冬のあとがき

離れてどれくらいかな
別れてどれくらいかな
好きと好きは簡単には
足し算にはならなかったね

口癖は変わってないかな
髪もまだ伸ばしているかな
こんなことばっかり考えてる
寒空に色彩が消えた

「こんな僕でも」といつもこぼしていたのに
「僕じゃだめなの」とあんな時だけ
おかしかったよね

幼かった恋は時間をのせたまま
慣れた声も匂いも全て愛しくさせる
覚えているような覚えていないような
曖昧に気づいた夜

終わりのない話も寝顔を眺めた朝も
その何気ない一つ一つが
寒さを消してくれてたんだね

今夜もう一度だけ君にもう一度だけ
夢の中でもいいからそう何度願っただろう

幼かった恋は時間をのせたまま
慣れた声も匂いも全て愛しくさせる
忘れないでほしいけど忘れてしまいたいよ
行き先のない思いが夜を彷徨う

幼かった恋は時間をのせたまま
慣れた声も匂いも全て愛しくさせる
忘れないでほしいけど忘れてしまいたいよ
白い季節に取り残されてる

真っ白になった降り積もる雪のようだ
痛くなるほどの冷たい冬ははじめてだよ
君が隣にいない僕の続きをねえ
どうしても描けそうにないんだ
幼かった二人が消えないから
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