春を忘れても

桜の舞う中で揺れていた
君の笑顔はいつもよりも
少しだけ少しだけ泣いてた

きらきら光る朝ひらひら落ちる花びら
予感を溶かしたような風は
僕を小走りにさせるよう背中を触って

甘い匂いの空気と流れるいつもの景色が
モノクロだった画面に今色をつけて
訪れた少し特別な今日

隣に追いついた君が
いつもの場所に寝癖をつけて
同じ歩幅で歩く君が旅立つ今日この日

桜の舞う中で揺れていた
君の笑顔はいつもよりも
少しだけ少しだけ泣いてる気がした
桜の咲かない街の中で
いつしか君が春を忘れたら
会いにいくよ会いにいくから

ガードレール沿いの白線の上を
歩いてる君が落ちないように
手を差し伸べて触れ合った君との温度差と
いつもと同じの僕へと向けた
相変わらずの笑い顔に
最後に好きだとぶつけようとする
自分勝手さが嫌になった

桜の舞う中で揺れていた
君の笑顔はいつもよりも
少しだけ少しだけ泣いてる気がした
ぽつりと落ちた涙、地面に落ちる
間に合わず拭った君の手を
掴んで気がつけば抱き寄せてた
春色の綺麗な君でずっといられますように
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