2022年8月17日に“結花乃”が新曲「オーソドックス」をデジタルリリース!今作は唯一無二の存在である<君>への気持ちを“オーソドックスな言葉”で伝えるラブソング。MVは結花乃本人が制作。ダンスの振り付けは平村優子が担当しております。
さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“結花乃”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第2弾です。綴っていただいたのは、今年2月にリリースされた楽曲「かさぶた」にまつわるお話です。思い出せば痛くて苦しいのに、心にできた“かさぶた”を触らずにはいられない。そんなあなたにこの歌詞とエッセイが届きますように。
中学生の時、体育祭のムカデ競争の練習で転んだ傷が今も左膝に残ってる。ひどく転んだので大きなかさぶたになった後、肥厚して痕になってしまった。 痕にはなっているが痛みは全く無いので普段はすっかり忘れている。ふと気になった時や誰かに指摘された時、クラス一丸となって練習した中3の頃を思い出す。
楽しかった思い出ならいいけど、
心の傷は悲しさや寂しさから出来る事が大半だ。
思い出したくないから蓋をしたのに
その蓋すら気になって仕方ない。
蓋の下はあの日の傷がそのままあって
今もまだジクジク痛い。
心の傷も膝の傷痕みたいに
自分の一部として馴染む日が来るのかな。
今はまだ、そんな気が微塵もしない。
どこにいても、何をしていても
「今ここに君がいたら」を想像して悲しくなる。
なんて、
「悲しいポエムならいくらでも書けそうな気分だ!」
と書き溜めた自分のメモ書きを、
今は懐かしく思いながら読んでいる。
いつか笑って、あの頃の話にできる。
先人の知恵は本当で、時間はゆっくりと、でも確実に効く薬だった。
とはいえ、つらい期間が去るのをじっと耐えるのは大変だ。
時には悲しい気持ちにどっぷり浸かって抜け出せなかったり、
泣いてしまったり、感情の波は激しくて疲れてしまう。
一人で耐えるのは酷だから、
そんな背中に寄り添う曲になったらと思った。
優しく歌おう。語るように歌おう。
「かさぶた」はそうして作った曲だった。