愛しているのは本当だったのに、これがもうきっと…。

ひごさつま
愛しているのは本当だったのに、これがもうきっと…。
よく言うでしょ? 「夫婦は向き合うんじゃない。 同じ方を向いて歩むんだ」って それを忘れずに。 (ドラマ『ウチの夫は仕事ができない』より) みなさんは、パートナーの方とケンカをしたことがありますか? 冒頭でご紹介したのは、これまで一度も旦那さんと争ったことのなかったヒロイン(松岡茉優)が、ちょっとしたことで初のケンカをしてしまい、どうしたらいいのかと悩んでいたとき、お母さんが彼女にくれた言葉です。ちなみにドラマでは最終的に、夫婦ともに“同じ方を向いて”いたことがわかり、仲直りへと至りました。まさに、雨降って地固まる、ですね。 しかし世の中、そうもいかない夫婦、カップルもたくさんいらっしゃるはず。同じ方を向いて歩むどころか、向き合うこともできなかった結果、別れにたどり着いてしまうのです…。今日のうたコラムでは、そんなちょっとツラく切ないラブソングをご紹介いたします。男女二人組ユニット“ひごさつま”が2017年8月16日にリリースする2nd Mini Album『すいもあまいも』に収録されている楽曲です。 こないだ見たのよ 知らない女と手を繋いでたの 違うんだ誤解だ ただの友達それ以上はないさ 聞いてくれ 聞きたくないわ 本当のこと話すから 信じられない ごめん一瞬の気の迷いだった 「最後の喧嘩」/ひごさつま とあるカップルの修羅場が、男女交互のセリフにより描かれているこの曲。タイトルは「最後の喧嘩」ですが、残念ながらここに込められているのは“もう二度と喧嘩をしないように仲直りしよう”という意味ではなさそう。サヨナラするから“最後”だということです。では、どうして二人はこんな取り返しのつかないところまで来てしまったのでしょうか。その原因は、彼の<一瞬の気の迷い>だけではないことが、続く歌詞から明らかになります。 俺だって見たんだ 知らない男と腕組んでただろ いつの話今はそんなこと 関係ないどうでもいいでしょ とぼけるな とぼけてないわ 本当のことを話せよ そうね...あたしも ごめん一瞬の気の迷いだった 「最後の喧嘩」/ひごさつま 彼女にもまた、かつて<一瞬の気の迷い>があったのです。ただ、重要なのは、お互いに浮気をしていたことそのものではないのでしょう。彼は、彼女が<知らない男と腕組んでた>姿を目にしながら、今の今まで言わずにおりました。自分の浮気がバレなければ一生、伝えることもなかったのかもしれません。というより、そのモヤモヤがあったからこそ、「だったら俺だって…」という思いで違う女性に走ってしまったのではないでしょうか。 一方、彼女は自分自身も裏切った過去があるからこそ、彼の浮気にも敏感になり、言い訳は<聞きたくない>し、何を言われても<信じられない>という気持ちになっているのです。そして何より、お互いに事実を突き付けられたとき、ここまで来ても<ごめん>より先に“嘘”でごまかそうとしていますよね。つまり、同じ“愛”の方を見つめながら歩むことも、ちゃんと心の亀裂と向き合うことも、できなかったということ。 どうして2人は いつから2人は すれ違ってしまったの 運命の人と 思っていたのに これがもうきっと... どうして2人は いつから2人は 嘘を重ねてきたの 愛しているのは 本当だったのに これがもうきっと 最後の喧嘩 最後の喧嘩 「最後の喧嘩」/ひごさつま そうやって、すれ違い離れすぎた距離と、重ねすぎた嘘に、やっと気づいたときにはもう、<愛しているのは 本当だったのに>修復不可能な二人に…。しかし、このカップルにはまだ、ほんのひと欠片の希望もありそうです。<これがもう“きっと”最後の喧嘩>ということは、100%終わりではないのだと思います。お互い、浮気の事実を突き付けられたとき、とっさに“嘘”をついてしまったのだって、まだこの恋を守りたい気持ちがあったから。 お互いがとことん素直になって、大切に想う気持ちをしっかり打ち明け合うことができたなら、この恋物語は続いていくのではないでしょうか。もしも「最後の喧嘩」の続編ができたのなら、この二人がどのように恋を修復していったのか、聴いてみたいですね…! ◆2nd Mini Album「すいもあまいも」 2017年8月16日発売 AMHG-0003 ¥1389(税抜) <収録曲> 1.赤いキモチ 2.すきすきロックンロール 3.最後の喧嘩 4.プラットホームラブ 5.誰か