川村結花

会えるのかなあ。会えるよね。次の世で。

 2020年にCDデビュー25周年を迎えた、シンガーソングライター・川村結花。今日のうたコラムでは、その記念企画として2020年~2021年の2年を通じてのご本人によるスペシャル歌詞エッセイをお届けしてまいります!更新は毎月第4木曜。

 シンガーソングライターとして活躍しながら、様々なアーティストへの楽曲提供も行い、ここ数年はピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている彼女。この連載でどんな言葉を綴ってくださるのでしょうか…!今回は第19回をお届けいたします。

第19回歌詞エッセイ:「星の果て

暑中お見舞い申し上げます。連日の猛暑にわたしはもちろん、我が家のワンコもお散歩帰りはヘトヘトにへばっております。なるたけ涼しい時間に行くのですがやはりどうしたって暑い。帰ってくるとゼーゼーハーハー。イヤほどわかってるのに何故そう毎日行きたがるのでしょうか。しかも後半ほとんど抱っこ、、、。彼女はフレンチブル←11キロ。どんなエクササイズやねん、と毎日参っております。

ところで。いきなりですがお好きな邦画は何ですか?ーって、そんなの考え出したらキリがないと思いますし、わたしも然り、なのですが、1番は?と考えると『時をかける少女』かもしれません。あの描かれている世界の全てが好き。ストーリーも映像も原田知世さんもキャストの方々もそして物語の舞台である尾道も。目に映るもの耳に届く音包み込まれる空気、なにもかもが静かでゆっくりで懐かしくて、そして何よりどこか物哀しくて儚い。

最後の方のシーンのひとつ、深町くんが未来へ帰る時。「未来で必ず別の人になって君の前に現れる」「でもそのとき君も僕もお互いがお互いであることがわからない。記憶は消されてしまうから」というようなことを原田知世さんに言う。それに対して「わかるわ、わたしには」と言いながらふわ~っと気を失ってゆく。

その後何年かしてどこかの研究室ですれ違う2人。深町くんを見て首を傾げながらすれ違ってゆく知世さん、、、。そこへチャ~ッ、チャチャチャッ、チャッチャッチャ~、とテーマ曲のイントロが。あかん。胸がいっぱいになってきた。いや、とにかくさっきも書きましたがその作品全体に漂う物哀しさと儚さがわたしの胸を打ちまくり倒すのです。

前回も同じようなこと書いた気もするのですが、どんなに長く一緒にいられたとしても100年にはとても足りない、と「Travels」(←わたしの曲です。すみません、つい)で歌っておりますように、どんなに愛し合っていてもどんなに大切な人でも、いつか必ず天に召されるか土に還る時がやって来る、これは生きとし生けるものの宿命です。そればっかりはしょうがない。

でもだからこそわたしは信じていたいのです。大切な誰かとは、また次の世で会える、ということを。父がこの世を去ってからもう13年になりますが、今でも時々「ああ、会いたいなあ、、」と思います。会えるのかなあ。会えるよね。次の世で。とも。その場合、わたしは父を見て父とわかるのだろうか。それ以前に父と娘という関係性ではなく、近しい者同士として再会するのだろうか。などなどー、こういう輪廻転生的なことを昔から信じているところがあって、そういう意味でわたしはヒンドゥー教なのであろうかと思うのですが、そない言うほどカレーめっちゃ好きでもないし、そうでもないんかな。知らんけど。

まあそんなわけで、わたしの曲の中にはそんな思想がいつも根底にあると言ってもいいと思われます。顕著なものとしては、2011年リリースの、観月ありささんへの提供曲(作詞作曲)「星の果て」。

いつか この目が閉じて ふたりが遠く話されても

星の果てで 虹のふもとで あなたのこと きっと見つけるよ
どこにいても 時を越えても その手のひら ずっと憶えてる


この曲のMVを見た時、まずもう観月ありささんのあまりの美しさにうっとりしてしまいました。その美しいありささんが澄んだお声で心込めて歌ってくださることで、より壮大にロマンティックな音楽となって世に出ることになってくれて、本当に嬉しく光栄でした。

そして観月ありささん、今年で歌手活動30周年なのですね(おめでとうございます!)。それに伴って、過去のリリース曲の何曲かが各種音楽サブスクリプションサービスにて配信されているそうです。ありがたいことに「星の果て」も入っているようです。このコラムを読んでくださっている皆さまもどうぞお聴きになってみてくださいね。この儚い人生の中で出会えた愛しい人達へ想いを馳せてみてくださいね。書いていてなんだか、わたしも優しい気持ちになってきました。今日も一歩一歩&愛情持ってがんばってこう。

<川村結花>

◆紹介曲「星の果て
作詞:川村結花
作曲:川村結花

◆プロフィール

川村結花(シンガー・ソングライター)
大阪府生まれ。東京芸術大学作曲学科卒業。1995年、アルバム「ちょっと計算して泣いた」でシンガーソングライターとしてデビュー。同時に作詞家作曲家として楽曲提供を行い、主な提供楽曲は、夜空ノムコウ(作曲)をはじめ2019年現在までに100曲以上。2010年「あとひとつ」(作詞作曲共作)でレコード大賞作曲賞を受賞。2017年、アルバム「ハレルヤ」をリリース。ここ数年は、提供楽曲の作詞作曲も行いながら、ピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている。

オフィシャルサイト:https://www.kawamurayuka.com

◆歌詞エッセイバックナンバー
【第1回】
【第2回】
【第3回】
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【第5回】
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