君のいない蜘蛛の巣

移ろい行くのが人の運命ならば
私にこれ以上 何が出来ると言うんだろう
蜘蛛のいない巣で 死んでいくシジミチョウはまるで
恋破れてもまだ動けぬ私のよう

「大丈夫」と 精一杯の嘘をつくから
だからもう消えてよ お願い

変わらないで僕らずっと一緒にいよう、なんて
守れない約束押し付けて 行ってしまった
あの夏の美しい毒蜘蛛は そう君でした
持ち主の消えた蜘蛛の巣にひっかかったままの
私に許されたのは この恋が死ぬのを待つだけ

貫く誓いは嘘になってしまったのに
どうして あんなに幸せだったのだろう
笑った愛しい思い出は 私だけのもの
もう君に会える唯一の場所だから

私より好きな人なんて作らないでね
言葉にならずに 涙に変わる

二人はしゃいだ夏の海は何処へ行ったのだろう
集めた桜貝が砂に変わってしまった
あの時の二人を硝子の瓶に閉じ込めて
美しいまま一緒に砂になってしまえたら
私は笑い 時間(とき)を止め この命さえ差し出せたでしょう

変わらないで僕らずっと一緒にいよう、なんて
守れない約束押し付けて 行ってしまった
あの夏の美しい毒蜘蛛は そう君でした
持ち主の消えた蜘蛛の巣にひっかかったままの
私に許されたのは この恋が死ぬのを待つだけ
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