバム『何者 ~十年十色~』をリリースしました。
 
 さて、今日のうたコラムでは、メモリアルイヤーを記念して“新山詩織”による歌詞エッセイを1年を通じ、12ヶ月連続でお届け!その第8弾です。綴っていただいたのは、夏のお話。新山詩織がこの夏、心地よく楽しく過ごすために戦っているものとは…? 今回も音声版がございます。本人の朗読でもエッセイをお楽しみください。


新山詩織の朗読を聞く

夏になると
さっぱり冷たいものが欲しくなる
 
でもそれは
身体を冷やすものにもなりうる
 
今年はそれと戦っている。
 
カフェに入っても
コンビニやファミレスに行っても
 
アイスではなく「ホットで」
と頑なに自分に言い聞かせている。
 
というのも
昔から、極度の冷え性だった。
 
小学生の頃のトラウマといえば
あっつい真夏のプール授業で
 
みんなは「気持ちいい!」「最高!」と泳ぐなか
私はあまりに冷たくて毎回入るのに躊躇っていた。
 
なんとかプールインし、浸ってみるものの
(全く泳げないのもあるが)
寒くなって何度も外に飛び出した。
 
しまいには、授業が終わりクラスに戻ると
見事に唇は真っ青。というか真紫。
 
とある男子たちによくからかわれては
恥ずかしくて堪らなかった。
 
それからというもの、水に入ることに対する
ほんの少しの恐怖が私のなかに出来上がった。
 
友人からのプールや海の誘いもことごとく断ってきた。
 
でも今は
サーフィンする人たちに砂浜ではしゃぐ子どもたちや
缶ビールを開けて波に沈んでいく夕日をじっと眺めたり
友人のポートレート写真を撮ったり
 
ただただそこに居るだけで満足できる
自分なりの夏の楽しみ方、遊び方を知れたからいいのだ。
 
話が大分それたが…
 
とにかくこの夏は、いかに身体を冷やさず
心地よく楽しく過ごすかをモットーに
 
日々過ごしたいと思う。
 
 
<新山詩織>



◆10周年記念アルバム『何者 ~十年十色~』
2023年7月5日リリース

<収録曲>
1.何者
2.Spotlight
3.夜の魔法
4.あなたに
5.Hate you
6.Keep me by your side
7.約束
8.Free (feat. 山崎あおい)
9.I canʼt tell you (feat. 和久井沙良)