夕焼け

作詞:犬神明
作曲:犬神明
編曲:犬神サーカス団
発売日:2008/04/09
この曲の表示回数:5,642回

夕焼け
誰でもよかった
誰でもよかったのよ、殺すのは
ほら、生き血で包丁がこんなに真っ赤に染まって
まるで子供の頃に見た夕焼けみたいでしょう
…うふふ、あの日からあたいの心はまっぷたつ

懐かしい景色に吸い込まれて
幼い日々が蘇る

忘れないわ
知恵おくれの佐吉って男がいたのよ
ふん、うすらバカのくせに力だけは一人前でさあ
あたいの帰りを待ち伏せしてたのよ そして
暗い牛小屋に引きずり込まれて悪戯されたの

気がついたら
死んでたわ
あたいは転がっていたレンガで
佐吉の頭を割ったのよ

それから必死に逃げたわ
捕まるわけにはいかないからね
あの小さな村を抜け出して
やっとここまで来たのよ…もう帰れないわよね!

燃えるような赤い空
群れるカラスに覆われて
たちまち広がる闇の色
何も見えない聞こえない

幾度も母の名を呼べど
禍つ風にかき消され
涙もやがて枯れ果てる
孤独な夜は終わらない

夕焼けを見る度に 失う記憶
こころの奥に潜む 鬼が目覚める

今宵は誰をとり殺そうか
誰の生き血をすすろうか
今宵お前をとり殺そうか
お前の生き血をすすろうか

忘れられない傷の跡
心ふたつに引き裂かれ
ひとつの体を奪い合う
私の魂どれなのか

他人に云えぬこの辛さ
他人に知れたら笑われる
ましてや罪をうちあけりゃ
石のつぶてはまぬがれぬ

夕焼けを見る度に 涙があふれ
帰れない故郷の景色が浮かぶ

今宵は誰をとり殺そうか
誰の肉を切り刻もうか
今宵お前をとり殺そうか
お前の肉を切り刻もうか

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