あおいちゃんへ、詩織より。

 2022年9月29日に“新山詩織”が盟友・山崎あおいとのコラボシングル「Free (feat. 山崎あおい)」を配信リリースしました。デビューから10年、同時期のふたりがこれまでのお互いを想って書き上げたナンバー。「たった一人でも一緒に乗り越えていける人がいれば、いろいろな壁に当たっても、何度でもそこから羽ばたいていける」という気持ちを新山詩織と山崎あおいが交互に歌っております。
 
 さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“新山詩織”と“山崎あおい”による文通的エッセイをお届け!【後編】では、新山詩織から山崎あおいへのお手紙です。ふたりのこれまでの軌跡と今、抱いている気持ちを綴っていただきました。コラボシングルと併せて、お楽しみください。



最近はちょくちょく会っているので、こうして改まって文章を交わすのは少し恥ずかしいです。でも嬉しい…お手紙ありがとう。初めての出会い、私も鮮明に覚えています。
 
あおいちゃんの言う通り、あの頃は「ギタ女」としてイベントやLIVEで同じステージに立つことが多くなり、たくさんのシンガーソングライターと出会う機会がありました。そんななか初めてあおいちゃんのステージを観た時「お友達になりたい」という素直な想いがブワッと溢れてきました。このまま終わりたくないと思い、終演後アドレスを渡しに行きました。なぜノートの切れ端だったのか、他になかったのかと、未だに思うところはありますが…受け取ってくれて本当にありがとう。
 
それから私が二十歳を越えたタイミングで、お酒を交わしに行くことが増えました。あおいちゃんオススメの中華料理屋さんに行き、絶品の酢豚を食べた日、慣れない紹興酒で酔った勢いでつらつらと心の内をぶつけてしまったり。夜遅くあおいちゃん宅にお泊まりし、朝には近場でモーニングをしたり。あおいちゃんの親友で、私も大好きな佐々木萌ちゃん(エドガー・サリヴァン/snowy)と3人でご飯を持ち寄り食事会をしたり(またしたいな…)。
 
友達のようでそれ以上のような、とても不思議な感覚でした。とにかくひとつひとつの時間が、あの頃の私の糧となって背中を押してくれました。
 
音楽活動を始めたばかりの頃は、どこかまだ学生時代の延長線上にいて、会う人会う人に嫌われないよう常に顔色を伺いながらいました。会話をするにも何かキーワードを探すことから始まり、咄嗟に変なことを言ってしまうことが多々ありました。そんな不器用にも程がある暗めな私をまるまる包み込んでくれる笑顔とユーモア。私が発する言葉を最後の最後まで「うんうん」と頷きながら聞いてくれるあおいちゃん。
 
がんばらなくていい、気を張らなくていい。ただ隣にいて他愛のない会話を出来るあおいちゃんの存在は、決して一言では表せないほど尊いものでした。それは今までも今も同じです。
 
シンガーソングライターだけでなく、作詞家・作曲家としても大活躍のあおいちゃん。正直、どんどん遠くに行ってしまうな…と、どこか寂しさも感じていました。同時に、簡単には手に入らない、人を惹きつける力に「もしあおいちゃんだったら」と想像したり羨ましさを感じることもありました。ただのないものねだりです。
 
何より、あおいちゃんを通じて、たくさんの人間味溢れる尊敬できる人たちと繋がりを持てたこと。新山詩織としての世界を優しく広げてくれたこと。人と関わることの楽しさを教えてくれたあおいちゃんには、心から感謝しています。
 
同じく、少し堅いラブレターみたいになってしまいました。ただただ、これからはもっとフリーな気持ちで音楽やお酒や美味しいご飯と共に、お互いに充実した時間を重ねていけたらこの上なく幸せです。
 
追伸:黒豆、大好き!              
 
詩織より



◆新山詩織コラボシングル
2022年9月29日リリース
作詞:山崎あおい
作曲:新山詩織

新山詩織 公式HP:http://niiyama-shiori.com/
山崎あおい 公式HP:https://yamazakiaoi.jp