片隅

片隅 探して傷つかず生きてたんだ
本音をぶつける相手もいないまま
「陰口言わないで」 出来るだけ 隅っこで
当たり障りないように

それでも微かに 窓を叩いた
日差しの中 硝子越し 映ったもう一人
「本当に それでいいの?
言いたい事飲み込んでさ 苦いよ」

でも私 逃げれるだけ逃げた
自分の気持ちも ほったらかして
大勢に合わせて 笑った
いつしか皆の空気のように感じた
いてもいなくても一緒の私でした

片隅 今度は此処にすら居場所はない
窓越し 自分を叱ってくれた自分が
もう見えないんだよ 泣き出しそうな夕日が
高層ビルに捕われてるの

私は私を 見捨てたんだよ
だから皆も私を 見捨てたんだよ
偽りが本当になった 本音を無くしてしまった
自分は此処にいるんだと 自分が言えない 悲しい

居場所なんてもういらないよ あなたの声を聞かせて ねえ

もう私 失う物はない
取り返すのは 自分だって
雁字搦めの部屋を出ていく
探しに行くんだ もがいて消えた私を
そして連れて行こう 片隅のない世界へ
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