私は小さいころからの夢だったオペラ歌手になるため東京の音楽大学へ進学し、卒業後はイタリアまで研修に行きました。
しかし歌の上手な人ばかりが当たり前にいる環境で、精神的に追い詰められたのか、全く声が出なくなり、結局、オペラ歌手になる夢を諦めてしまいました。
そのまま帰国し1年以上歌から離れた生活を送っていたとき、実家の両親から小包と一通の手紙が届きました。
手紙を読み、涙ながらに実家に電話をかけたところ、その電話にはいつも遠ざけていた厳格な父が。「また叱られる!」と思いましたが掛けられたのは意外にも励ましの言葉でした。
なんだか胸のつかえがとれたような気がした私は。帰国後一度も触っていなかったピアノの前へ。すると驚くことに声が出て歌うことが出来たのです。
「ふるさとからの声」は、その時の体験を基に作った曲です。 |