シンガーソングライターとして活躍しながら、様々なアーティストへの楽曲提供も行い、ここ数年はピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている彼女。この連載でどんな言葉を綴ってくださるのでしょうか…!今回は第22回をお届けいたします。
第22回歌詞エッセイ
いきなり真夏日がやって来たかと思えば、翌日には12月並みの寒さだったりというジェットコースターのような気候も過ぎ去り、やっと待ち焦がれた本格的な秋の訪れであります。開け放した南北の窓から抜けて行く夕風がなんと心地良いことでありましょう。ていうか窓を開けていられるなんて。エアコンいらないなんて。そんな日が来るなんて。嬉しすぎ。とはいうものの、世の中的には何だかんだと気が抜けずマスクも取れずで、なかなかもどかしい日々ではありますが、それでも亀の歩みながら少しずつ光が差して来ていると信じたい。そんな気持ちにさせてくれる初秋。10月であります。皆さまいかがお過ごしでしょうか。
わたしはといえば、来月13日開催予定であるところのひーっさびさのバンドLiveの準備にそろそろ取り掛かかろうとしているところです。なにしろなにをおいてもともかくプログラムの曲決め。これがまあ悩むことこのうえなく。自分一人のピアノ弾き語りなら本番直前まで(さらに本番中でさえも、いや曲が始まってからでさえも)曲目変更可能ですが、バンドとなるとある程度事前に確定しなくてはなりません。リハあるし。楽譜書かなあかんし。なので今からきちんと準備しとかなあかんので、日々曲を並べて眺めたり鳴らしたりしてみては流れを考えているといったところです。
思えば前回のLiveは半年前の5月、その時は斎藤有太さんと2人での2台ピアノライブだったので(←むちゃくちゃ楽しかった)ワンマンとしては1年と10ヶ月ぶりなのです。そら悩むわ~。あれもやりたいしこれは外されへんしこれも意外とええかもやし、、、など。
だいたいにおいてわたしはLive全体を「ひとつのおっきな曲」のように捉えています。クラシックのオーケストラ曲のような感じというとわかりやすいでしょうか。正攻法的なところで言えば、たとえば全体を4つに分けて出だしの第1楽章はPOPでわかりやすく。続いて第2楽章はスロウ、第3楽章はちょっとハズして異国情緒だったり意外なものだったり、で第4楽章は総まとめ、の如き構成だったり。ラフマニノフのように何分かに1回の割合でなにがなんでも涙を促されるかのような展開を想定した構成であったり。モーツァルトのようにどこをとってもひたすら美しく全体がサビのようであったり。
等々ちょいと大仰に書いて参りましたが、そんなわたし自身の今度のLiveのテーマは「Happyそしてちょっと涙ホロリ」。であります。なんだかんだいっても人生っていとおしいな。なんだか胸の真ん中があったかいな。そんなふうに感じていただけるようなひとときが作れたらいいな。わたし自身も歌いながら奏でながらそんなHappyな思いに包まれながら心で涙ホロリとしたいな。
そのためには曲調的な流れももちろんだけれど、歌詞の内容もものすごく大事なのは言うまでもなく、です。イケイケでノリノリ(しょ、昭和っぽい表現、、、)だった毎日が次第にうまくいかなくなり、行き詰まりうなだれてヤサグレて涙も枯れ果てた頃、偶然出会った誰かの存在に救われて、まただんだんと前を向けるようになって、、、という物語のために4、5曲要することもあれば2、3曲のこともある。何なら1曲で行けるときもあったりして。なにより一番大切なのは聴いてくださる方の心が自然に自由に気持ちよく旅できること、なのでそのために日夜考察を重ねるのであります。それはとても幸せな時間です。
そんなわけでー、来月11月、1年10ヶ月ぶりのワンマンLiveに向けて邁進したいと思います。お心&お時間がお許しであればどうぞ御運びいただけましたら嬉しいです。そしていよいよあと2回となりましたこちらのエッセイ。来月もどうぞ皆さまお元気で、ぜひまたこのページでお会いできますよう楽しみにしております。
<川村結花>
◆information
東京・丸の内のジャズクラブ「コットンクラブ」にて
川村結花 Special Band Live
「25(+1)年目の4重奏」の開催が決定!
2021. 11.13.sat
[1st.show] open 2:45pm / start 3:45pm
[2nd.show] open 5:30pm / start 6:30pm
MEMBER
川村結花 (vo,p)
石成正人 (g)
有賀啓雄 (b)
玉木正昭 (ds,per)
詳細
http://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/yuka-kawamura/
◆プロフィール
川村結花(シンガー・ソングライター)
大阪府生まれ。東京芸術大学作曲学科卒業。1995年、アルバム「ちょっと計算して泣いた」でシンガーソングライターとしてデビュー。同時に作詞家作曲家として楽曲提供を行い、主な提供楽曲は、夜空ノムコウ(作曲)をはじめ2019年現在までに100曲以上。2010年「あとひとつ」(作詞作曲共作)でレコード大賞作曲賞を受賞。2017年、アルバム「ハレルヤ」をリリース。ここ数年は、提供楽曲の作詞作曲も行いながら、ピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている。
オフィシャルサイト:https://www.kawamurayuka.com
◆歌詞エッセイバックナンバー
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