本当に毎日はスペシャルなのでしょうか?

 2020年12月16日に“MAGIC OF LiFE”がニューアルバム『MAGIC』をリリース!今作のタイトルについて、ボーカルの高津戸信幸は「今の大変な時代を生きる助けとなる魔法となればいいという意味を込めた」とコメント。コロナ禍に喘ぐ現代の糧となってほしいというMAGIC OF LiFEらしいポジティブな想いが詰まった今作、是非ご堪能あれ…!
 
 さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“MAGIC OF LiFE”の高津戸信幸による歌詞エッセイを2週連続でお届けいたします!今回は【前編】に続く【後編】です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「記念日」に通ずるお話。みなさんは、自分の今の毎日がスペシャルだと思いますか? スペシャルな毎日とは一体どんなものだと思いますか? ぜひ、歌詞と併せてこのエッセイを受け取ってください。

~歌詞エッセイ【後編】~

竹内まりやさんが毎日がスペシャルと歌っていましたが、本当に毎日はスペシャルなのでしょうか? 正直、過ごしてきた日々のほとんどを覚えていないし、なんなら一昨日も覚えているか危ういです。毎日が鮮烈に焼き付くほどの大事件が起きることなどありえないし、毎日が熱狂的で感動的で情緒的でスーパーミラクルなロマンス的な何かしらのロックンロール的なわけがありません。果たしてそれは、毎日がスペシャルと言っていいのでしょうか?

記念日」と言う楽曲にこう記しました。

“あと何年君と過ごせるかな
あと何日君と話せるかな
あとどれくらいの失敗を
愛おしくふざけて
馬鹿だねって想えて

あと五十年くらい生きるとして
大体二万日くらいとして
今日は二万分の一記念日
ケーキを買ってさ
盛大に祝って過ごそう”


よく耳にすると思いますが、始まりがあれば終わりは本当にあります。あと残り百日の方もいれば千日の方もいるし、明日を迎えられない方もいます。皆さんが当然分かりきっている事なのに、分からないフリをする代表的な事柄だと思います。

生きるとは不平等なのです。肉、寿司、酒的な贅沢三昧を好む方もいれば、毎月貯金して何年もかけて海外旅行を噛みしめる方もいるし、路上で仲間と毎日を味わっている方々もいます。どれが“幸せ”なのかは誰にもわかりません。気持ちや思考のように、カタチのない、いわゆる“人それぞれ”です。

そうなんです、人それぞれなんですよね、ほとんどの事柄が人それぞれです。あたりまえです、骨格も違ければ、脳も心も様々です。僕に関しては、もちろん生きたいと言う想いが前提ですが、自分自身が死ぬ事は然程怖くありません。“結果”は置いといてだけど、それ程の“過程”を大切だと思える人と過ごせています。なので断然、“大切な人”や“生きがい”を失う方が怖いです。

何度も言いますが、始まりがあれば確実に、そして必然的に終わりは来ます。自分自身が贅沢したいのか? 噛みしめたいのか? 味わいたいのか? スペシャルとは、きっとそう言う事ではない。大切な誰かを想い、失うまでの日々を抱きしめ続ける事ができたら、毎日がスペシャルになるのかもしれない。

<MAGIC OF LiFE・高津戸信幸>

◆紹介曲「記念日
作詞:高津戸信幸
作曲:高津戸信幸

◆ニューアルバム『MAGIC』
2020年12月16日発売

<収録曲>
1 陰日向
2 記念日
3 Walk with us
4 Player
5 コーラ
6 未来を追いかけて
7 ファンファーレ
8 What a Relief